映画嫌い (214)
2007年11月29日本日のクズ映画は2007年の米国映画「ローグアサシン」だ。原題は「War」なんだけれど、日本や香港、オーストラリアなどでは「ローグアサシン」のタイトルで劇場公開されたらしい。「War」ってタイトルだったら、戦争映画だと思われちゃうものなぁ。見終えても、このストーリーのいったいどこが「War」なんだ?と思っちゃうしなぁ。
舞台はサンフランシスコ。FBIのジョン・クロフォード捜査官はヤクザの取締りを担当している。同僚のFBI捜査官・トム・ローンは中国系の男だ。
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日本のヤクザの親分、柳川シローの米国での暗躍を阻止すべく、ある日の夜、シローの子分たちが謎の行動をしている港にふたりは踏み込み、銃撃戦となる。子分たちは全員が射殺された。その時にトムは、シローの部下である暗殺者・ローグを撃って、ローグは海に落ちるが、その死体は見つからなかった。
それから数日後、休日で一家だんらんのトムの家に暗殺者が復讐にやってきた。トムの妻も子供も射殺され、家に火をつけられててしまう。その現場にやってきたクロフォードは、丸焦げになったトムの遺体を見て愕然とする。その場には、ローグが使っている銃の薬莢が落ちていた。クロフォードはローグへの復讐心にめらめらと燃える。それから3年が過ぎた・・・。
ローグは何度も整形手術で顔を変えている謎の男だ。
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(ローグを演じているのは山口良一でも山下真司でもない。)
クロフォードはローグを捕まえる手がかりを求めて捜査を行なう。
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一方、同じ街に、シローと敵対している香港系ヤクザ、チャンがいた。ローグはチャンの用心棒となったのだった。
ローグはシローを裏切って、寝返ったのか?
それともローグはシローが送り込んだスパイか?
しかし、ローグは次々に不可解な行動をとる。密かにどちらのヤクザの子分も殺し、ヤクザの抗争を煽るような裏工作を行なう。ついにローグはシローもチャンも殺してしまうのだ。
ローグの目的とは?
ローグの正体は?
クロフォードはローグを捕まえられるのか?
はい、これもとてつもなく面白くない。ストーリーがヘナチョコだ。ローグの目的と正体、それと、対するクロフォードの正体に関するサプライズをやりたかったんだろうけれど、全然サプライズになっていない。見ていると想定内なんだもの。途中で私はローグの正体がわかっちゃったよぉ。
なんで米国の映画界の人たちって、日本のヤクザが好きなんだろうねぇ? 以前に、スティーヴン・セガール主演の映画で、ヤクザとの抗争やつのがあったけれど、この映画もそれの亜流でしかない。クロフォードを演じているジェイソン・ステイサムが日本語を話すシーンがあって、その日本語の発音がめちゃくちゃだ。スティーヴン・セガールの日本語よりかなり酷い。よ〜く聴かないと何をしゃべっているのかわからない日本語だ。その時に表示される英語の字幕を読んで、その日本語の語句を想像するしかないようなセリフもある。ちゃんと日本人にチェックしてもらって、日本語の発音の指導くらい受けろよなぁ。この映画、スティーヴン・セガール主演でやってみたほうが良かったのでは?
ちゃんと日本人の俳優も出演していて、ちゃんとした日本語のセリフのシーンもある。たとえば、シローを演じているのは石橋凌だ。
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でも、この人にヤクザの親分をやらせてもなんだか重みがないんだよねぇ。イナカの中小企業の専務にしか見えないんだもの。
それで、ヤクザの子分の中にもちゃんと日本人だと思われる役者がいるんだけど、中には顔だけがアジア人で、ヘンテコなアクセントで日本語のセリフを言う人もいる。中国系アメリカ人の俳優をかき集めたのかねぇ? ヤクザがそんなヘナチョコな発音で話すものだから、スゴみもなく、すっごくシラけるのだ。
一番、日本語がヘンテコなのは、シローの娘・キラ(デス・ノートかよ? ヤクザの親分が自分の娘にキラだなんておちゃめな名前を付けるかよ?)の役のこの人だ。
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噴飯ものだ。発音がまるで棒読みだ。だから、凄くダイコンな役者に見えてしまう。このヘンテコな顔、どこかで見た事があるなぁ・・・(オセロ・松嶋ではないよなぁ)と思っていたら、すぐに判明。以前にここに書いた米国映画「恋のミニスカ ウエポン (D.E.B.S.)」に出ていた人だ。女子高生版「チャーリーズ・エンジェル」ってな具合のバカ映画だったなぁ。
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この俳優さんの名前はデヴォン・アオキだね。アオキって名前からして日系人っぽいんだけれど、日本語はダメな人だったんだね。
それで、お待ちかねの、毎度毎度の、米国人の目から見た勘違いされちゃっている日本文化のシーンもある。
日本料理レストランでの銃撃戦のシーンで、こんなのがある。
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レストランの壁に「弱肉強食」だなんて書くなよなぁ。それを見ながら、弱肉強食だぁ!と思いながらしゃぶしゃぶを食えってか? それとも、「焼肉定食」の誤りか?
同じシーンにはこんなのも。
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ど〜いう意味で、レストランに「下手の横好き」だなんて書いてあるんだぁ? これ、掛け軸のつもり? 掛け軸には見えないよなぁ。教訓とか、スローガンなのかねぇ? 注文したら出てくる料理が「下手の横好き」で作ったものだってことか? なんだか美味しくなさそうだよなぁ。
さらには、こんなのも。
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「疑心暗鬼を」? なんなんだこれ? 料理の食材にヘンテコな物を使っていたり、産地偽装、賞味期限改竄とかしてるんじゃないかと「疑心暗鬼」になっちゃうこと?
「掃き溜めに」? 物を食べる場所に「掃き溜め」って書くなよなぁ。
この映画の美術担当さん、これらの日本語の意味をちゃんと理解していないんだろうなぁ。こんな日本語、誰から教えてもらったんだろう? スタッフの中には日本人もいるし、その場で日本人の役者も演技しているんだから、「へんだぞ」って指摘してやれよ。
ほかのシーンでは、車のショールームの入口に、こんなのまで。
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映画「ローグアサシン」
http://www.rogue-assassin.com/
http://www.imdb.com/title/tt0499556/
ちなみに、「アサシン (assassin)」ってのは「暗殺者」の意味の英単語なんだけど、アサシンの語源は大麻の「ハッシッシ」だ。ハッシッシを吸引してから暗殺の仕事に出かけたというイスラム系の教団が「アサシン」と呼ばれるようになったのが元になっている。
今後、この映画を見る気がなくて、ローグの正体を知りたい人だけ、これを見よう。
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