映画嫌い (331)
2008年11月5日 映画本日のクソ映画は2002年の英国映画「バトル・ブレイク (Diamond Cut Diamond)」である。バカバカしい原題に失笑だが、その邦題までもバカバカしいぞ。内容はもっとバカバカしいんだよなぁ、これが。
南アフリカ共和国の隣国であるシエラドラド共和国(架空の国だね)にウンダラ大統領による新民主政権が誕生した。しかし、反政府ゲリラがダイアモンドの違法取引きにて資金を得て、政権転覆を狙っていたのだった。
英国軍の特殊部隊の訓練師範、ストロング大尉が主人公だ。英国で大臣を勤めるグローブナー卿がストロング大尉を呼び出して、新たな任務を指示した。その任務のひとつとは、南アフリカ共和国に滞在している英国・海外開発庁のフェアクリフ長官に機密書類を渡すことだ。フェアクリフ長官はウンダラ大統領の民主政権に協力する活動を現地で行なっている中心人物なのだった。そして、ストロング大尉へのもうひとつの指示とは、グローブナー卿の屋敷で暮らしているドイツ人娘のモニカをその旅に同行させて護衛することだ。
ストロング大尉はモニカを連れて、南アフリカ共和国のヨハネスブルクに飛ぶ。空港に出迎えに来ていたのは英国大使館員になりすましていたゲリラだった。ストロング大尉は彼らがニセモノであることを見破って倒し、フェアクリフ長官が滞在しているホテルに到着する。ストロング大尉とかつて恋仲にあったテレビ・レポーターの女性・クリスティンがその場に取材に来ていた。
その後もゲリラからの執拗な攻撃があり、モニカとクリスティンはゲリラに捕らえられてしまう。ストロング大尉はゲリラのアジトに潜入し・・・。
007シリーズの幼稚なパクリをやっちゃった映画だ。めちゃくちゃ安っぽい。ちゃんとストーリーが組み立てられていないものだから、意味不明な部分や、マヌケなだけのシーン、矛盾しているシチュエイションがたくさんあるのだ。
たとえば、最後まで見ても、なぜにモニカが同行したのか、その理由や目的がさっぱりわからないのだ。単にゲリラに捕まりに行っただけか? ストロング大尉がゲリラのアジトに攻撃を仕掛ける理由をこじつけるだけの渡航にしかなっていないじゃないか。
そして、戦いの最後のシーンの矛盾にも失笑だ。ゲリラのボスが持っていた手榴弾が足元で爆発して、その瞬間にストロング大尉がモニカを抱きかかえて逃げて伏せるっていうシーンなんだけど、手榴弾が爆発した位置とストロング大尉との位置関係がすごくへんなのだ。爆発地点から逃げながら伏せているのに、なんで逃げる方向の左前方で爆発が起きているんだ?
クリスティンがゲリラに捕らえられて、ゲリラのアジトの様子を隠し持っていた小型ビデオカメラで撮影しているのもマヌケだ。おぃ、ゲリラ、ちゃんとボディ・チェックして、ビデオカメラくらい見つけて取り上げろよな。
ゲリラのアジトの牢の中に捕らえられているクリスティンが、ゲリラのボスに呼び出されて、ボスの部屋に行くんだけど、ボスが電話をかけているところをそのカメラで盗撮されちゃっているのもマヌケだ。ボスならそれくらいの事に気がつけよ。っていうか、ボスがなぜにクリスティンを呼び出したのかもさっぱりわからないのだ。お前、何の用件でクリスティンを呼び出したんだ? 結局、その盗撮映像で墓穴を掘る展開になるんだもの、すっごいマヌケだ。
牢に戻るクリスティンをストロング大尉が救出するんだが、更にマヌケな事に、クリスティンが牢に戻っていないことをゲリラの誰も気が付いていないのだ。この危機管理のなさ、なんなんだよ? こんなアホなゲリラが政府転覆をできるのかね?
それにさぁ、モニカとグローブナー卿の関係も最後まで見てもわからないってのも、すっごいマヌケだよなぁ。
デキソコナイのパチもの007、恐るべし!
映画「バトル・ブレイク」
http://www.imdb.com/title/tt0275611/
ちなみに「Diamond Cut Diamond」のタイトルで公開されたのは米国だけで、英国で公開された時の原題は「Witness to a Kill」だったようだ。
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