映画嫌い (313)
2008年9月27日 映画本日のクソ映画は2008年の米国映画「ブラックサイト (Untraceable)」である。日本では既に劇場公開が終わって、DVDも出ているね。
米国のオレゴン州ポートランド。主人公はFBIのネット犯罪専門の女性捜査官、ジェニファーだ。彼女はある時に、「Kill With Me」という殺人映像を生中継で公開しているサイトを知る。そのサイトにアクセスする数が増えれば増えるほど、拘束されている犠牲者の死期が自動的に早まる仕組みになっていた。好奇心でそのサイトへアクセスしてくる一般人の数が急激に増え、拘束されている人は惨忍な死に方をしてしまう。犯人は次々に人を拘束し、次の犠牲者になっていく。
ジェニファーはポートランド市警察のボックス捜査官と一緒にその連続殺人犯を追うが、ジェニファーの相棒であるグリフィンが犯人に拘束されて、その殺人映像もサイトで公開されるのであった。犠牲者のつながりから犯人は特定されたが、どこからライブ映像が配信されているのかわからない。そして、ジェニファーも拘束されてしまい・・・。
シンプルな捕り物の映画で、悲惨なほどに安っぽいストーリーだ。サプライズもないし、何の盛り上がらない。ネットというワールドワイドに展開すべき事件でありながら、FBIも、犯人も、事件の進行も、全てがポートランドの市内の中での事になっているのがやけにセコいぞ。
それにさぁ、数百万から数千万のアクセスがほぼ同時にあるのならば、あの程度のアマチュアな設備のウェッブ・サーバーでは、アクセス集中でダウンしちゃうぞ。多重化して負荷分散するサーバーを構築しなきゃならないだろ。その上、米国で民家に引かれているようなASL程度の細い回線じゃ、そのアクセス数に対応して動画を滑らかにストリーミングで配信できるわけもない。ってなことで、この映画の中でのネットはめちゃくちゃ非現実的なのだ。サーバーの設置場所を隠す為に、動画を配信しながらサーバーのドメインを次々に変更してスクランブルさせるという手法もありえない。ウソくさいったらありゃしない。
ってことで、こんな映画は見る価値がないぞ。
映画「ブラックサイト」
http://www.sonypictures.jp/movies/untraceable/
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