映画嫌い (320)
2008年10月6日 映画我々、クソ映画ハンターの間では、クソ映画専門の「アルバトロス・フィルム」という会社の名前は広く知られている。「クィーン・コング」、「えびボクサー」、「尻怪獣 アスラ」、「女子高生ロボット戦争」など、ど~しょうもないアホ映画の権利を次々と海外から買い付けてきて日本でビデオ、DVDを販売している会社が「アルバトロス・フィルム」だ。あまりにもアホらしい映画ばかり出していて、よくそれで商売が成立しているなぁ・・・と感心されている、っていうかバカにされている。今では「アルバトロス」の名前がクソ映画の評価基準・指標となり、「アルバトロス」という単位を使って映画が評価されているのだ。例えば、映画「アイアンマン」は「アルバトロス・フィルム」の作品より3倍は楽しめたから、3アルバトロス。映画「インクレディブル・ハルク」は「アルバトロス・フィルム」の作品の2倍しか楽しめなかったから、2アルバトロス。そのような業界標準になっているのだ。「アルバトロス・フィルム」については、以前にも何度か書いたことがあるので、詳しくはそちらを参照のこと。
ところで、最近、「第二のアルバトロス・フィルム」と言われて注目されている会社がある。それが「インターフィルム」という名前のDVD販売会社だ。この会社も海外から低俗な映画の権利ばかりを買い付けてきて、次々に日本でど~しょうもないDVDを出しているのである。
例えば、どんな映画を出しているかと言うと、映画「ハムナプトラ」を低俗なCGでパクった映画「トレジャー・オブ・エジプト ファラオの秘宝」、映画「エルム街の悪夢」を劣化コピーしたような腰くだけ映画「悪夢男」、「エクソシスト」に「エミリー・ローズ」をちょっとだけプラスして勝手にリメイクしちゃったような映画「アメリカン・ホーンティング」、ヴィン・ディーゼル主演映画「リディック」の悪質なパチもの映画「プラネット・X 惑星爆滅」、などなど、パチもの系、便乗系が多い。どの映画も、チープな特撮、デキソコナイのCG、あからさまなパクリ、ダイコンな俳優、矛盾しまくるストーリーと、クソ映画の王道を暴走しまくっている。前述の映画「ペネロピ」で豚鼻女を演じていたクリスティーナ・リッチがなぜか妖艶な悪女を演じている(しかし、ぜんぜん妖艶に見えないんだよなぁ)アホ映画「ミランダ」ってのも「インターフィルム」から出ていたっけ。
ってことで、今回のクソ映画は、「インターフィルム」が日本でDVDを発売している2007年の米国映画「エイリアン・ライジング (Unearthed)」である。映画「エイリアン」シリーズに出てくるエイリアンにそっくりの狂暴な宇宙生物が人間を襲うやつだ。その姿、形、習性などがエイリアンにそっくりなんだけれど、微妙に違っているという、いわゆるパチものなのが笑っちゃう。セコいよなぁ。昨年の映画「エイリアンズ vs プレデター 2」に便乗して制作・公開されたようだ。あぁ、セコい、セコい。
米国の荒野の中にある小さな村。その村には一本の国道が通っているが、まわりには何もなく、外界とは隔離されたような寂れた地になっていた。その村で人間や家畜が次々に惨殺されていく。女性保安官のアニーは友人で植物研究者のノディンと共に調査を開始し、未知なる生物が関与している事を知る。その生物とは・・・、エイリアンだったのである!(失笑)
900年前に先住民族であるアナサジ族はエイリアンによって滅ぼされ、アナサジ族の生き残りが開発した毒薬の作用でエイリアンは洞窟の中で仮死状態で眠っていたが、何らかの拍子でエイリアンが眠りから醒めたのだ。アニーとノディンはアナサジ族が開発した毒薬の謎を追い、エイリアンを倒そうとするが・・・。
コミカルなシーンがひとつもないくせに、失笑につぐ失笑の、笑えるど~しょうもないバカ映画になっている。監督やプロデューサーや俳優たちは大マジメでやっているのだろうけれど、ここまでチープなパチものをやっちゃうとは、お前ら、みんなバカ。まるで中国製のような、めちゃくちゃレベルの低いパチもんだ。中国におけるニセ・ミッキーマウス、ニセ・ドラえもん、・・・そ~いうノリで、映画「エイリアンズ vs プレデター 2」における米国の一般市民を襲うエイリアンという、そのシチュエイションに便乗しただけじゃんか。ギーガー、リドリー・スコットら、本家の映画「エイリアン」関係者から訴えられても、裁判で「盗作ぢゃありません」って言いわけできる程度に、微妙にエイリアンのデザインを変えているってのがセコいよなぁ。次々に人間が襲われるシーンは映画「13日の金曜日」の1作目なんかにも近い気もする。ストーリーにもツッコミどころが多いんだけど、ストーリーなんかどうでもいいように見えてしまうのが凄い。
米国ではねぇ、ヒット映画があると、こ~いった便乗パチものとか、パロディ版ポルノとか、必ずって言って良いほど出てくるんだよねぇ。便乗パチものでも、ちゃんと米国では劇場公開されちゃって、米国市民はそれが便乗パチものだとは知らずに、本物だと思って見ちゃうパターンがすごく多いわけ。そ~いう意味では、米国の便乗パチもの映画の文化ってのは、米国人のバカさを垣間見られる興味の尽きないサブカルチャーなわけだ。
エイリアン・ライジング
http://www.interfilm.co.jp/Detail/08/IA08-0496/IA08-0496.html
「インターフィルム」ホームページ
http://www.interfilm.co.jp/
「アルバトロス・フィルム」ホームページ
http://www.albatros-film.com/
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