アロマ嫌い (4)
2006年4月24日さて、アロマ企画「オソレザン」の話題の続きだ。
アロマ企画? オソレザン? っていう人はバックナンバーを読んでちょ。
イタコのばあさんに、死んだAV女優の霊を呼び出してもらうことになったのだ。AV業界初と思われるイタコの「口寄せ」シーンだ。始めはイタコのばあさんにビデオ撮影を拒否されるのであるが、料金にチップとして一万円を上乗せするとあっさりと撮影OKとなった。「地獄の沙汰も金しだい」という言葉が頭の中をよぎるのは私だけであるまい。霊が降りてきたイタコのばあさんがファックするのか?と心配していたが、結局、このばあさんは脱ぎもしない。ああよかった。脱がないのに金をもらってAVビデオに出演するとは、さすがアロマ作品だ。
それで、あのAV女優の霊が降りてきて、ばあさんの口で喋るのである。当然、その霊ってのがホンモノの彼女なのか確認できるような事は一切言わず、あたりさわりのないどうでもいいような事を勝手に喋り続ける。「死人に口なし」という言葉が頭の中をよぎるのは私だけであるまい。っていうか、青森弁の訛りが強すぎて、いったい何を言っているのかわからない部分がほとんどなのだ。彼女が電車にひかれた時、彼女が酒に酔っていたってことを事前にばあさんに伝えていないのに、それを言い当てられて一同はギョッとするんだけど、「ヘタな鉄砲、数撃ちゃ当たる」という言葉が頭の中をよぎるのは私だけであるまい。その他の事がことごとく当たっていないのだ。
次のシーンでは、死んだAV女優と共演したことがある男優が登場し、極楽浜という砂浜で女優と性交する。死んだ彼女のことを思い出しながらの性交だ。こんなのが慰霊・追悼になるのか疑問である。そして男優は装着していたコンドームの中へ射精し、その精子を近くに流れている「三途の川」に流すのであった。そんな慰霊・追悼の手法があるとは知らなかった。「精霊流し」ならぬ「精子流し」という言葉が頭の中をよぎるのは私だけであるまい。バカバカしいシーンではあるが、ちょっとだけゴシックな「美」を感じてしまったのが虚しい。霊場・恐山を背景とした裸のねぇちゃんというミスマッチな情景は、困ったことに、アヴァンギャルドにさえも見えてしまう。この違和感・・・、当たり前だが、今までに経験したことのない感覚だ。
そして、感動の(?)ラスト・シーンに突入する。近くのホテルで監督と女優が性交をするのだ。二人とも白装束の姿で、ベッドのまわりには数々のロウソクと風車(フゥシャじゃなくてカザグルマだよ)が。めちゃくちゃ異様な雰囲気だ。まさにカルトだ。こんなのが慰霊の儀式になるのだろうか。監督は何度も呪文のような言葉を繰り返して発する。そして監督は「サイの河原」で拾ってきた小さな地蔵(そんなもの拾ってくるなよなぁ)を彼女の性器の中へ挿入しちゃうのだ。「こんなの初めて・・・」と女優は言うのだが、地蔵を挿入されちゃうってのがそう何度もあってたまるものか。監督はさらにもうひとつのやや小さな地蔵を取り出した。イヤな予感がする。その予感は的中し、その地蔵は女優の肛門の中へ。座薬ぢゃないんだから、そんな物、肛門に入れるんぢゃない! その地蔵が「クソ地蔵」となって恩返しにやってきたら恐いじゃないか。それにしても、地蔵が体内へ入って来る、それも2体も、・・・って、AV業界初の試みぢゃなかろうか。次のフェラチオのシーンでは、監督の勃起した性器に数珠が巻かれているし、そのめちゃくちゃカルトでアングラなノリには頭がクラクラしてくる。全くエロスを感じないし、笑えもしない。ひとりで見ていると虚しくなるし、彼女とでも一緒に見ていると気まずくなるに違いない。このAV、どのように見るのが正しいのか、模範解答を知りたくなる。
結局、彼女の死の真相も判明せず、彼女の慰霊になったのかどうかも不明のまま、この作品は終わるのであった。合掌。
アロマ企画「オソレザン」の異常さがおわかりただけたであろうか? AV業界初の数々をやってのけちゃうこの作品、AVの歴史を変えてしまった迷作と言えよう。アロマ企画、恐るべし!
アロマ企画「オソレザン」
http://www.db.megahit.co.jp/cgi-bin/itemview.pl?number=ARB-06
しかしなぁ、こんなのが製品として出るってのが何より怪奇現象だよなぁ。
これを定価で買った人たちって、この製品をどのように使うのであろうか?
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