映画嫌い (275)

2008年5月4日
 
本日のクソ映画は「紀元前1万年 (10,000 BC)」である。タイトルの通り、紀元前1万年を舞台にした物語だ。現在、日本でも劇場公開中だな。今後、この映画を見る予定の人は、以下を読まないように。
 
ヤガル族は山岳の狩猟民族だ。マナクと呼ばれているデカいマンモスのような形の狂暴な動物を狩って、それを食料にしていた。
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しかし、マナクがしばらく現われないために、ヤガル族は貧困飢餓状態になる。
主人公はヤガル族の青年戦士、デリだ。
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彼はエバレットという娘と恋仲になる。
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巫女の預言によると、エバレットはヤガル族の救世主で、彼女の婿はヤガル族のリーダーとなるらしい。
雪が降ってきたある日の夜、ヤガル族は馬に乗ってやってきた異民族からの襲撃を受ける。
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そして、エバレットら数人が連れ去られてしまったのだ。エバレットらを救出する為に、デリ、ティクティク、カレン、バクの4人の戦士が雪山を越えて異民族を追う旅に出るのだった。
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途中の戦闘でカレン、バクも捕らえられてしまうが、デリ、ティクティクは追跡を続ける。デリとティクティクは異民族に襲撃された村を見つけて、その村の住民である黒人のナク族と出逢い、ナク族はデリらの協力者となる。ナク族にも奴らに拉致された者が多くいた。
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そして、ナク族の呼びかけでトゥクトゥク族、クーラ族、ホダ族、小人族などの周辺民族も仲間に加わり、デリらは大人数の部隊となって異民族を追うのだった。
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異民族は帆船に乗って河を下って逃げる。
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河の地理に詳しい部族「河の民」の情報により、デリら一行は河を下らず、砂漠を横断して異民族の行き先を目指す。そして、砂漠を迷いながらやっと到着した敵の村は・・・・、それは村ではなく国家だった。巨大なピラミッドを建設中だ。
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皇帝が神として統治し、捕まえてきた人々を奴隷としているのだった。敵の数があまりにも多過ぎる事にデリは唖然とする。
 
(中略)
 
奴隷たちが暴動を起こし、労働力として酷使させられていたマナクも暴れ出す。
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そして、デリら戦士が立ち上がり、次々に敵を倒していく。
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皇帝はエバレットを人質にするが、デリの投げた矢が皇帝を一撃で倒し、エバレットを救出する。そして奴隷たちは解放された。ところが、敵の矢がエバレットに当たり、それでエバレットは死んでしまうのだった。
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その頃、ヤガル族の村では、巫女が最後の祈祷を行ない、巫女は死んでしまう。巫女の祈祷によりエバレットは生き返るのだった。(あのなぁ)
 
戦いが終わり、各部族は自分たちの村に救出した人々を連れて帰る。ナク族と別れる時、デリはナク族から植物の種を受取るのだった。そして、デリらもヤガル族の村に戻った。その後、デリとエバレットはヤガル族の指導者となり、ナク族からもらった種で農耕が始まり、その村は富むのであった。めでたし、めでたし。
 
 
ほ〜ら、つまらないでしょ? 救世主の運命を背負った戦士の冒険、そして人々は解放される・・・ってな、ありがちの内容だ。救世主と言っても、デリが超能力とか魔法を使うってことではないので、そのようなエセ・ファンタジーにならずにストーリーが進んでいるんだけれど、最後のほうでエバレットが生き返っちゃうってのにはズッコケだ。なんでそうなっちゃうんだよぉ? これでこのストーリーがブチ壊しになっている。
 
それに、紀元前1万年っていう時代を無視したかのように、帆船が出てくるし、初めて鉄器を使ったヒッタイトより数千年前の時代であるのに鉄製の武器とか、ナイフとかあるしぃ、もぅ、歴史がハチャメチャだな。それにあのピラミッドはないだろ。おもいっきりコケちゃったじゃないか。ピラミッドが出てきたあたりから、ストーリーがいきなり別方向へ暴走しちゃっているんだよなぁ。どうせなら、ピラミッドの上空にUFOを飛ばして、皇帝をプレデターにしちゃえば良かったのでは?
 
それと、毎度毎度の疑問だけれど、なんで紀元前1万年なのに、ヤガル族は現代の米国語で会話しているんだろう? 英語の起源であるラテン語すらまだこの世には存在していない時代なのになぁ。
 
 
映画「紀元前1万年」
http://wwws.warnerbros.co.jp/10000bc/
 
 

 
ちなみに、これは紀元前1万年ってことになっているけれど、キリスト教のファンダメンタル系の教義では、地球は46億年前にできたのではなく、紀元前5508年(紀元前4009年説もあり)に神によって天地創造されたことになっているのだ。人間は猿から進化したのではなく、その時に神によって創造された・・・とされている。キリスト教国の米国では、国民の約半数がそれが真実だと思っていて、進化論を否定しているのである。バカバカしいんだけれど、それが米国の現状だ。天地創造よりはるかに昔を舞台にしているこの映画を見た米国人って、いったいどのようにコレを評価して、どのように教義との両立をさせているんだろうね?
 

 
 
 

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