映画嫌い (278)

2008年6月1日
 
本日のクソ映画は2008年の米国映画「アクロス・ザ・ユニバース (Across The Universe)」だ。日本では今年の8月9日から劇場公開されるらしい。ってことで、今後、この映画を見る予定の人は以下を読まないように。
 
ろくなストーリーもない、いわゆる「わけのわからない映画」の類なのがコレである。タイトルの「アクロス・ザ・ユニバース」ってのは、ビートルズのあの曲である。ビートルズの曲がカバーされいるやつが全編で流れている映画なのだ。それが困った事に、MTVが放送しているようなわけのわからないプロモーション・ビデオを、全編ビートルズのカバー曲で寄せ集めて1つの映画にデッチあげちゃっているような作風なのである。ミュージカル風になったり、サイケになったり、ライヴ風になったり・・・と、かなり散漫な寄せ集めである。曲と曲の間にストーリーをぶち込んで、そのストーリーの延長線上に次の曲の歌詞を乗せるというスタイルでやっちゃっているものだから、ちゃんとストーリーがつながっていなくて、断片的すぎて、つかみどころもなく、何が何なのか、何を言いたいのか、何を見せたい映画なのか、さっぱりわからないのである。1曲終わるごとにドッとシラケるぞ。そんなのを2時間以上に渡って見せられちゃうんだもの、たまったもんじゃない。ビートルズのファンは世界中にたくさんいるけれど、誰が見てもこの映画にはシラケっぱなしだろうな。この映画に感動したとか、感銘を受けたとか、楽しめたという人が地球上にひとりもいないんじゃないのぉ?
 
登場人物の名前が、ビートルズの曲のタイトルや、歌詞の中に登場する名前だったりするのがワザトくさくて失笑だ。主人公は英国のリヴァプールからやってきた男で、名前がジュードだものイヤだなぁ。そのほかに、ルーシー、セディ、プルーデンス、ジョジョ、ドクター・ロバート、・・・と、ビートルズまみれだ。
セリフの中にも、「when I’m sixty-four」とか、ビートルズの曲のタイトルがいくつも登場してくる。プルーデンスという名前の女性が風呂場の窓から入ってくるシーンがあって、その時のセリフが「she came in through the bathroom window」だもの、私はイスからずり落ちたぞ。おぃおぃ、「she came in through the bathroom window」って言いたいがためだけに、何の脈絡もなく、プルーデンスを風呂場の窓から入るシーンを撮影しちゃったんかい?
 
この映画を見て、何とか意味がわかる部分を抽出すると、こんなストーリーなのだ。
ベトナム戦争時のアメリカが舞台である。英国のリヴァプールからやってきた青年、ジュードが主人公だ。彼は父親を探しにアメリカのブリンストン大学にやってきた。第二次世界大戦中に英国に派兵されてきたアメリカ兵がジュードの父親なのだ。しかし、父親はジュードが生まれる前にイギリスから去ったまま、二度と戻ることがなかった。ブリンストン大学で父親はすぐに見つかる(おいおい)。
ジュードはその大学で、学生のマックスと、その妹であるルーシーと知り合い、親しくなる。
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大学が夏休みの期間、マックスはニューヨークで生活してみようと考え、ジュードもそれに同行した。そして、ニューヨークで共同生活アパートに部屋を借りた。そのアパートのオーナーが歌手志望の女性、セディだ。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/acrosstheuniv2.jpg
マックスを追いかけてルーシーもニューヨークにやってきた。そして、ルーシーはジュードとデキてしまうのだった。
ベトナム戦争が泥沼化する中、ジュート、マックス、ルーシーは反戦平和運動に参加し、活動家のドクター・ロバートと出逢う。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/acrosstheuniv3.jpg
そんな時に、マックスに徴兵を命令する召集令状が送られてきた。一方、反戦平和運動の活動が暴動と化し、逮捕されたジュートは英国に強制送還されてしまう。
その後しばらくして、ジュードは再度、ニューヨークにやってきた。タクシーの運転手になっていたマックスが空港まで迎えに来ていた。そして、マックスのタクシーに乗って、街中にあるビルに向かう。そのビルの屋上では、プロとしてデビューしたセディがシークレット・ライブを行なっていたのだ。(これって、明らかに、ビートルズ映画「レット・イット・ビー」の屋上ライブのシーンのパロディだよなぁ、曲も「ドント・レット・ミー・ダウン」だもの)
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そのライブ現場に警官たちがやってきてライブは中断させられしまう。皆が去った屋上のステージで、ジュートは「オール・ユー・ニード・イズ・ラヴ」を歌う。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/acrosstheuniv5.jpg
そしてジュートは、その場に現われたルーシーと再会するのだった。おしまい。
 
 
く、くだらない・・・。全世界のビートルズ・ファンもシラケっぱなしだろう。はじめにビートルズ・ソングありき!で作られたんだろうけれど、こんな映画に何の意味があると言うのだ? そのほかにも、意味のないプロモーション・ビデオ風のシーンがいっぱいだ。頭がクラクラしてくる。ビートルズの原曲は一曲も使わずに、全てがカバーされたバージョンが使われているんだけど、そのアレンジのチープさにもうなだれてしまうものなぁ。
 
 
使用されているビートルズ・ソングは順にコレだ。
girl
helter skelter
hold me tight
all my loving
I wanna hold your hand
with a little help from my friends
it won’t be long
I’ve just seen a face
let it be
come together
why don’t we do it in the road
if I feel
I want you
dear Prudence
I am the walrus
being for the benefit of Mr.Kite
because
something
oh darling
strawberry fields forever
revolution
while my guitar gentley weeps
across the universe
happiness is a warm gun
a day in the life
blackbird
hey Jude
don’t let me down
all you need is love
lucy in the sky with diamonds
flying

 

 

映画「アクロス・ザ・ユニバース」
http://across-the-universe.jp/
 
 
 

 
どうして映画のタイトルを「アクロス・ザ・ユニバース」にしちゃったのだろう?と思ってしまう。ビートルズの曲を映画のタイトルにするのなら、他にもまだ選択肢があっただろうになぁ。主人公がジュードだから、そのまんま「ヘイ・ジュード」ってタイトルにするのもベタだろうけれど。
 
次回は、コレのレッド・ツェッペリン版でも作って、タイトルを「トランプルド・アンダー・フット」にしちゃうのはいかがだろうか?
 

 
 

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