映画嫌い (264)

2008年4月21日
 
本日のトンデモ・クソ映画は2006年の中国映画「王妃の紋章 (Curse of the Golden Flower)」だ。これがまた、ど〜しょ〜もないクソ映画なのだ。金ピカな悪趣味さギラギラ、人がウジョウジョ出て来て戦って、みんな死んでパッパラパー!なのだ。
原作は1930年代に作られた戯曲「雷雨」だ。この原作は日本でも欧米でもほとんど知られていないんだけど、中国では凄く有名なのだ。なぜに中国ではそんなに有名かと言うと、中国の一党独裁政府の中国共産党がその思想性を政治的に利用して、中国人民に知らしめている政策があるからだ。このストーリーに資本主義の凋落、共産主義万歳という思想を絡めて、中国人民に愛国教育・思想統一するのに利用しているのである。この映画の中では直接的には共産主義賛美な事は言っていないのではあるが、お馴染みの戯曲の映画化であるという事で、中国では大ヒットを記録している。日本や欧米では全く認知されていないのは、芸術としても娯楽としても何も評価できるポイントがないからである。米国では大コケして宣伝費すら回収できなかったのは、そのような理由である。日本でも先日から劇場公開されているが、めちゃくちゃ評価が低い。全く見る価値のないクソ映画だから、絶対にこんな映画は見るんじゃないよ。
監督は「HERO」、「LOVERS」などの色キチ映画で知られるチャン・イーモウである。彼は中国共産党の指示により、北京オリンピックの開会式・閉会式の総合ディレクターを務めている。この人を政治利用する中国共産党の姿勢がこの映画でも垣間見られるんだよなぁ。金を払って中国共産党のプロパガンダを見せられてもしょうがないだろ。だから、こんなクソ映画はボイコットしようぜ。
 
 
西暦928年、唐王朝末期の「五代十国」時代の宮廷で繰り広げられる愛憎劇だ。
重陽節の節句が近づき、それを祝う為に、宮廷の王と王妃の元に3人の息子たち(ワン皇太子、ジャイ王子、ユウ王子)が集まった。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/CurseOfTheGoldenFlower1.jpg
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/CurseOfTheGoldenFlower2.jpg
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/CurseOfTheGoldenFlower3.jpg
王と王妃の関係は冷えており、王妃はワン皇太子との不適切な関係がある。その一方ではワン皇太子には密かに関係を続けている娘・チャンがいた。王妃はワン皇太子とチャンの関係を裂こうとする。
その頃、王は侍医に指示し、王妃が毎日飲んでいる薬の中に毒物を混入させていた。数カ月間それを飲み続けると精神崩壊する毒物だ。チャンは侍医の娘であり、王妃の元に薬を持ってくる係の侍女だった。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/CurseOfTheGoldenFlower4.jpg
王妃は王の指示で毒を盛られている事を知りながら、毎日のその薬を飲む。毒の事を王妃に知らせたのは王妃の元でスパイ活動をしてる女で、その女は悲しい過去を持ち、今は侍医の妻となっていたのだった。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/CurseOfTheGoldenFlower5.jpg
王妃は重陽節に向けて金刺繍で菊の紋章を何枚も作り続けた。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/CurseOfTheGoldenFlower6.jpg
そして、重陽節の前夜。宮廷にクーデター軍が攻めてきた。クーデター軍を指揮するのはジャイ王子だ。クーデター軍の兵士たちは王妃の手による菊の紋章の金刺繍を身に付けた王妃の軍だったのだ。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/CurseOfTheGoldenFlower7.jpg
宮廷を守る大軍との戦いが始まり、そして・・・。
 
 
もぅ、頭クラクラだ。金ピカだらけで、アレルギーになりそうだ。吐き気がしてきた。悪趣味すぎるぞ。もう一生、金色なんか見たくないぞ!ってな気分だ。そんなに金があることを自慢したいのか? あの醜悪な金ピカが豪華だとか美しいとか思う感覚がデスだな。それに、人海戦術のクーデター軍と宮廷軍との戦闘は、人だらけのウジャウジャ状態で、まるで昆虫ウジャウジャのように見えてくる。気分が悪くなる。ちょっとトイレで吐いてきていいかな? 
 
で、さぁ、結局のところは、王と王妃、やるかやられるかのストーリーに向かっているんだけど、王妃から見ると、王は自分を毒殺しようとしている敵だってのはわかるが、どうして王は王妃を毒殺したかったのか、最後まで見てもその理由が何もわからないんだよなぁ。そのような、理由も不明な毒盛り、単にそれだけなのに、それを金ピカで脚色して、兵士を昆虫のごとくウジャウジャ出して、それでストーリーを引っ張っているのは強引すぎてついていけない。それだけ引っ張る理由は何なんだい? っていうか、こんなバカ・ストーリーを見せられても、この映画が何を言いたいのか、さっぱりわからないんだよなぁ。醜悪な金ピカのあれ以外に何も見えてこないのである。なんなのこの映画?ってな具合だ。
 
それで、この映画では王は権力を握る絶対的な孤高の存在として描かれているけれど、それはニーチェの思想におけるツァラストラなんかじゃなくて、その実態は自己中心的で、自分に刃向う者を罪人・悪者として武力で排除している独裁者なのである。そんな王を現在の中国共産党に置き換えて考えてみると、このストーリーは、チベットを侵略して武力弾圧する現在の中国共産党のそれと変わらないのだ。従わない者への武力弾圧を正当化するこの映画には救いようがない。最低!である。この映画をエンタとして楽しめたバカ者は人として最低だ。そんな奴は中国へ亡命しろ。
 
 
王妃の紋章
http://wwws.warnerbros.co.jp/ouhi/
http://www.cinemacafe.net/movies/cgi/17963/
 
 

 
王妃の役の女優さん、どこかで見たことがあるなぁ・・・と思っていたら、映画「ハンニバル・ライジング」で「ムラサキ夫人」を演じていた人だね。(笑)
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/hr1.jpg
この女優さんの名前は「Gong Li」っていうんだけど、私はずぅ〜っと「ゴン・リー」だと思っていた。なんで「Gong」なのに「ゴン」ではなくて「コン」って発音しなきゃならんのだ?
 
ちなみに、10年くらい前に私は原作「雷雨」のビデオ版を知人に見せてもらったことがあるんだけど、あれは完全にポルノ・ビデオだった。王妃と皇太子の親子ファック、皇太子とチャン(実は皇太子の妹だ)との兄妹ファックを見せる、激しい近親相姦ものだ。ところが、こっちの映画「王妃の紋章」にはファック・シーンなんかありゃしない。
 

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

日記内を検索