映画嫌い (323)

2008年10月12日 映画
 
本日のクソ映画は2007年の米国映画「センター・オブ・ジ・アース (Journey to the Center of the Earth)」である。ジュール・ベルヌの冒険小説「地底探検」を映画化したものだ。来週の週末から日本で劇場公開される3D映画と同名でまぎらわしいんだけど、これは別ものの映画なのである。どちらも「地底探検」をベースにしていながら、こちらのほうは便乗型のパチものだ。あの「アルバトロス・フィルム」からDVDが出ているので、そのパチものの雰囲気、レベルの低さは想像できるだろう。
 
ストーリーは略。だって、滅茶苦茶くだらないんだもの。いったいこれのどこが「地底探検」なんだよ?ってな内容なのだ。川口浩・探検隊シリーズなみのセコさだ。
 
ジュール・ベルヌの「地底探検」は1959年に「地底探検」のタイトルで映画化されたことがあり、原作本には登場していなかった女性が探検する一行に加わっていたものの、かなり原作に近い映画化だった。洞窟の中をひたすら降りて行き、洞窟の中の川に流されたり、宝石の巨大な原石が光り輝いていたり、地底に巨大な空間と湖があって、そこで怪獣の対決があったり・・・、で、最後には火山の噴火を利用して地上に戻ってくるという、冒険小説の映画化としてはまずまずだった。
確か、2000年頃にリメイク映画が公開されことがあるはずだけど、私はそれは見ていない。
で、今回のパチもの映画なんだけど、原作「地底探検」から『地底の世界に探検に行く』という行為のみを引用しただけで、ストーリーは原作本と全く違っているのである。地球の中心へと続く道があるというアラスカ(原作ではアラスカじゃないしなぁ)の廃鉱を目指し、そこから地底へ入って行くが、洞窟のシーンなんかほとんどありゃしない。すぐに、空があって森があって・・・の世界に到達して、そこでのシーンが延々と続くのである。全然、「地底」でもなければ、「地球の中心」ってな感じもない。単なる青空の下の森林探検になってしまっているのだ。そして、そこでの原住民との抗争がストーリーのメインになっちゃっているんだもなぁ。最後には、原住民から逃げて、洞窟の中に入って、その中にあった川に流されて、その川がつながっていた地上の世界の湖にポコっと出てくるという、シラケまくりのバカ映画になっちゃっている。スペクタクルでもアドベンチャーでもない、脱力系映画だ。ちなみに、原住民のボスの役を演じているのはピーター・フォンダだ。痛たたたたぁ・・・。
 
映画「センター・オブ・ジ・アース」
http://www.albatros-film.com/title.phtml?titleid=694
 
 

 
プログレ・ファンにはお馴染みだが、「地底探検」は1974年にリック・ウェイクマン(Rick Wakeman)によって音楽化されて、それが全英ヒット・チャートのトップになっている。オーケストラと合唱団とロック・バンドの共演をライブ演奏をして、それをレコード化したものだ。当初はLP2枚組、100ページのブックレットが付き、円形の変形ジャケットという構想でスタートしたものの、「オイル・ショック」の煽りを受けて、LP1枚ものになり、変形ジャケットにもならず、ブックレットは4ページだったなぁ。
ちなみに、そのレコードの原題はそのまんま「Journey to the Centre of the Earth」だったわけだが、リック・ウェイクマンはイギリス人だから、タイトルの中にある
Center
の綴りは
Centre
というイギリス英語の綴りで表記されていた。
 
リック・ウェイクマン「地底探検」
http://item.excite.co.jp/detail/ASIN_B00008PT33
http://www.natsuzora.com/wish/impressions/wakeman-journey.html

私もアメリカよりイギリスが好きなので、英語で文章を書く場合はアメリカ英語じゃなくてイギリス英語で書くようにしている。だから、center じゃなくて centre と書くし、theater じゃなくて theatre と書いているのだ。みんな、もっとイギリス英語を使おう!
 

 
 

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