映画嫌い (195)

2007年8月1日
 
本日のクズ映画は2005年の米国映画「ゾディアック (The Zodiac)」である。未解決の連続殺人事件の実話を映画化したものである。
 
米国のカルフォルニア州、1968年12月20日の夜、車の中にいた若いカップルが銃で襲われた。男女共に射殺されてしまったのだ。
事件の捜査責任者になったのはパリッシュ警視だ。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/zodiac1.jpg
貴重品は持ち去られていないので強盗ではない。しかし、目撃者もなく、指紋などの犯人の手がかりもない。動機も何もわからない。捜査が全く進まないのだった。
次の犯行は1969年7月4日の夜に起きた。同様に車の中のカップルが撃たれてしまっのだ。女性は射殺され、男性も撃たれたが、なんとか一命をとりとめた。事件の直後に、自分が犯人だと言う男から警察へ電話が入り、その男は1968年12月20日の事件も自分が犯人だと言う。そして新聞社には、犯人しか知らない情報を書いた犯行声明文と一緒に、意味不明の記号が並ぶ暗号が送られてきたのだった。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/zodiac2.jpg
その犯人は自分の名前を「ゾディアック」と名乗った。
一命をとりとめた男の証言で犯人の似顔絵が作成されたが、警察は容疑者を絞り込めず、暗号の解明もできないまま、続いて9月27日にも同様の事件が発生してしまう。前代未聞の連続殺人事件に街の住民は恐怖する。警察は容疑者を内定するが、その人物は事件と無関係だと判明する。焦る警察。そして、次の事件が10月11日に起きてしまう。またも犯人から手紙が送られてきた。次の犯行予告をし、更には「暗号には犯人である自分を特定する為のヒントがある」と書いてある。
マスコミによって事件が大々的に報道され、パリッシュ警視は捜査に進展にない事に精神的に追いつめられ、それが原因で妻との関係にも亀裂が見えてくる。家庭崩壊寸前の状態だ。パリッシュ警視の息子のジョニー・12才はそんな父を密かに心配するのだが・・・。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/zodiac3.jpg
 
 
今年(2007年)に劇場公開されたデヴィッド・フィンチャー監督による「ゾディアック (Zodiac)」とは別の映画である。こっちの映画は2005年の、アレクサンダー・バークレー監督による映画だ。「ゾディアック」事件は米国では有名な事件なので、何度となく映画にされちゃっている。だから、すっごく紛らわしい。こちらのamazon.co.jpの解説
http://www.amazon.co.jp/dp/B000MR8VZ2/
の中でも、この映画とフィンチャー監督のやつとが混同されちゃっているもの。
 
で、こっちの「ゾディアック」のほうであるが、実に中身のない映画である。すっごくくらだない。未解決の事件で、実際に未だに犯人は不明のままである為、この映画の中でもそれ以上に捜査には何の進展もないまま、何も意味もないままにプッツリと終わってしまっているという、ど〜でもいいような映画なのだ。主人公を捜査責任者のパリッシュ警視にして、その家庭をメインにしているという、そのような視点が面白くないのだ。
 
一方、フィンチャー版の「ゾディアック」では、この事件の暗号にとりつかれた風刺漫画家を主人公に置いて、暗号解読への執着から精神崩壊しちゃって、家庭も崩壊しちゃうという、これもまた家族というものをメインにしちゃっている面白くない映画なのだ。そ〜いう、家族の絆ってのをテーマにすり替えちゃうってのが米国映画のつまらないところなんだよなぁ。うんざりしてくるぞ。
 
フィンチャー版「ゾディアック」でこの事件に興味を持った人も、こっちの映画は無視しような。1960年代末という時代の描き方はフィンチャー版のほうが上手い。
 
 
映画「ゾディアック」(アレクサンダー・バークレー監督版)
http://www.murauchi.com/MCJ-front-web/CoD/0000001421322/
http://www.dmm.com/mono/dvd/-/detail/=/cid=n_605gnbf1162/
 
 

 
 

 
 

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