映画嫌い (172)

2007年4月16日
 
本日のデス映画は2006年の米国映画「デジャヴ (Deja Vu)」である。日本では先月から劇場公開されていたようだ。
 
舞台は米国のニュー・オリンズ。海軍の水兵とその家族たちをパーティのために乗せたフェリーが、出航直後に大爆発を起こし、500人以上が死亡した。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/dejavu1.jpg
主人公はATF(註1)の捜査官・ダグ・カーリンだ。ダグは現場を捜査し、この爆発事故は爆薬によるテロだと突き止める。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/dejavu2.jpg
その爆発事故の直前に河で発見されていた女性・クレアの死体をダグは調査し、これは爆発に巻き込まれて死んだように見せかけられた殺人であると推理する。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/dejavu3.jpg
そして、クレアの殺人が爆破テロと関係があると見て、ダグはクレアの部屋を捜査するのだった。
捜査で判明したことをダグがFBIの捜査本部に報告すると、ダグはその洞察力と土地勘をかわれて捜査本部への協力を依頼される。そして、厳重に警備されている極秘の科学捜査室へと案内されるのだった。ハイテク装備されたその部屋の大きなスクリーンに映し出されている映像は、4日前の市内の映像だった。複数の偵察衛星に蓄積されている地上の様子の観測データをコンピュータで画像処理し、エリア内の任意の位置をあらゆる角度から見ることができる最先端のシステムであると説明された。ダグはクレアの部屋の中を監視することを指示すると、スクリーンには部屋の中にいる4日前の生前のクレアの姿が鮮明に映し出された。音声付きで、まるでその部屋の中で撮影したような鮮明さである。いったいクレアの身に何が起こったのかを見守るダグと科学者たち。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/dejavu4.jpg
ところがダグはそのシステムの不審な点に気付き、システムの操作をしている科学者に詰め寄る。科学者はその画像が偵察衛星からのものではない事を認めた。時間の異なる2つの空間がつながる事を研究中に偶然に発見して、それを応用したシステムである事を知らされる。4日前と空間がつながっているのならば、4日前の自分自身へ爆破事故の件とクレアの事を教えることができないかとダグは考えたが、物質や情報を過去へ送る実験に成功していないと科学者は言う。メモ用紙1枚だけでも送れたら・・・と、ダグは4日前の自分自身へ向けてのメモを書き、科学者はそれを送る実験をしてみたところ、その転送に成功。しかし、4日前のダグはそのメモを見ることはなかった。ダグは自分の体を4日前に転送する決心をする。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/dejavu5.jpg
ダグは過去に戻ってクレアを救い、事件を解決できるのか・・・?
 
「デジャヴ」ってタイトルだから、デジャヴ(既視感)をテーマにした疑似科学、オカルト系の映画なのかと思って見てみたんだけど、結局はタイム・スリップものなのかよぉ・・・と失笑だ。これのどこがいったいデジャヴなんだ? デジャヴのシーンなんか全然ない。誰もデジャヴなんか体験していないじゃないか。何かを比喩的にデジャヴって言っているわけでもない。デジャヴの意味を知らないのかねぇ?
 
ダグがクレアの部屋を捜査した時に見たものや電話の会話が伏線となっているのはそれなりに面白い。過去に戻れたとしても、やはり歴史は変えることができない普遍なものである・・・かのように見せているのも良い。ところが、最後の最後で、結局は歴史が変わっちゃうんだもの、おもいっきりズッコケた。すっごい矛盾だらけのタイム・パラドックスだから、アホらしいのなんの。
最初はテキパキと手際良く捜査していたダグなんだけれど、スクリーンに映し出されるクレアの姿を見守るシーンから急にまったりしちゃうのもヘンテコだ。うまく過去へ転送できるかわかっちゃいないのに、自分の体をはってまでしてクレアを救おうとするダグのその心境がどこから湧いてきたのか不思議でたまらない。
ってことで、私はこの映画にガッカリだよぉ!
 
 
映画「デジャヴ」
http://www.movies.co.jp/dejavu/
 
 

 
ダグを演じているのはお馴染みのデンゼル・ワシントンなんだけれど、地味だなぁ。この役、モーガン・フリーマンが演じても面白くないだろうし、ウィル・スミスやエディ・マーフィー、サミュエル・L・ジャクソン、ローレンス・フィッシュボーンなんかが演じるとあぁなっちゃうだろうし、誰が演じるのが正解だったかなぁ? 無名の新人を抜擢しても良かったかもねえ。
 
 
註1:
ATF とは「Alcohol Tabacco and Firearms」の頭文字を取った名称の政府系機関。正式名称は「Bureau of Alcohol, Tabacco, Firearms & Explosive」。日本語では「連邦アルコール・タバコ・火器・爆発物取締局」とでも言えば良いのだろうか? その名の通り、アルコール、タバコ、武器の取締が業務なんだけれど、実際のところ、何をやっているのかわけのわからない団体でねぇ。日本酒の米国での輸入はここの部署の許可が必要だったりする。
 

 

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

日記内を検索