映画嫌い (48)
2006年5月6日今回は昨年の米国映画「セレニティ (Serenity)」だ。未来の宇宙を舞台にしたSFものである。そのうち、これも日本で上映されるかも。
地球の人口が溢れて、人類は他の惑星系に移住したが、その統治をめぐっての長期の惑星間戦争が発生する。その戦争が終結した後の物語である。
予知能力を持つ17才の超能力少女・リバーが、その能力を軍事利用しようとする惑星連合に追われる。リバーの兄で医師であるサイモンは、彼女を連れて、宇宙船「セレニティ」に乗り込み、逃亡と冒険の旅に出るのだった。サイモンとリバーの運命は?
・・・てな映画なんだけれど、主人公はその宇宙船の船長・マルである。執拗に連合に追われ、船員には「とんだ疫病神を乗せてしまった」と言われて仲間割れしながらも、連合の秘密を暴いていく。
なかなか良い特撮をしている。船内のセットや、荒廃した惑星を訪問したシーンのセットも良くできている。宇宙船同士の戦闘シーンのCGもそれなりのものになっている。ところが、肝心のストーリーが面白くない。あれこれと詰め込もうとした結果、散漫になってしまっているのだ。
少女の予知能力ってのもたいしたものじゃなくて、ホントに軍事利用できるような予知能力があるのなら、なんでそんな危険さえも予知できなかんだよぉ?と、そのセコさにツッコミを入れたくなるシーンが何度もある。少女が幻覚を見てラリパッパ状態になっているのに、なぜか、いきなり、ものずごいカンフーで敵をばたばた倒していくってのはお笑いにしか見えない。
そのカンフー以外にも、ヘンテコな東洋思想とか、東洋文化のものが出てくるっていう、お馴染みの腰くだけSFの姿がこの映画にもいくつもあるのだ。
例えば、こんな仏像に線香を立てるシーンがあるし、
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宇宙船「セレニティ」の船体に書かれいる船名に、こんなふうに、
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/serenity2.jpg
漢字が混在していたりする。右の漢字は「静」だってのはわかるけど、左の漢字は「宋」だろうか? それにしても意味がわからんよなぁ。
その他にも、ワケのわからんカタカナの並びや、漢字に似せた文字が何度も出てきて、例えば、これは宇宙船の船内のドアに書いてあるんだけど、
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この「セリラ」って何なんだよぉ?
ハンディ・コンピュータらしき装置には、こんな文字が表示されている。
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カタカナの「ステスコスイイ」とか「マノミスイマミニ」の意味がさっぱりわからんし、漢字の意味もわからんなぁ。中国での略字のようにも見える文字も中にはあるんだけど、何の漢字だかわからん文字もある。
この映画の舞台となっているのは、今から何百年後のことなのかわからないけれど、現在の科学にでさえ完全に否定されている「サブリミナル効果」がストーリー上に出てくるってのはお笑いだ。いかに科学が発展し、宇宙に進出して植民する時代になっても、その手のインチキ・オカルトは根絶されないってことなんだろうか?
映画「セレニティ」
http://www.serenitymovie.com/
http://www.planetcomics.jp/index.php?itemid=335
サブリミナル効果
http://www.genpaku.org/skepticj/subliminal.html
サブリミナル効果を解説している嘘つきなページ
http://www.genic-net.com/103/KOUKA.html
http://vqjapan.com/sub/
http://www.vqjapan.com/sub/information.html
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