やおい嫌い (2)

2005年7月8日
 
「やおい同人誌」の人気を決めるのは、なんてったって、誰と誰をホモらせるか、その選択にかかっているだろう。意外な2人がホモ関係になっていると、話題となるのは当然である。「え〜? あの2人がぁ?」と、女性読者の皆さんがキャーキャー言って「やおい同人誌」をお買い上げになると言う。
また、2人のうち、どちらが「女役」になるかも重要なポイントである。すなわち、誰が「挿入する側」で、誰が肛門に「挿入される側」に設定されるかである。基本的には両刀使いってのはダメだそうで、「女役」が主人公として描かれる場合が多いようだ。挿入されるされる側の美学がウケる傾向があるらしい。
 
「やおい同人誌」には、サブタイトルや宣伝文句で使う語に暗黙の決まりがある。それは、ホモる出演者の名前を表記する手法である。
例えば、「ドラえもん」のジャイアンとスネオがホモる「やおい同人誌」の場合は、サブタイトルや宣伝文句で「ジャイ×スネ」と記述する。名前を縮めて書く傾向があり、「ジャイアン」が「ジャイ」に、「スネオ」が「スネ」のようになる。2人の名前を区切るのが「×」の記号であり、この「×」は読む時には発音しない。だから、「ジャイ×スネ」は「じゃいすね」と読む。
また、「×」記号のうしろに名前があるほうが「女役」だという決まりがある。だから、「ジャイ×スネ」の場合は、ジャイアンが挿入する側、スネオが挿入される側ってことだ。
サブタイトルや宣伝文句にそのように「挿入者×被挿入者」が隠語として書かれているのを見て、女性読者の皆さんは内容を想像(妄想)して買って行くのだ。
ちなみに、「やおい」用語では、「やおい同人誌」に群がるホモ好きな女性読者のことを自ら「腐女子」と呼ぶ。
以上、「やおい」文化の基本知識としてこの事だけは押さえておこう。
 
「ジャイ×スネ」の場合、それぞれの本来のキャラクターから、暴力的なジャイアンが「オレにもやらせろよぉ〜」とかなんとか言いながらスネオに挿入するその行為の様子は比較的想像しやすいのだが、やはり、そのような「想像に易し」なものはウケないらしい。そこで発想を逆転させて、「スネ×ジャイ」として、スネオがジャイアンに挿入するという意外性のあるパターンを描くと「やおい同人誌」ファンにウケるというのだ。
 
そう言えば、10年前の地下鉄サリン事件の直後の、オウム信者が毎日のようにマスコミに取り上げられていた頃、すでに「やおい」文化が存在していて、オウム信者が「やおい」のネタにされだしていた。
当然の事ながら、上祐(マイトレーヤ)と青山(アパーヤジャハ)が「やおい」になるという噂が出て、「マイ×アパ」の同人誌が出るとの情報が流れた。世間のイメージでは、上祐が責め、青山が受けであるから、そのまま「マイ×アパ」では面白くない。だから、発表された同人誌は逆のパターンの「アパ×マイ」だった。登場人物の名前は上有、蒼山にそれぞれ変えられていたが、
「上有さん・・・」
「蒼山・・・ア・・・ッ!」
と上有が挿入されちゃうのだった。
 
あの当時、「やおい同人誌」を買い漁る女性の皆さんが、
「今度出るオウムのやつは、あぱまい らしいのよぉ〜!」
「ウッソ〜ぉ! まいあぱ じゃなくて あぱまい なのぉ?」
と会話しているのを目撃して、業界用語っていうより不思議な暗号に聴こえてしまったものだ。「やおい」文化、恐るべし!
(っていうか、「やおい」文化と書くと、弥生文化に似た響きになるのがステキだ!)
 
でも、「マイ×アパ」にしても、「アパ×マイ」にしても、私はどちらもあまり見たくないよなぁ。
ちなみに、その「アパ×マイ」の同人誌「インコ真理教入会マニュアル 悪の華」(四谷シモーヌ著)は、太田出版から商業出版されたこともある。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/487233261X/250-8183930-7256207
 
ちなみに、本職(?)のホモやゲイの皆さんの間では、上祐にも青山にも人気がないそうである。じゃ、オウムで誰が人気があるのかと、ホモやゲイのかけらもない私が想像するには、中田、新実、岐部あたりなのだが、これもハズレなんだそうだ。
で、ダントツに人気が高かったのは、早川だったというから凄い!
でも、それってかなりマニアックじゃないかぁ?と思うのは私だけであるまい。
 
 
(つづく)
 

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