映画嫌い (179)

2007年5月19日
 
本日のデス映画は2007年の米国映画「ホリデイ (The Holiday)」である。
 
恋に破れたふたりの女性。一方は英国のロンドンの郊外に住むアイリス。もう一方は米国のロスに住んでいるアマンダ。この傷心のふたりが2週間の休暇中だけ互いの家を交換することになった。
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しょ〜もない映画だなぁ。どちらの女性にも全く魅力ってものがない上に、その住居交換生活はロクなストーリーもないまま終わってしまう。なんだったのぉ、これ〜ぇ?なのだ。とてつもなく退屈だ。退屈すぎて暇つぶしにもならない映画だ。
英国にやってきたアマンダはアイリスの兄と早々とファックしちゃうんだもの、アホらしいったらありゃしない。そんな腐った肉体系恋愛ごっこの男女の姿を見せられるのは不快なだけだ。その後もその男女の意味もない会話を長々と見せられちゃって、いや〜な気分でいっぱいになる。こ〜いう時に殺意ってのが芽生えるよなぁ。
ロスに来たアイリスのほうは、近所の老人と交流したりのまったりとして生活がメインで、非常に眠気がしてくる。マイルズ(アマンダの仕事仲間の男で、映画音楽の仕事をしている)との恋愛ごっこにも生アクビが出てきた。このようなストーリーにいったい何の意味があるんだろうねぇ?
 
ところで、気になったのだが、以前は映画の中のシーンで使われるパソコンって、ほとんどがアップル(Apple Computer)のマック(Macintosh)だったわけ。パワーブック(PowerBook)シリーズや、iMacシリーズや、アップルの大型の液晶ディスプレイなんかが映画の中で使われているシーンを何度も見かけた。パソコンのディスプレイに表示されているのはマックのOSのそれではなくて、架空のGUIである事もあったけれど、マックが映画の中のパソコンをほぼ独占してきたようなものだった。
ところが、最近は映画の中でソニーのパソコンを見かけることが多くなってきた。
この映画の中でも、アイリスが使っているノートパソコンがソニーのVAIOだもの。
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その他にもソニー製品が映画の中に登場している。
例えば、アイリスの自宅にあるステレオがソニーだ。
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マイルズの自宅にある2台の液晶ディスプレイがどちらもソニーだ。
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そうだよなぁ、この映画って「コロンビア(Columbia Pictures)」が配給している映画だものなぁ。現在、コロンビアはソニー系の「ソニー・ピクチャーズ・エンターテイメント(Sony Pictures Entertainment)」社が権利を所有している、ソニーの傘下の映画会社だものなぁ。
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おぉっと、アマンダの自宅の電話はパナソニックだな。
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ソニーって家庭用電話は作ってなかったか。
 
でも、携帯電話がソニー・エリクソンではないのは・・・?
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映画「ホリデイ」
http://www.holiday-movie.jp/top.html
 
 

 
ロスでアイリスとマイルズがDVDショップに行くシーンがあって、マイルズは「炎のランナー (Chariots of Fire)」のDVDのパッケージを手に取って、そのテーマ曲を口ずさみ、こんな事を言う。
「ヴァンゲリスの音楽だよ。彼は電子音楽を取り入れた草分け的な存在なんだ。」
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いや、ちがう。確かに「炎のランナー」の音楽はヴァンゲリス(Vangelis)だが、ヴァンゲリスを「電子音楽の草分け」と言うのは誤りだ。ヴァンゲリスが電子音楽をやり始めたのは1972年頃で、電子音楽としては後発にあたるのだ。
では、電子音楽の歴史を簡単に振り返ってみよう。1960年代の初頭から現代音楽・前衛音楽の分野では電子発振器として既にシンセサイザーは使われていた。1960年代の半ばにロバート・モーグ博士(Dr. Robert A. Moog)が鍵盤付きのモーグ・シンセサイザー(Moog Synthesizer)を開発した後にそれが現代音楽以外のジャンルで徐々に使われるようになり、1969年にウォルター・カルロス(Walter Carlos、後に女性に性転換してウェンディ・カルロス Wendy Carlos に改名)が「スィッチト・オン・バッハ (Switched on Bach)」を発表し、それが一世風靡している。映画音楽としては、ウォルター・カルロスは1971年に映画「時計じかけのオレンジ (Clockwork Orange)」の音楽も担当している。「電子音楽の草分け」とは彼(彼女)のような人物を言うのだ。
また、1969年にはドイツで電子音楽グループの「タンジェリン・ドリーム (Tangerine Dream)」が結成されて、「エレクトリック・メディテーション (Electric Meditation)」という電子音楽作品を出しているし、同じ頃のドイツにはその他にもクラスター(Kluster, Cluster)、ポポル・ヴー(Popol Vuh)などの電子音楽グループが誕生している。
同じく1969年にはビートルズ(The Beatles)がLP「アビー・ロード(Abbey Road)」の中の数曲でシンセサイザーを使用し、ジョージ・ハリスン(George Harrison)は電子音楽のソロ・アルバムをも発表してる。続いて、1970年にキース・エマーソン(Keith Emerson)がグレッグ・レイク(Greg Lake)と結成したバンド「エマーソン・レイク&パーマ (Emerson, Lake and Palmer)」でシンセサイザーが本格的に導入されて、それで一気にシンセサイザーが認知されるようになった。
その1960年代末から70年代初頭の時期、ヴァンゲリスはまだシンセサイザーを使用していない。その時期、ヴァンゲリスはフランスで「アフロディテス・チャイルド (Aphrodite’s Child)」というレトロなポップスを演奏するバンドを結成して、「雨と涙 (Rain and Tears)」というヒット曲を出してるのだ。ピアノとハモンド・オルガンを使った古めかしい音楽で、全然、電子音楽なんかじゃないんだもの。
ヴァンゲリスが「電子音楽の草分」だなんてウソを、映画音楽のプロの役の人物が言うなよなぁ! 自宅にミニ・ムーグ(Mini-Moog)すら置いていない映画音楽の奴ってウソくさいよなぁ。
 
ヴァンゲリスが在籍していたバンド「アフロディテス・チャイルド」の1970年の音を聴いてみたいかたは、こちらから勝手にダウンロードをどうぞ。
http://www.megaupload.com/?d=FSDSFR3X
 
ちなみに、ヴァンゲリスの動画はこちらで見られる。
http://www.youtube.com/watch?v=zoEkyBX7qsg
http://www.youtube.com/watch?v=Y0D3x4WkxuM
http://www.youtube.com/watch?v=u_jsMPiTaqE

 
 

 
 

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