映画嫌い (269)

2008年4月27日
 
本日のクズ映画は2006年の米国映画「ナンバー 23 (The Number 23)」である。日本でも劇場公開済みのようだ。
 
動物管理局に勤めるウォルターは自分の誕生日に妻から妄想小説「ザ・ナンバー・23」という古本をプレゼントされた。ウォルターはその本を読んでいるうちに、本の中の主人公である探偵・フィンガリングと自分との多くの共通点を見つけ、その主人公が自分自身であり、自分の事が書かれている小説であると思い込む。本の中ではフィンガリングは「23」という数字に取り付かれていく。ウォルターも次第に「23」に取り付かれ、翻弄されていくのだった。世の中のあらゆる事象が「23」という数字に支配され、すべてが「23」に関連づけられている・・・と。ウォルターの身の回りの数字もすべてが「23」に見えてきた。日付、時間、車のナンバー、本のページ、エレベーターの階数、名前や言葉、番地、・・・。
ウォルターの誕生日も運転免許の番号も、社会保障番号も、足してみるとすべて合計が23だった。ウォルターの名前も、アルファベットの順番の番号に置き換えて足してみると23になる。ウォルターの産まれた時間は11時12分で、11+12=23 だ。ウォルターが妻と出逢ったのは9月14日で 9+14=23、結婚式は10月13日で 10+13=23 だ。ウォルターの住んでいる家の番地は1814で、上位2桁は 1+8=9 でそれに下位2桁を足すと 9+14=23 になる。また、下位2桁を足すと 1+4=5 でそれに上位2桁を足すと 5+18=23 になる。上位2桁と下位2桁を足すと 18+14=32 で、これは 23 の逆並びだ。ふと時計を見ると9時14分で、9+14=23、妻の持っている靴の数が23足だった。
地球の地軸の傾きは23度。正確には23.5度で、小数点以下の5は 2+3 だ。
人体の染色体の数は46で、両親から23ずつ。
血液は23秒で体内を一巡する。
ラテン語は23文字。
タイタニック号の沈没は1912年4月15日で、1+9+1+2+4+1+5=23 だ。
TWA機の墜落事故では座席番号23で爆発が起こり、230人が死亡。
2を3で割ると0.666になり、これは聖書の黙示録にある悪魔の数字「666」だ。(2を3で割ると0.666じゃなくて0.667だぞ)
黙示録は第22章までだが、その次にあるラストは「終末」だ。
広島への原爆投下は1945年8月6日で、1+9+4-5+8+6=23 だ。(なんで5だけ足さずに引いてんだよぉ?)
大統領のブッシュ、クリントン、ルーズベルトはみんな名前が23文字。(なんでレーガンやニクソンやケネディが23文字じゃない事を無視する?)
1941年12月11日に米国はドイツに宣戦布告で、12+11=23。(なんで西暦を無視して、月日だけを2桁の数として計算しているんだ?)
ヒトラー自殺は1945年4月で、1+9+4+5+4=23 だ。(今度は日を無視かよ?)
2001年9月11日の同時多発テロの日付は 2+0+0+1+9+11=23 だ。(なんで11だけ2桁の数字として扱う?)
チャールズ・マンソンの誕生日は11月12日で、11+12=23 だ。(西暦を無視かよ?)
アルファベットの順番でRは18番目、Eは5番目、Dは4番目。18+5+4=27 だから、赤(RED)は27という数字になり、同様にして白(WHITE)は65だ。赤と白を足すと 27+65=92 で色はピンクだ。その92をPINKの文字数である4で割ると23になる。(なんで文字数の4で割るんだよ?)
 
そして、ウォルターは匿名の作者「トップシィ・クレッツ Topsy Kretts(トップ・シークレット Top Secrets のシャレだ)」を探そうとする。本の中でフィンガリングの犯した殺人事件が実際に起きていた事をウォルターは突き止めた。作者の正体とは・・・。
 
 
つまらないねぇ。世の中の事が23になる件は、都合のいいように数字遊びをしているだけのこじつけだ。この手の数字遊びをオカルト好きな人がよくやるんだよなぁ。何でも666になるとか、ノストラダムスの1999になるとか、おバカな説がかなりあふれている。コンビニの「セブン・イレブン」は 7+11=18 で、18=6+6+6 だから 666 だとか、コンビニの「スリー・エフ」は(エフはアルファベットの6文字目だから)FFF=666 だとか、コンビニ「ファミリー・マート」ってのは頭文字が「F・M」で、これは「フリー・メイソン」を意味するとかね。(笑)
だから、23の不思議に翻弄されていくウォルターのサイコな姿が単なるバカにしか見えてこないのだ。なんで妻があの本をプレゼントしたのかも「単なる偶然」でしかないという失笑なストーリーがダメだな。
で、最後に本の作者の正体が判明するんだけど、それがマヌケすぎなのだ。作者は実はウォルターだったんだもの。彼が殺人した後にその本を書き上げて、その後に飛び降りの自殺未遂をしていて、脳の損傷を受けて記憶を失っていたのだった・・・ってな、脱力して身体がコンニャクになりそうな結末なのだ。ね、マヌケな真相でしょ? ウォルターを演じているのがジム・キャリーなんだもの、ますますマヌケだなぁ。ってことで、事の真相を知ったから、こんな映画は見なくていいよね?
 
ちなみに、この映画の監督はジョエル・シューマカーで、これが彼の23作目の映画らしい。
 
 
映画「ナンバー 23」
http://number23.jp
 
 

 
この映画を見て私が思い出したのが、『六角形の超パワー』(南條優著 徳間書店 1995年)という本である。この本は「23」ではなくて「6」にこだわるおバカな本なのだ。水晶は六角形、雪の結晶も六角形、蜂の巣も六角形、DNAなどの分子構造も六角形、・・・ってな具合で始まるんだけど、この説が暴走していくのだ。
六角形には気運を高める効果があり、その証拠に六角形のマークを使っているキッコーマンやメルセデス・ベンツが栄えていると言う。三菱も六角形だなんて書いてあるんだけど、あのマークのどこがいったい六角形なんだよ?
「6」には超パワーがあり、その数字が付いている地名も栄えると言う。東京の六本木、金沢の兼六園、神戸の六甲山、大阪の上本町六丁目、・・・。
「6」の倍数は「安定数」だから安定して繁栄するそうだ。1年は12月、イエスの弟子は12使徒、歌舞伎は十八番、1日は24時間、ヒット映画は「二十四の瞳」、24金は純金、イロハは48文字、相撲は四十八手、1時間は60分、ウルトラマンはM78星雲(そりゃテレビ・ドラマだろ!)。
「6」の倍数に1だけ足りない数(5、11、17、・・・)は「変革数」で、再生や変革を意味するそうだ。オリンピックは五輪、聖徳太子は17条憲法、俳句は17文字、日本を空爆した爆撃機はB-29(あのなぁ)。
「6」の倍数に1を加えた数(7、13、19、・・・)は「破綻数」だそうだ。七難隠す、七面倒くさい、七転八倒、七変化、007は殺しの番号、マリリン・モンローは「七年目の浮気」、13日の金曜日、絞首刑の階段は13段、25歳はお肌の曲がり角(そりゃCMだろ!)。そ〜いう頭がパッパラパーになりそうな本なのだ。
最近、この本を全く見かけなくなったんだけど、絶版になったのかな?
 
3の倍数でバカになるっていうアレも、これの影響なのだろうか?
 

 
 

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