映画嫌い (281)
2008年6月17日本日のトホホ映画は2007年の米国映画「告発のとき (In the Valley of Elah)」だ。実話を元に作られた映画らしい。主演がトミー・リー・ジョーンズで、毎度毎度のあの表情での演技を見せている映画である。今月の28日から日本でも劇場公開されるようだ。今後、この映画を見る予定の人は以下を読まないように。
トミー・リー・ジョーンズ演じる初老の男、ハンクが主人公である。彼の息子のマイクは軍人で、イラクに派遣されていた。2004年11月、イラクから帰還した息子が失踪したとハンクに連絡がきた。ハンクは元・軍人警官で、捜査のプロだ。彼は基地のある町に単身で乗り込み、息子の消息を探ろうとする。ところが、息子は焼死体で発見されてしまうのだった。ハンクは地元の女性刑事と共に犯人と真相を追う。ハンクは軍を出し抜いて犯人に迫るのだが・・・。
ストーリーとしては良くできているほうだと思う。事の真実を求め、それに向き合おうとするハンクの父親としての姿はけなげだ。息子の壊れた携帯電話に保存されていた動画が修復されるにつれて、事件の手がかりが得られ、イラクでの息子の変貌ぶりが見えてくる仕掛けになっていて、このへんの出来もまずまずだ。
しかし、それを戦争というテーマに結びつけちゃおうとしているのがダメだなぁ。戦争という異常かつ狂気の環境下で若い軍人たちが精神的に蝕まれていく・・・、そのような、戦争が人間の心にあたえる深い傷というものをこの映画は見せておいて、その意味での反戦というテーマに持って来ているわけであるが、この映画じゃ、なんだか説得力が弱いのだ。妙に輪郭がボケちゃっているような気がしてならない。もうちょっとどうにかできなかったのかねぇ?と思えてしまい、とても残念だなぁ。
映画「告発のとき」
http://www.kokuhatsu.jp/
http://www.imdb.com/title/tt0478134/
コメント