映画嫌い (368)

2009年2月8日 映画

本日のクソ映画は2007年の米国映画「ザ・ムーン (In The Shadow Of The Moon)」である。米国のアポロ計画の月面着陸をドキュメント映画にしたものだ。この映画は、先月の後半に日本で劇場公開され、既に劇場公開は終了したらしい。
 
1960年代初頭に米・ソによる宇宙開発競争が激化する。ケネディ大統領は1960年代のうちに人類の月面着陸を実現すると演説で宣言し、アポロ計画が始まった。そして、1969年7月、アポロ11号は人類初の月面着陸に成功。空軍のパイロットの中から選ばれた宇宙飛行士たちは当時の状況、実際の月面着陸の様子を回想してインタビューに答える。
 
 
こりゃ、失敗映画だね。月面に行った宇宙飛行士たちの回想インタビューをツギハギにしてドキュメンタリーの進行をしているが、その話しの内容に大した重みがないのが痛いなぁ。まるでケーブルテレビの「デスカバリー・チャンネル」で放送されている番組みたいになっちゃっている・・・と思ったら、実際に「デスカバリー・チャンネル」がこの映画の制作に関わっているようだ。内容が浅すぎ薄すぎだ。全体的にさらりと流しちゃったなぁ・・・ってな感じだ。この映画で私が初めて知った事実は1つもなかったもの。米・ソの宇宙開発競争の件や、宇宙飛行士の訓練の件や、失敗したアポロ計画の件(アポロ1号と13号)は、一応は触れられているけれど、あっさりと軽くやっちゃっている。アポロ2号から7号までは無人だったとか、20号まで予定されていたアポロ計画が17号で打切りになった件には全く触れられていない。映画の一番最後には、ちょっとだけ、「月面着陸捏造論」への否定も宇宙飛行士たちは喋っているが、それもあっさりしすぎていて、あれでは捏造論を明解に論破するには弱すぎるぞ。
未公開にされていたNASAの蔵出し映像(元のフィルムは劣化しないように40年間も冷凍保存されていたようだ)や、当時のテレビでの報道を見せてくれているのは興味深いんだが、それも消化不良になっていて、もっと月面の様子の映像を見せてくれよぉ!と思えてしまうなぁ。
で、問題なのは、アポロ11号の他、12号以降のものの映像がごちゃまぜ状態になっていて、インタビューにも15号とか16号の飛行士が答えていたりして、アポロ11号との区別がつかないごちゃごちゃした状態になっている事だ。整理整頓がヘタなドキュメント映画だねぇ。12号以降の件は無視して、アポロ11号の件のみに的を絞って作ったほうが絶対に良かっただろうになぁ。
 
 
映画「ザ・ムーン」
http://themoon.asmik-ace.co.jp/
 
 

 
ちなみに、NASAは1958年に設立され、昨年はNASA創立50周年だった。
 

 
 


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