映画嫌い (2)

2006年3月3日
 
最近に見た映画では「プロミス」もかなりひどかった。試写会で見たんだけど、あまりのアホらしさに溜め息が出てしまった。マスコミでの評価は高いようだったから、いかにマスコミの評論があてにならないものなのかを証明してしまった作品だと言えよう。
 
この映画も「ヒーロー」や「ラバーズ」のように、画像を絵的に美しく表現しようとしているのがよくわかる。それがこの映画においては悪趣味で逆効果になっているとしか思えなかった。その過度のナルシズム的な美的センスが醜悪で、かなり鼻につくし、そのウサン臭さに吐き気さえする。監督の傲慢な性格が反映されちゃっているんだろう。だから、ヘンテコな美意識のある各シーンが「なんでやねん」的、「そんなアホな」的、あるいは「もういいよぉ」的に見えて、映画全体がウソっぽくなってしまっている。監督さんよぉ〜、世の中、そんな美しいものばかりじゃないんだけどなぁ〜。
 
そこまで美しく撮ろうとして・・・、それなのにぃ・・・、CGがめちゃくちゃに安っぽい。かなりセコい。かなりアホらしい。こりゃCGだぁ・・・とすぐにわかる。CGにお金をかけていないのだろう。専門学校の実習でパソコンで作ったようなシロウトまる出しのCGなのである。実写の部分にCGを合成しているシーンがたくさんあるんだけど、ろくに座標計算せずにCGを作成しちゃっているんだろうなぁ、実写とCGがバラバラなのだ。実写部分の空間の奥行きとCGで描いている空間の角度がかなりズレちゃっている。だから、その空間全体がヘンテコにゆがんでいるように見えてしまっている。アインシュタイの相対性理論で空間がゆがんでいるんじゃあるまいし、見ているとかなり気持ちが悪いゆがみなのだ。そんな子供だましのようなデキソコナイのチープなCGがますます映画全体をウソっぽくしている。カメラの動きも変に大きすぎるし、ちゃんとしたプロが作っている映画には見えない。
 
ストーリー自体にも何らおもしろみがないのも致命傷だ。
冒頭に出てくる女神さん、あんた何の用で出てきたんかぃ? わざわざ女神ってものを出演させる理由がないし、ストーリーの上で何の意味もないでしょ。この女神を演じている女性は監督の奥さんなんだそうだ。それって、監督が単に奥さんを映画出演させたかった、それも女神にしたかっただけでしょ? ホント、監督の傲慢な性格まる出しじゃないかぁ。こ〜いう人とは友達にはなれないだろうなぁ。
 
ワイヤー・アクションだらけのチャンバラ&カンフーのシーンもウソっぽいのは当然だ。ワイヤーで吊らなきゃできないインチキなアクションなんて見てもしょうがないでしょ。作用・反作用、運動量、力積なのど中学校でも習うような基本的な物理法則くらい守ってアクションしなさいよねぇ。
走るのがめちゃくちゃ速い・・・っていう乞食の、その走りもウソっぽいよなぁ。っていうか、そんなに速いってのはウソそのものでしょ。ありえねぇ〜!って見ているみんなが心の中で叫んで当然でしょ。勿論、その部分のCGもメチャクチャにチープで、まるでマンガなんだよなぁ。そんなんだから、映画全体がますますウソっぽい。「ほらふき男爵」をモチーフにした洋画「バロン」(監督はテリー・ギリアム!)の中にでてくる「走るのが速い男」(役名は忘れたけれど、演じているのはモンティ・パイソンのメンバーのエリック・アイドルだ!)を思い出してしまったのは私だけであるまい。
 
最も気になったのはキャスティングの悪さだ。
走るのが速い男を演じているあの韓国人俳優はまあまあ合格で、彼と同じ部族出身の暗い男を演じていた役者もまあまあであるが、その他の役者はことごとくミスマッチでハズレだと思う。ヒロインが魅力に乏しいのは最も痛い。もっとマシな女優がいなかったのだろうか? 敵役の男のあのスケールの小ささもミスマッチだ。場末のホストみたい奴にあの役をやらるってのは頭おかしいんぢゃないのぉ? 真田広之があの役だったってのも疑問だ。べつに真田広之じゃなければならない必要がない。人口が10億人以上いる中国なのに、あの役を演じられる役者は中国にいないってのか? 日本人が出演していると、世界最大の映画マーケットである日本で注目されるって効果だけの理由じゃないだろうか? こんなスケールの小さな映画なのに、「日本・韓国・中国の名優を使って作ってみましたぁ、どうだぁ、すごいでしょう!」と俳優の国際化でごまかしているだけだろう。真田広之よ、ちゃんと仕事を選びなさい。
 
話題になった映画だから、この映画がテレビで放映されるのも遠くないだろう。だけれども、それ見るのは時間の無駄にしかならないだろう。私は絶対にもう見ないと断言できる。自分が死ぬ瞬間、今までの人生を振り返り、こんなつまらない映画で2時間もの貴重な人生の時間を無駄にした・・・と後悔するのが目に見えている。人生があと2時間長ければ、あんなことも、こんなこともできていたのにぃ・・・とその時に悔いるのは私だけであるまい。だから、こんな映画は無視するに限る。
 
この映画のアホ監督は「チェン・カイコー」っていう名前だ。みんな、こいつの名前は忘れるな。こいつが監督している映画は絶対に見るな!
 
 
 
映画「バロン」
http://direct.nagase.co.jp/dvds/ItemSB-11774.html
http://www.kanshin.com/keyword-14757
http://www.kyoto-su.ac.jp/information/CineRev/rep-baron.html
 

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