映画嫌い (364)
2009年1月15日 映画本日のクソ映画は2001年の米国映画「ダミー (Dummy)」である。そのタイトルから、サスペンス映画か?と思って見てみたところ、つまらないラブ・コメ映画だった。ここで言う「ダミー」とは、「腹話術の人形」のことなんだもの。
主人公のスティーヴンは腹話術をやっているテレビ番組を見て、それに魅了されてしまった。そして、さっそく自分も腹話術をやってみようと、腹話術の人形を買い、勤務していた会社も辞めてしまったのだ。
幼馴染みの女性・ファンゴラが万引きしてきた教則本を読んでスティーヴンは独学で腹話術の勉強を始め、腹話術の講習会にも参加してワザを身に付けようと努力する。そんな時、スティーヴンはハローワークに勤務している相談員のロレーナと出逢い、スティーヴンはロレーナに恋をしてしまう。その恋の行方は・・・?
スティーヴンの腹話術師としてのサクセス・ストーリーでもなく、人形に邪悪な霊が乗り移ったりもしない。人形がスティーヴンをサポートするわけでもない。だから、腹話術というものの必要性がこの映画には感じられないのである。痛い事に、ロレーナにも魅力が感じられないし、スティーヴンを応援したい気分にもなれなかった。だって、主役としてのスティーヴンに存在感がなくて弱すぎなんだもの。スティーヴンが飄々としすぎちゃっているから、彼の心理が見えてこないんだよねぇ。それがこの映画をつまらなくしちゃっている最大の原因だろう。
姉のハイジ、両親、姉の元彼のマイケル、そしてファンゴラと、超個性的な人物でスティーヴンの周りを固めて、それで軽い笑いを取っている手法にも疑問は残る。確かにファンゴラとハイジのその個性的なキャラは面白いのだが、それがかえってスティーヴンの存在を薄くしちゃっているのだ。
途中でスティーヴンは人形を返品して腹話術を辞めちゃうのだが、その後にまた腹話術をやるようになる心境とかそのキッカケのような肝心なものを見せていないのもダメだな。
ちなみに、「腹話術」のことを英語では「ヴェントリロキズム (ventriloquism)」と言う。試験には出てこない英単語なので(多分)、この英単語を覚える必要はない。
映画「ダミー」
http://www.eigaseikatu.com/title/7704/
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