映画嫌い (290)

2008年7月25日
 
本日のクソ映画は2008年の米国映画「スターシップ・トゥルーパーズ 3 (Starship Troopers 3 - Marauder)」だ。シリーズ3作目でこれが最終作らしい。1作目も2作目も見たよ。黄色と黒とのシマシマの大きなカマキリみたいな宇宙昆虫・アーチ−(通称・バグ)がウジャウジャと出てきて、それと戦う海兵隊っぽい地球連邦軍のアレを。かなり稚拙だったよなぁ。2作目でこじんまりしちゃって、大幅にスケール・ダウンしたのが哀れだったよなぁ。今回の3作目は、ストーリーとしては1作目も2作目も関係がない、独立したストーリーだ。バグとの宇宙戦争をする地球連邦軍という背景が同じなだけで、前作の続きってわけではない。
この映画もそろそろ日本で劇場公開だったっけ? 今後、この映画を見る予定の人は、以下を読んではいけない。
 
 
惑星・ロクサン。農耕の惑星として人類が移住していたけれど、その惑星にもバグたちがやってきて攻撃を始めた。ロクサンにある地球連邦軍の基地の兵士たちは、ジョン・リコ大佐の指揮でバグたちと交戦し、農民たちの保護をしていた。リコ大佐は以前に惑星Pでの戦闘で大勝利した功績のあるヒーローだ。
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ロクサンの基地の外には電磁バリアが張られているので、攻めてくるバグたちは基地の中には入りこめないようになっていた。
 
地球連邦軍のトップにいるのはオマル・アノキ元帥だ。
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彼は超能力を持ち(おいおい)、シンガーとしても活躍し(あのなぁ)、地球連邦軍の顔として活躍している人物である。軍部は厳しく社会統制をし、信仰や言論の自由もなく、反戦活動者は逮捕されて絞首刑にされてしまう時代になっていた。
以上が前置き。
 
ある時、アノキ元帥ら連邦軍の幹部が、突然とロクサンの基地を視察にやってきた。アノキ元帥に同行してやってきたディックス・ハウザー将軍は、かつてリコ大佐の同僚だった男だ。
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視察用の宇宙船を操縦していたのは女性船長のローラ・ベックだ。
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ところが、元帥と将軍が基地内を視察している時、急に停電が発生し、電磁バリアが機能停止してしまう。すると、基地の外にいた大量のバグたちが基地内に入り込み、人間を襲ってくる。
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リコ大佐とハウザー将軍は基地内の兵士を率いて応戦するが、基地は壊滅状態になる。
アノキ元帥、ベック船長らは宇宙船に乗り込んで基地から脱出し、母船に戻るが、母船が帰還する途中で事故が発生し、緊急脱出用の小型船に乗ったアノキ元帥、ベック船長ら計6人は未知の惑星に不時着する。その惑星は砂漠状態で、バグたちの影が。
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6人は安全な地を求めて砂漠を歩き続けるが、バグたちが現われ、1人、また1人と殺されていく。
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一方、地球連邦軍の指令部では、アノキ元帥たちの不時着した惑星からの救難信号をキャッチしていたが、その情報は何者かによって握り潰されていたのだった。救難信号が隠蔽されているという事実を知ったハウザー将軍は「地球連邦軍はアノキ元帥らを救出しないのか?」と不信に思い、極秘に救出作戦を立てる。その作戦とは、開発が完了したばかりの最新式のロボット兵器「マローダー」に乗り込み、バグたちをやっつけながらアノキ元帥らを救出するというものだ。ハウザー将軍はその作戦の実行をリコ大佐に指示するのだった。マローダーに乗り込むリコ大佐ら7名の先鋭兵士たちは救難信号の出ている惑星に向かって飛び立つ。
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ところが、その直後にハウザー将軍はフィッド提督によって拘束されてしまう。フィッド提督は次期元帥と思われているナンバー2の人物だ。
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リコ大佐のマローダー部隊はアノキ元帥らを救出できるのか?
拘束されたハウザー将軍の運命は?
フィッド提督の狙いとは?
アノキ元帥の狙いとは?
 
 
はい、今回も稚拙。バカバカしい。幼稚な軍隊ごっこにしか見えてこないのである。結局はフィッド提督は元帥の地位を狙っての陰謀を企てていたんじゃないって事も明らかになり、それでもマローダーの救出作戦は実行されたり、軍隊の規律がどうの・・・ってな話もあったり、と、なんだかすごい散漫な映画になっている。いろいろと詰め込んでいて、ストーリーがはちゃめちゃなのだ。戦争の悲惨さとか、軍事政権の非道さってような物を見せておきながらも、それでいて反戦の主張すらないのが情けないぞ。この映画を作った連中は、第二次世界大戦中の日本のような国家を理想としているか?とさえ思えててくるんだもの。
砂漠の惑星の後半のシーンでは宗教論議になって、最後には無神論者のベック船長が突如として宗教に目覚めるってのもめちゃくちゃだよなぁ。
 
「マローダー」っていうロボットもバカバカしい。子供騙しだ。まるでガンダムじゃん。モビルスーツかよ? マローダーがサブタイトルにもなっているくせに、マローダーがバグたちと戦闘するシーンは、この映画の中でたったの3分しかないんだよ。メインであるべきものが、メインになっていないんだもの、めちゃくちゃ薄い映画だなぁ。まるで企画倒れの三流ロボット映画だ。
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バグたちに向かってマシンガンを撃って攻撃してもそれほど効果がない(ホント、死なないんだよな)という事を、兵士たちは実体験として知っているはずなのに、マローダーの武器はマシンガンだ。ダ・ダ・ダ・ダと連射してバグたちと戦っているんだもの、アホくさぁ〜! これって今から何百年後の時代のストーリーってことになっているのか知らないけれど、宇宙の果てまで時空を超えた宇宙飛行をする技術までありながら、マシンガンでダ・ダ・ダ・ダってな古典的な攻撃ってありえないだろ。
 
それに、作り方が非常にザツで、うまくシーンがつながっていない部分がやけに多いのが気になった。たとえば、不時着した惑星で、6人の中の1人が死んでしまった直後のシーンで、砂漠を歩く人影を遠くから撮影している映像があるんだけれど、その人影の数が5じゃなくて6なのだ。おぃおぃ、ひとり多いじゃないか。そ〜いう矛盾に制作関係者は誰も気がつかなかったのかい?
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6人・・・って3の倍数だからじゃないけれど、こんなシーンを見せられちゃアホになっちゃうぞ。

で、結局この映画の主人公って誰なんだ?と考えてしまうほど、ストーリーがボケちゃっている。
リコ大佐が主人公ってこと? リコ大佐ってマローダーに搭乗するけれど、そんなにメインに活躍してないでしょ。主人公ってことには無理があるよ。
ベック船長が主人公? 不時着した惑星でのシーンではベック船長が主人公っぽい事になっているけれど、映画全体ではベック船長が主人公といえるほどのものではないよね? 惑星の砂漠の逃亡劇がメインになっているわけでもないしねえ。
ハウザー将軍? これにも無理があるよなぁ。
ってことで、主人公が誰なのかも明確じゃないボケた映画なのだ。そんなわけで、こんな映画は絶対に見るんじゃないよ。
 
 
映画「スターシップ・トゥルーパーズ 3」
http://starship3.jp/
 


 
マローダーに乗り込む7人が基地内に集まって、マローダーと神経接続するための手順として、全員が素っ裸になるシーンがあるんだけど、その7人の中の2人は女性で、勿論、その2人も全裸になっている。せっかくスッポンポンになって堂々と乳首まで見せているのに、彼女らの出演シーンはそこだけなのだ。なんだかかわいそうだなぁ・・・と思えたのは私だけであるまい。(余計なお世話だが、乳房の形はどちらの女性も良い。オッパイ出演専用の役者さんなのだろうか?)
 
ところで、英国のプログレ・ロック・バンド、イエス(Yes)が1971年に出したサード・アルバム "The Yes Album" の中に「スターシップ・トゥルーパー (Starship Trooper)」という曲がある。この映画の原作本に影響された曲らしいのだが、歌詞の内様は原作本とは無関係のように思える。結局、その曲は今までのこの映画の3作の中のどれにも使われることはなかったね。
イエス「スターシップ・トゥルーパー」
http://jp.youtube.com/watch?v=FBjShw1BaB0
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/StarshipTrooper.mp3
 

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