映画嫌い (365)

2009年2月5日 映画

本日のクソ映画は2008年の米国映画「ベンジャミン・バトン 数奇な人生 (The Curious Case of Benjamin Button)」である。この映画は明後日から日本で劇場公開されるようだ。今後、この映画を見る予定の方は、以下を読まないように。
 
1918年、第一次世界大戦が終結した日に、その赤ん坊(男)がルイジアナ州のニューオリンズに生まれた。母は出産時に死亡。父は老人のようなシワくちゃな赤ん坊の姿に驚き、その子を老人ホームの前に捨ててしまう。そして、その子は老人ホームで住み込みで働いている黒人夫婦に育てられることになる。彼はベンジャミンと名付けられた。ベンジャミンのカラダは老人そのものの状態で、年をとると逆にカラダが若返っていくという特異な状況にあったのだ。
ある時、老人ホームで暮らす老女の家族が面会にやってきた。そして、老女の孫であるディジーという娘とベンジャミンが出会うのだった。老人であるベンジャミンと幼女であるディジーの間にはその後に愛情が芽生える。
17歳になったベンジャミンはホームを出て、船員として働き始める。一方のディジーはバレリーナを目指してニューヨークへ。時を経て、別々の人生を歩んでいたふたりが再会し、愛し合い、子供(娘)ができるが、年々年老いて行くディジーに対して、年々若くなって今や青年の姿になっているベンジャミンは、その後の人生について悲観的になってしまい、遂にはベンジャミンは家を出るのだった。
(中略)
老いたディジーはベンジャミンと再会したが、その時にはベンジャミンは子供の姿になっており、彼はディジーに関する記憶の一切を失っていた。年齢が更に逆行し、2003年、遂にはベンジャミンは赤ん坊に。そして、その赤ん坊はディジーに抱かたまま静かに息を引き取るのだった。おしまい。
 
 
ベンジャミンの一生をディジーとの関係を軸にしてなぞった映画だ。長い。2時間45分くらいもある。疲れる。病院のベッドの上で老衰で死期が近くなっているディジーの依頼で、娘がベンジャミンが記していた日記を読むという手法でストーリーの進行をやっちゃっているのは、あまりにもありきたりすぎだ。ディジーとの件とは関わりのない、ベンジャミンが船乗りとして第2次世界大戦の海上戦に遭遇した事件とか、実の父との再会とか、実の父の死、養母の死なども見せていて、そのようなシーンは必要ないとは言わないが、それらもなんだか見せ方がありきたりすぎるのがイヤだな。時代背景を演出する為に、フロリダの海でヨットに乗っている時にロケットがドッカーンと飛び立つシーン(近くにヒューストンがあるものねぇ)があったり、テレビでビートルズが「ツイスト&シャウト」を演奏しているシーンがあったりするんだけど、それもありきたりすぎ。あのロケットは時期的にアポロじゃないな。ジェミニかな?
凄くヘンなのは、黒人の登場人物に対して人種差別が全くないって事だ。戦前の米国では人種差別など当たり前で、その状況は1960年代末までも継続していたじゃないか。私も人種差別なんてのは猛反対だけど、人種差別というものがあった史実にフタをしちゃうのはいかがなものか?
で、最もダメなのが、なんでベンジャミンとディジーのふたりが互いに惹かれたのか、その心理がさっぱり見えてこないって事なんだよねぇ。老人の姿だったベンジャミンが、ブラッド・ピット演じるあのような美青年になるから、それで見ている者も騙されてしまうんだろうが、若くなった姿がオードリー・春日のようになっちゃっていたら、あのようなストーリーは成立しそうにない・・・と思うのは私だけであるまい。トゥース!

雷に7回撃たれた事にいては話したっけ?(この映画を見ていない人にはその意味がわからんだろうなぁ)
 
 
映画「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」
http://wwws.warnerbros.co.jp/benjaminbutton/
 
 

 
 

 
 


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