映画嫌い (194)

2007年7月30日
 
本日のクズ映画は2007年の米国映画「トランスフォーマー (Transformers)」である。今週の週末から日本でも劇場公開されるようだ。「未整理な脚本を元に、勢いだけで作っちゃいました、あはは」映画ってなところである。これからこの映画を見ようと考えている人は、以下を読まないように。
 
中東にある米国空軍のサクソン基地。領空侵犯して正体不明のヘリコプターが飛んで来た。スクランブル発信した戦闘機F-22の誘導によって、その飛行機はサクソン基地に強制着陸させられた。すると、そのヘリはいきなり二足歩行のロボットに変身して、基地を荒らしまくる。基地は壊滅状態に。ロボットは空軍のコンピュータにネット接続し、どんどんデータを吸い上げる。ネットは途中で基地の兵士によって切断され、そのロボットは謎の信号音を残していった。国防長官は、敵の正体をつきとめる為、技術者を召集して、信号音の解析を指示する。
次に狙われたのは、大統領専用機「エア・フォース・1」だった。小型のロボットが侵入し、ネット接続してデータを吸い上げる。
 
主人公は冴えない高校2年生、サム・ウィットウィッキー。サムは自分の車が欲しくて、その資金を得る目的で、有名な探検家だった祖父の遺品、探検道具をネット・オークションに出品していた。それらは全く売れないけれど、学業の成績を条件に父親が中古車を買ってくれると言い、遂に手に入れた車は、4000ドルのポンコツの黄色いカマロだった。サムは密かに思いを寄せていた同じ高校の女生徒・ミカエラをドライブに誘う。実はそのポンコツ車は宇宙からやってきたロボット生命体が変身した姿だったのだ。
 
・・・ってことで、その他にもいろいろと無駄な登場人物が出てきて、無駄なシーンも多いから、おもいっきり略して、簡単に要点を以下に書いちゃおう。
 
宇宙からやってきた善玉のロボットたちと、悪玉のロボットたちがいて、悪玉が「キューブ」っていうエネルギー源のような物体を手にして自らパワーアップして、それで宇宙を支配しようという野望を持っていたんだけれど、その「キューブ」が地球のどこにあるのかわからない。それを調査する為に、悪玉がネット接続して情報を収集していたってわけ。で、その昔にサムの祖父が実は北極圏の探検中に氷の下で「キューブ」を見つけていて、その位置情報が祖父のメガネに書込まれていた。そのメガネがネット・オークションに出品されている事を知った悪玉が、メガネを求めてサムを狙って襲ってくる。それに対抗して善玉たちがサムを守る。善玉のロボットたちと悪玉のロボットたちのロボット同士の戦闘になっちゃうのだ。そこに国防長官が絡んできたり、サムと善玉のロボットたちとの友情があったり、弱っちいサムが勇気をもって戦う決断をしてなんちゃらとかそういう精神論になっちゃったり、ミカエラとの恋の行方とか・・・、もぉ〜、いろいろ詰め込んでハチャメチャなのである。信号音の解析をする女性職員なんかも出てきたっけなぁ、あれも無駄な登場人物だ。
 
見る前は、映画「宇宙戦争」のような、ロボットが地球を破壊しまくるやつなのかなぁ?と思っていたんだけれど、結局は、「善玉ロボット」対「悪玉ロボット」ってなモロにジャパニーズ・ロボット・アニメのような幼稚な世界になっている。私はこの映画に出てくるような「超合金・合体ロボ」系のアニメの世代じゃないから、こ〜いう世界には思い入れがないんだよなぁ。だから、かなり冷ややかに見てしまう。私は「マジンガーZ」も「ガンダム」も「ゲッター・ロボ」も「ライディーン」も「ヤッターマン」も「ジャンボーグ・エース」も見ちゃいない。(10年くらい前、米国のケーブル・テレビで、水戸黄門のパロディのようなバカバカしい日本製のロボット・アニメが放送されているのを見かけたことがあるんだけど、あれはいったい何だったのだろうか?)
 
最も気になったのは、主人公のサムに全く魅力がないって事。これは痛いなぁ。それに、勿論、ミカエラにも全然魅力がない。このカップル、まるで映画「スパイダーマン」シリーズ並みの酷さなのだ。そんなミカエラとの色恋シーンなんか不要だぞ。
また、時々出てくるコミカル・シーンも笑えなくて邪魔だ。善玉ロボットたちのボヤキのような会話とか、その手のお笑いはこの映画には不要だろう。もっとストーリーも登場人物も整理して、こんな詰め込み過ぎはやめたほうが良かっただろうにぃ。冒頭のサクソン基地の件なんかもバッサリと削除して、もっともっとストーリーをダイエットさせたほうがいいぞ。
 
一方、CGで作られたロボットたちの動きはよく作られているとは思う。けれど、細かく変形しながら速い動きをするロボットを見ていると、目が疲れてくるのがイヤだな。かなりせわしないんだもの。ロボットの身体をじっくりと観察できるようなシーンがほしいよなぁ。じっくり見られないから、もしも股間にヘンテコな物が付いたとしても、あれじゃわからないよなぁ。
 
で、ヘンテコなのが、善玉ロボットがサムに自己紹介して事情を説明するシーンで、ロボットが言ってる事。
「私の名前はオプティマス・プライム。サイバトロン星から来た生命体だ。」
続いてメンバー紹介になって、こう言う。
「彼は我が方の火器担当のアイアンハイドだ。」
「彼は護衛担当のバンブルビーだ。」
そして、
「メガトロンより先にオールスパークを探し出さなければ。」
なんて言うのだ。あのねぇ、なんで、オプティマス・プライムだの、サイバトロンだの、メガトロンだの、宇宙の果てからやってきた奴らなのに、固有名詞がすべて英語系のそれなんだぁ? 英語って全宇宙の共通語だったのかぁ?
ロボットの形状が、人間のように、胴体・手・足・頭部の構成になっていて、それが人間のように二足歩行するってのもヘンテコだ。そのようなヒューマノイド型って全宇宙共通なのかねぇ?
 
ロボットたちがマシンガンやバズーカ砲のような火薬燃焼系の武器で戦っているのもヘンテコだ。もしも月面のような酸素のない場所での戦闘にでもなったならば、それらの武器をどうやって使うのか? もしも木星のようなメタン系の惑星でぶっぱなすと、引火して大爆発になっちゃうかも知れんだろ。宇宙を駆け巡るロボット生命体がそれでいいのかぁ? 火薬や銃弾の補填はどうなってるのかも謎だ。
 
 
その他にもツッコミ対象となるヘンテコなシーンが多い。ツッコミ好きな人はこの映画を見てチェックしよう。 
 
 
映画「トランスフォーマー」
http://www.transformers-movie.jp/top.html
 
 

 
補足:
その後、水戸黄門のパロディのようなくだらないロボット・アニメについて、ある方がメールで教えてくださった。その日本製アニメは「最強ロボ ダイオージャ」というやつらしい。
http://www.sunrise-inc.co.jp/daioja/outline/outline.html
ひぇ〜、すっごいバカバカしいタイトルだ。そうそう。ミト王子ってのが主人公だった。こんな馬鹿なアニメが日本でテレビ放送されていた時代があったんだねえ。
 
 

 
 

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