映画嫌い (178)

2007年5月17日
 
本日のデス映画は2006年の欧州映画「パフューム ある人殺しの物語 (Perfume: The Story of a Murderer)」である。ベストセラー小説の映画化だ。
 
舞台は18世紀半ばのパリ。主人公は孤児のジャン・バティスト・グルヌイユ。彼は生まれながらに犬なみの超人的な嗅覚を持っていた。13才まで醜悪な環境の孤児院で暮らし、その後に奴隷として売られ、過酷な肉体労働をさせられていたのだった。
 
ある時、重荷の配達の作業で親方に連れられて街へ出たグルヌイユは、街の中にあふれる様々な香り魅了される。その場を通行した果物売りの女性の香りに惹かれ、グルヌイユはその女性を尾行する。悲鳴をあげそうになった女性の口を手でふさいだところ、その女性は死んでしまった。グルヌイユは彼女を全裸にして、全身の匂いを嗅ぎまくる。ニオイ・フェチの変態男だ。
 
ある時、グルヌイユは配達の用事で香水店を訪問した。その香水店の経営者・バルディーニはかつて香水の調合師として大ヒット商品を出して富を得ていたが、その後はヒット商品もなく、客が来ない店はさびれていた。
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グルヌイユはその超人的な嗅覚で、バルディーニがその時に研究していた製品の成分を言い当てる。驚くバルディーニ。その上、グルヌイユは自己流の調合でそれと全く同じ香りの香水をその場で作ってみせた。驚愕するバルディーニ。
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それが縁で、バルディーニはグルヌイユを弟子として迎え、グルヌイユは本格的に香水の調合法、花からの原液の抽出法などを学ぶ。グルヌイユの調合により新たなヒット商品が生まれ、店も繁盛するのだった。
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そして、グルヌイユは究極の香水を求めて旅に出た。旅先の街の香水製造工場で下働きをしながら、彼が密かに研究して製造した香水とは、女体を原料としてそのカラダから原液を抽出するものだったのだ。グルヌイユは原料を求めて次々に女性を殺していく。次々に見つかる女性の全裸死体。連続殺人に街は騒然となる。
 
グルヌイユが狙っていたのは、街の有力者の娘・ローラだ。危険を察知したローラの父親はローラと一緒に避難して街を出るが、
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犬なみの嗅覚でグルヌイユはローラを追う。
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そして、グルヌイユはローラを襲い、原液を抽出するのだったが、その後に彼は警察に捕らえられる。グルヌイユは公開処刑されることになった。
 
公開処刑の日、街の住人たちは憎き連続殺人犯の処刑を見るために処刑場に集まっていた。そこへ連行されたグルヌイユは、隠し持っていた香水を自分の体に塗る。その匂いに群集は魅了される。その匂いを嗅いた処刑執行人は「この人は無実だ」と言い、教会の司祭は「天使だ」と言う。群集はひざまずき、熱狂的にグルヌイユを支持する。グルヌイユはカリスマになった。スーパースターだ。
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そして、その匂いでトリップした住人たちは、次々に服を脱ぎ捨て、男女入り乱れてまわりの人と愛し合い、その場は大乱交会場と化す。
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ローラの父は「俺は騙されないぞ」と剣を持ってグルヌイユの前に立ちはだかるのだが、結局は匂いに負けてひざまずく。
皆がトリップして乱交しちゃっているスキにグルヌイユは逃亡し、彼はパリに帰るのだった・・・。
 
 
おぃおぃ、女体から抽出した究極の香水って麻薬だったんかい?
なんで臭覚異常過敏特異体質のグルヌイユ自身はその匂いでトリップしないんだ? 通常の臭覚の群集でさえあのようになるんだから、グルヌイユの臭覚だったらその匂いで彼はショック死するんじゃないのかぁ?
それに、なんでグルヌイユの前に立ちはだかったローラの父は、服を脱いでグルヌイユとファックしないんだ?(あまり見たくないシーンだが)
 
それにさぁ、なんでグルヌイユは警察に捕まるんだぁ? なんで警察が近付いて来ていることを匂いで察知できなかったんだぁ? 匂いで人や物体の動きをも関知できるグルヌイユなのに、なんか矛盾しているんだよなあ。
 
最も気になるのは、臭覚が凄い体質と、凄い香水を作れるってのは別のハナシじゃねえのぉ? ってことだ。
たとえば、凄い味覚を持った人がいたとしても、その人が必ずしも名料理人になれるわけじゃないし、凄い音感を持った人が凄い作曲家になれるわけでもない。大活躍したプロ野球の名選手が必ずしも名監督になれるわけでもないでしょ。だから、素直にこのストーリーを認められないんだよなぁ。
 
で、パリに戻ってからのグルヌイユのシーンが、まるでオマケのように最後に付いているんだけれど、それが実にくだらない。そんなラストにするなよなぁ。それで終わりかよ?って思ってしまうのは私だけであるまい。
 
それにさぁ、毎度毎度の素朴な疑問なんだけれど、なんで18世紀のフランス人たちが全て英語で会話しちゃっているのだろうか?
 
 
映画「パフューム」
http://perfume.gyao.jp/
http://www.imdb.com/title/tt0396171/
 
 

 
舞台となっているのは1760年代の半ばだろうから、フランス革命よりやや前の、マリー・アントワネットのあの時代だ。ってことで見ていると、この映画の中にも、その時代にはありえないオーパーツなものがいくつか出てくる事に気がつく。
この映画を見た人はいくつ気がついたかな?
 

 

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