映画嫌い (263)
2008年4月20日本日のクズ映画は2008年の米国映画「バンテージ・ポイント (Vantage Point)」だ。大統領狙撃とシークレットサービスの話なんだけど、この手の映画って多過ぎるものだから飽き飽きしているのは私だけであるまい。この映画は今年の3月に日本でも劇場公開されていたようだ。
スペインのサラマンカにあるマジョール広場で開催されるサミットに各国の首脳が集まり、会場は厳戒体制で警備が行なわれていた。
主人公はシークレットサービスのトーマス・バーンズだ。
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トーマスはアシュトン米国大統領を警護でサラマンカにやって来たのだった。ところが、アシュトン大統領はマジョール広場で演説を行なうおうとした時に、突然と何者かに狙撃されてしまう。パニック状態の広場では、更に大爆発が起こる。
シークレットサービスは現場にいた現地の非番の警官、エリンケを不信人物として追うが逃げられてしまう。
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また、その場では観光客の黒人が一部始終をビデオ撮影していた。
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狙撃で混乱する現場で、エリンケの彼女であるヴェロニカが爆弾を投げ込む姿がビデオには写っていたのだ。
その頃、本物のアシュトン大統領は近くのホテルにいた。狙撃されたのは影武者のニセモノ大統領だったのである。本物の大統領はテレビで狙撃事件を見ていた。
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特殊工作員のハエビルはテロリストによって弟を人質に取られていた。脅されたハエビルはテロリストたちの要求に従うしかなく、武装してホテルの大統領の部屋を襲う。テロリストは本物の大統領がホテルにいる事を知っていて、ホテルから大統領を誘拐する計画だ。救急隊に変装して救急車に乗ってホテルにやってきたのはヴェロニカだった。そして、大統領は救急車に乗せられて連れ去られてしまう。
現場から生放送していた米国のテレビ局の中継車の中にトーマスが入り込み、狙撃の模様の録画を見せてもらっていると、多数あるモニター画面の中の1つに、シークレットサービスの同僚であるケントが警官に変装してその場から立ち去る姿が映っていた。ケントが裏切ったとピンときたトーマスはケントを追う。そして、狭い裏通りでのカーチェイスが・・・。
狙撃事件の真相とその結末は?
特にどぉ〜ってことのないストーリーを、登場人物たちそれぞれの異なる視点で見せているだけの映画である。トーマスの視点でみた現場、エリンケの視点から見て事件に巻き込まれる様子、観光客の黒人がビデオ撮影する視点、ハエビルがテロリストの指示に従うしかないままに事件に関与した視点、現場で指示を出すテロリストのリーダーの視点、・・・、その他・・・。 その見せ方だけがこの映画のポイントでしかなく、それが見事にコケちゃっているのだ。見せ方だけであれほど強引に引っ張っているのが見苦しい。最後にはありきたりのカーチェイスになって、そしてトーマスの武勇伝にしかなっていないというトホホな終わり方には失笑だ。
最大の失敗点は、トーマス以外の登場人物の視点をいくつも見せているものだから、散漫になっちゃって、トーマスの存在感が薄くなっちゃっている事だろう。誰が主人公なのか途中でわからなくなっちゃうんだもの。
結局、この映画は、そようなマルチ・ヴュ−・ポインツの見せ方を試行する為の実験映画でしかなく、その実験の結果、そんな見せ方は失敗だったなぁという結果を出しちゃったものだ。だからこんな映画は無視しような。こんなクズ映画を斬新だなんて言うなよ。
映画「バンテージ・ポイント」
http://www.sonypictures.jp/movies/vantagepoint/
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