映画嫌い (251)
2008年3月22日本日のカス映画は2006年の米国映画「ファクトリー・ガール (Factory Girl)」である。この映画は日本では4月19日より劇場公開される予定らしい。
「ファクトリー・ガール」ってなタイトルではあるけれど、これは工場で働く女性の物語ではない。ここで言う「ファクトリー」とは、ポップ・アートの巨匠、アンディ・ウォーホールのアート・スタジオの名前である。「ガール」とは、そのアンディ・ウォーホールの彼女だったイーディ・セジウィックのことを指す。ってことで、この映画は、イーディのはかない生涯の実話をアンディ・ウォーホールとの関係を軸に断片的に描いた映画なのである。
イーディは名家の令嬢であった。1965年、イーディはアンディ・ウォーホールとの出逢い、ふたりは交際を始める。アンディのポップ・アートは新しい時代の到来を象徴する芸術として世界的に認知され、アンディは時代の寵児となっていく。イーディはアンディの制作した映画に次々と出演し、「VOGUE」誌の表紙にもなるほどの時の人となった。ところが、1967年にイーディはボブ・ディランとの恋に落ちてしまい、アンディと決別してしまうのだった。その後にはディランにも去られてしまい、孤独の中でイーディはドラッグに溺れる。そして1971年、イーディはドラッグが原因で死去。28才の若さだっとさ。
おしまい。
薄い映画だねぇ。主役がイーディであり、その自滅する姿を描いている映画なのであるが、イーディの存在感が薄すぎるのだ。単にアンディ・ウォーホールの楽屋裏、彼の歪んだ心を見せたいだけだな。イーディから見たアンディ・ウォーホールの実像ってなところか。でも、アンディ・ウォーホールの作品とその意義を知らないで見ると、この映画での彼は狂った男にしか見えてこないんぢゃなかろうか? それにオマケとしてボブ・ディランとの出逢いと別れのストーリーを付けて、ドラックで死亡ってなイーディの転落人生の言い訳にしているだけだな。つまらない映画だねぇ。
ちなみに、この映画にはボブ・ディラン本人からの許可が得られなかったので、ボブ・ディランの名前は出てこないが、ボブ・ディランだとしか思えないそっくりな風貌の男が別名で登場している。その男を演じているのがヘイデン・クリステンセンである。前述の映画「ジャンパー」で主演だった人だね。映画「スター・ウォーズ」でも有名らしいね。アンディ・ウォーホールを演じているのはガイ・ピアース、イーディ・セジウィックはシエナ・ミラーだ。
映画「ファクトリー・ガール」
http://www.factorygirl.jp/index.html
http://www.imdb.com/title/tt0432402/
コメント