10年以上前のことなのであるが、日本の仕事仲間(Gさん、あんたのことだよ)を経由した依頼なので断わることもできなくて、韓国の企業からの仕事の依頼を受けたことがある。韓国の国内では有名な企業らしい。わざわざ日本に仕事を依頼してくるほどだから、それなりに資金がある企業なのだろうな。韓国の企業とは関わりになりたくないんだけれど、その仕事仲間(Gさん、あんたのことだよ)からの圧力もあったし、日本の企業から出るギャラの相場の2倍を出してくれるという経済効率に目がくらんだものだから、その依頼を受けてしまったのだった。
 
それで、さっそく打合せのために、韓国のソウルにあるその企業の本社に行ってきた。
 
面識もない依頼者だから、やはり握手するのは危険だろうなぁと考えていた。
武器を持つ利き手は決して他人にはあずけない、これが鉄則だ。
余計な世間話などしないで、
「用件を聴こう・・・。」
このひとことでいいよな。
自分の背後に立つ奴でもいたら、
「俺の背後に立つな!」
と言って、パンチすべきだろうな。(註)
そして、壁に背中をつけて、立ったまま依頼を聴く。黙ってその話を聴きながら、細いタバコを吸う。何を言われても動じずに、
「・・・・。」
と無言のままでいる。
おっと、私はタバコは吸えないんだったっけ。ギャラを振込んでもらうためのスイスの銀行の口座も持っていないぞ。
 
ってなことで、本社の応接室に案内されて、へんな日本語をしゃべる幹部や、関係部署の担当者からから挨拶をうけて、みんなと両手で握手してしまった。
そして、若い通訳の女性もひとり付いてくれて、約一時間の打合せが円滑かつ円満に終わってしまったのだった。
その後、少々の雑談をして、
「プサンは釜山って漢字で書くし、ピョンヤンは平壌て漢字で書くんですけど、ソウルって漢字でどのように書くんですかぁ?」
なんてな質問を私がすると、通訳の女性に、
「ソウルは新しい街なので、漢字をあてていないんですよ。」
と言われて、
「そうだったんですかぁ、あはは・・・。」
なんていう会話になったのだった。その事が通訳されちゃって、あちらのみなさんも笑っていた。
 
そして、私が席を立って帰ろうとしたところ、その幹部のおっさんが、
「こんばん、しんぽくのための、おしょくじのよういをしております。ぜひ、われわれといっしょに、おいしいちょうせんりょうりをどうぞ。」
と言ってきた。
ヘンテコな発音だったが、私を「接待」したいのだなということが理解できた。
「接待」したいというのなら、韓国ではどんな「接待」があるのか受けてみようぢゃん、と思い、私はそれを快諾し、一泊の予約を入れておいた宿泊先のホテルに移動した。後で、そのホテルまで迎えに来てくれるという。
 
さて、その夜の「接待」ってのが・・・。
 
(つづく)
 
 
 
註:
そういえば、あのマンガのパロディの「やおい」マンガがあって、主人公のG(Gさん、あんたのことぢゃないよ)が挿入されちゃうんだが、危うく後背位でうしろから挿入されそうになり、「俺の背後から挿入するな!」と言って空手チョップするシーンがあった。
すばらしい・・・。(泪)
 

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