映画嫌い (333)
2008年11月7日 映画本日のクソ映画は2006年の米国映画「消えた天使 (The Flock)」である。
米国のニュー・メキシコ州のイナカ町。DPS(公共安全局)の監察官であるエロル・バベッジが主人公だ。彼の仕事は、「性犯罪者」としてDPSのリストに登録されている人物の住居を訪問し、生活の現状を調査したり、尋問したりして、性犯罪の再犯を防止することである。バベッジは3週間後にその仕事を退職することになっており、後継者として雇われた新人女性・アリスン・ラウリーに仕事を教える為に、一緒に行動して元・性犯罪者の家を訪問してまわる。そんな時に、その町に住んでいる17歳の少女、ハリエット・ウェルズが誘拐される事件が発生した。バベッジは元・性犯罪者が誘拐したのではないかと調査を始めるのだが・・・。
めちゃくちゃ退屈な映画である。ストーリーが地味すぎだ。ふらふらしてつかみどころがない。よくもまぁ、こんなクソ・ストーリーを映画化する気になったよなぁ。何を言いたいのか、何を見せたいのかさっぱり見えてこないままに映画が終わってしまうのだ。ストーリー自体に何ら面白みがないし、性犯罪者の異常性の描写も物足りない。性犯罪、登録リストってものに一石を投じるってな具合にすらなっていないぞ。伏線も何もなく、横道のストーリーが無駄に多くて邪魔だ。
人物描写がヘタだから、バベッジの人間性がちゃんと見えてこないのがこの映画の最もダメな部分だろう。妙に屈折した正義感があって、精神的に危ない人間であるのはわかるんだけど、それ以上に何も見えてこない人間だから、最後のシーンでの彼の行動の意味、真意もちゃんと見えてこないのだ。だから、すっごいヘナチョコ映画にしか思えない。バベッジを演じているのはリチャード・ギアなのであるが、この役には適任だとは思えないなぁ。
原題の「The Flock」ってのは「群れ」ってな意味で、性犯罪者たちのことを示しているようだが、この映画ではそのタイトルが全然マッチしていない。その上に、邦題を「消えた天使」としているのもマッチしていない。誘拐された少女の事を示すタイトルであるが、それがこの映画のメインのストーリーとは言い難いからだ。そのような原題、邦題からしてつかみどころがない、どうしょうもない映画ってなわけだ。
映画「消えた天使」
http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tymv/id327741/
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