映画嫌い (343)
2008年11月18日 映画本日のクソ映画は2007年の米国映画「彼が二度愛したS (Deception)」である。現在、日本でも劇場公開中のようだ。
舞台はニューヨーク。主人公のジョナサンは会計士だ。監査の依頼のあった会社を訪問して深夜まで黙々と仕事をこなす。そんな仕事のために彼は孤独感と疎外感を感じているのだった。
ジョナサンは訪問先の会社で残業している時に、遊び慣れている風なワイアットという男と知り合い、互いに気の知れた友人となる。そして、一緒にテニスをしたり、食事をしたりして、親交が深まっていくのだった。
ある日、ふたりは互いの携帯電話を取り違えてしまった。ジョナサンの携帯を持ったワイアットはロンドンに出張してしまう。ジョナサンはワイアットの携帯を持ったまま、ワイアットの帰りを待っていたが、彼のロンドンでの仕事が延長になってしまい、なかなか帰ってこないのだ。
そんな時、ジョナサンの持つワイアットの携帯に女性から「今晩、暇?」と電話がかかってきた。その女性は「会員制秘密クラブ」の会員で、ワイアットも会員だったのである。その会とは、お互いに本名も素性も秘密にしたまま、男女が出逢ってファックするというものだった。ジョナサンはその会にのめり込み、女性会員との一夜限りのファックに溺れていく。
ある晩にジョナサンが出逢った女性会員は、以前にジョナサンが地下鉄で見かけて恋心を持ったことのある美女だった。彼女のイニシャルがSであることしかわらないまま、ジョナサンは彼女の事を本気で愛してしまう。ところが、彼女はホテルから忽然と姿を消してしまった。ワイアットが彼女を拉致し、ジョナサンを脅迫してきたのだった。彼女を助けたければ、監査している会社の裏金の口座を操作して、監査人の権限で2000万ドル全額を指定した口座に移せと言う。ジョナサンはワイアットの仕掛けた罠に落ちてしまうのか・・・?
随分とストーリーが雑だ。Sとワイアットがグルだってことは早々と見抜けたし、爆死したのはジョナサンじゃなくてアパートの管理人である事もすぐにわかっちゃったもの。最後のスペインでのオチもアバウトすぎる。
アバウトだから、ツッコミどころがめちゃくちゃ多い。たとえば、ジョナサンとワイアットの出合うシーンだ。深夜に部外者であるワイアットが入り込めるほどのセキュリティが甘い会社って何なんだよ?と思ってしまうもの。ジョナサンの住んでいるアパートのあのセキュリティのなさもないだろう。ジョナサンを招き入れたワイアットの自室は、事前にワイアットがどのように仕込んでいたのかも見せていないものなぁ。ジョナサンがどうやってワイアットの名義のパスポートを取得できたのかも見せていない。そんな説明不足の妙なシーンが多いものだから、随分と緻密さのないズボラなストーリーに見えてしまうのだ。それに、ジョナサンの生い立ちを見せていないものだから、全体的にボケちゃっているのもダメだ。秘密クラブのシステムにも疑問があって釈然としないなぁ。あの黒人女性の警官はストーリーの中には不要だろうしね。
最も痛いのは、ファックシーンに全く淫眉さがないってことだ。特に2番目の女性、あ~いうのは私は絶対には無理だな。
ちなみに、ジョナサンを演じているのがユアン・マクレガーで、ワイアットを演じているのがヒュー・ジャックマンである。ヒュー・ジャックマンはプロデューサのひとりであり、一部の音楽も担当している。ヒュー・ジャックマンにはジョナサンのほうを演じさせたほうが良かったんぢゃないのぉ?
映画「彼が二度愛したS」
http://2s-movie.jp/
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