映画嫌い (326)
2008年10月16日 映画本日のクソ映画は2007年のカナダ映画「アルマゲドン 2007 (Earthstorm)」である。またまた便乗型パチもの映画である。元ネタは言うまでもなく映画「アルマゲドン」だ。この映画のDVDは、日本ではあの「アルバトロス・フィルム」が販売している・・・ってので、そのチープなパチものさは見なくても想像できるだろう。
月の裏側に巨大な隕石が激突した。その結果、月の裏には大きな亀裂ができてしまう。飛び散った月の破片が地球の引力によって飛来してきて、隕石となって地球を襲う。人類絶滅の危機だ。
ラナ・ゲイル博士は女性天体物理学者だ。ASI(アメリカ宇宙研究所)に勤務しているかつての同僚のガース博士の要請で、彼女はASIに協力して対策を協議する。計算と観測の結果、月のダメージは相当なもので、月が崩壊する危険性がある事も判明した。そこで、月の亀裂を元に戻す計画が実行されることになった。その計画とは、スペースシャトルで月まで行って、その亀裂の中に入っていき、核弾頭を仕掛けて爆発させるというものだ。核爆発の衝撃で崩れた月の土砂には鉄分が多く含まれているので、強力な磁気発生器でそれらを集めて、溶接したように亀裂を埋める・・・と。
そこで、ビルの爆破解体作業のプロ、ジョン・レディングがその経験と実績を買われてASIに招かれた。彼と宇宙飛行士2名を乗せたスペースシャトルは、核弾頭と磁気発生器を積んで、嵐の中のヒューストンを飛び立つ。そして、月の亀裂に到達したジョンは・・・。
うへぇ~、こりゃひどい。いくらパチものでも、こんな杜撰な作りの映画が許されるものなのかぁ? ASI だなんて、そもそもそれが NASA のパチものだよなぁ。
ストーリーの中に科学的な誤りがあちこちにあるものだから、見ていると頭がクラクラしてくるぞぉ。核弾頭だの磁気発生器だの、そ~いった作戦自体が、勿論、トンデモない大バカなんだけれど、スペースシャトルの中が無重力になっていないし、月での重力が地球の1/6にもなっていないのは相当なバカだ。地上にいるのと同じようにジョンはシャトルの中を歩いているんだもの。
それに、月の亀裂が崩れる時にバリバリバリってな音がするのもダメだな。音は空気の振動なんだから、空気のない月や宇宙空間では音は伝わってこないぞ。更に言うと、シャトルは月まで飛べる構造にはなっていないし、月面であのような急旋回をしたり、亀裂の中でホバリングして同一地点に留まったり、そのような飛行なんか絶対にシャトルにはできないんだけどなぁ。
シャトルの中の様子も、ヒューストンの管制室の様子も、その撮影セットがめちゃくちゃセコくてスカスカなのもイヤだなぁ。管制室があんな少人数なわけもないし、シャトルに3人しか乗せていないのもアホらしい。
そのほかに、ラナ・ゲイル博士の父親の故・ローレンス・ゲイル博士が研究していた理論がどうのとか、政府から派遣されてきたビクターという男との対立とかも見せているんだが、そんなのをこの映画で見せてもしょうがないじゃないか。無駄な尾ヒレにしかなっていないぞ。
ってことで、こんなバカなパチもの映画なんか絶対に見るんじゃないよ。
映画「アルマゲドン 2007」
http://www.albatros-film.com/title.phtml?route=&titleid=568
ちなみに、映画「アルマゲドン」も科学的には誤りだらけのしょ~もないやつだったねぇ。映画「ザ・コア」と並ぶ失笑の非科学的バカ映画だ。中高生の諸君、映画「アルマゲドン」で涙するようなバカなオトナにだけは絶対になるなよ。
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