中米嫌い (1)
2005年4月20日数年前、中米の国々を仕事で周った経験がある。
アメリカのロスからメキシコに飛行機で移動し、メキシコの首都のメキシコシティで仕事をした後、オアハカ、ビリャエルモッサ、パレンケ、ウシュマル、チチェン・イツァ、そしてテオティワカン(メキシコのピラミッドがある所)を急いで観光をし、その後、南に向かったのだった。メキシコの最南端の町まで国内線で飛び、その後は陸路で隣国のグアテマラに入り、そして中米各国をひたすら路線バスにゆられて、ホンジュラス、エルサルバトル、ニカラグア、コスタリカ、パナマと周ったのだった。
これらの中米の国々を訪れて、私が見つけたものと言えば、ささやかな遺跡、廃墟と化した町、戦争の爪あと、インディオの集落、混血の人々、毎食のチキンとトルティーヤ(トウモロコシをつぶして練ったやつ)、そんなところだけだった。
あんなに日本人が少なく、観光化されていない地域は、世界でもそうないであろう。これらの国々で、私が体験したものは、退屈と疲れだけであった。アメリカの影響の配下で、たいして面白みもなく、ただ政情不安な国々。もう私は中米に行くことはないと思う。
あの時の思い出に残った体験を記しておこう。
私が路線バスで移動し、ホンジュラスの国境を越えて、ニカラグアに入った時である。私は固まってしまったのだ。とっても困ってしまったのだ。この国境から近くの町まで、バスで移動する予定だったのに、この日は、ニカラグアの国中がストライキに入ってしまった為、交通機関が完全にストップしていた。勿論、タクシーも止まっている。その国境を越えた時は、午後3時くらいで、もうすぐ夜になってしまうのだ。動いている交通機関は、団体のツアーで来ている大型バスだけで、近くの街まで乗せてもらおうと、ツアーの添乗員に頼んだら、あっさりと断られてしまった。日は傾いてしまうし、本当に困ってしまった。その国、ニカラグアは、最近まで戦争をしていて、情勢は未だ不安定。どう考えても治安が良いとは思えないし、見るからにとっても怪しい国である。国境といっても、入国の事務所があるだけで、ジャングルの真中である。こんな何もないところで、夜を越すわけにはいかない。ジャングルだから、どんな猛獣が出るかもわからないし、周りに地雷があるかも知れないから、へたに動けない。困った、困った。さて、どうしよう。
ブルーベリー、危うし!
つづく
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