ヨダレ嫌い (1)
2005年8月3日私の数少ないアフリカ行きの経験である。
私は休日を利用して、ケニアの国立公園のサファリ・パークを巡るツアーに参加した。
そのツアーで一緒になった人達というのは、誰も彼も動物がだ〜い好きで、10年越しの思いを込めてケニアに来たなんて人も多かったのだった。勿論、私も念願のケニアだったから感激もひとしお。みんな自然とうちとけあい、すごく良い雰囲気の中、ツアーは進行していったのだった。
サファリ・バスに乗り込んで、みんなで国立公園で狂喜乱舞しながら野生動物を見て回った後、そのツアーで用意された昼食の為に、サファリの中にあるレストランに連れて行かれたのだった。
その昼食ってのが、なんと野生動物の肉のバーベキューなのである。しかも、バーベキューと言っても、見慣れたそれとはワケが違うのである。ものすっごく太い棒に、それに負けない位の肉を差して焼くというシロモノで、その塊を各自の鉄板にナイフでそぎ落としてもらって食べるというスタイルなのだった。
これにはさすがに皆さんは躊躇すると私は思っていた。場合によっては全員が昼食をボイコットすると言うこともありえるのでは?とすら思えた。
ところが、皆さん、自分の鉄板にお肉の棒をにゅっと出され「これはシマウマの肉でございま〜す」なんて言われて、なんの躊躇も無く「あ、どうも」なんて応えているのだ!
いくらそのバーベキューの肉は食肉用に飼われている動物とはいえ、さっきまで「きゃ〜っ、シマウマかわいい〜!」などと言っていた動物大好きの皆さんが、うまそうにシマウマやらシカやらダチョウやらの肉をほおばっているのである。
私は食事はせず、何だか悲しくなって、一人中庭に出た。すると、そこには、檻に入った食用と思われる動物ちゃん達が・・・。
もしかしたら、皆さん、この食事の後のサファリでは、動物を見ても「かわい〜」ではなく、ヨダレが「ぢゅる・・・っ」っていう感覚になってしまうの?と思うと、とっても不可解だった。
私は、中庭の檻な中のつぶらな瞳の動物ちゃんを見て、「ぢゅる・・・っ」なんてヨダレが出てこないものなぁ。
(つづく)
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