映画嫌い (390)
2009年3月9日 映画本日のクソ映画は2008年の米国映画「マックス・ペイン (Max Payne)」である。タイトルは主人公の名前だ。同名のシューティング・ゲームの実写版映画化らしい。妻子を殺された警官がひとりで巨大企業に立ち向かって復讐をするという、ありきたりのストーリーの、どぉ~しょうもない映画だ。この映画は日本では今年の4月18日から劇場公開されるらしい。
マックス・ペインはニューヨーク市警の警官だ。ある日、マックスが仕事から帰ると、自宅で妻子が殺されていた。何者かが侵入したようだが、誰が何の目的で妻子を殺したのかわからない。警察組織の捜査に限界を感じていたマックスは、仕事が終わると個人的に手がかり求めて街に出るのだった。すると、マックスが接触した人物たちが次々と何者かの手によって殺害されていく。
そんなマックスを手助けしてくれるのはBBだ。マックスの父親もBBもかつて警官で、父親とBBは相棒だったのだ。BBは既に警察を退職し、現在は天下りして、巨大企業・エイサー製薬で警備担当の重役の地位にあった。マックスの妻もエイサー製薬で働いていたのだ。
そのエイサー製薬はヴァルキリーという名の新薬の研究をしていた。それを飲んだ兵士が無敵のスーパー戦士になるというドラッグで、副作用により激しい幻覚が現われる。
マックスの妻子が殺されてしまった事にエイサー製薬が関わっていると判明し、復讐心に燃えたマックスはエイサー製薬の本社ビルに乗り込むと、セキュリテー班と警官たちがマックスに発砲し、その場は銃撃戦となる。BBが警察に手を回し、マックスを始末しようとしていたのだ。マックスの妻子を殺したのもBBで、ヴァルキリーの件が公にならないように口封じされたのだ。マックスはビルの屋上までBBを追い詰めて・・・。
ありきたりの陰気な警官復讐劇だ。ショボいストーリーにトホホ・・・である。ひねりも盛り上がりも何もない。シンプルすぎ。親身になっているBBが実は黒幕であるという事もすぐに推測できちゃったし、最後にBBが死んじゃっても、製薬会社には何も影響もなく、副社長はのほほんとそのまま・・・ってのも想定内で、そのような想定内の事ばかりで退屈なのだ。こんなベタなありきたりの復讐劇を見せられてもなぁ。退屈すぎて、アホらしくなって、主人公のマックスへ共感すら感じられないもの。その上に、無理矢理と無駄なシーンをツギハギに入れて、ストーリーの進行を鈍くしちゃっているのもダメだ。例えば、冒頭の川に沈んでいくシーン、そんなの必要ないじゃないか。更には、シューティング・ゲームの実写版のくせに銃撃戦もたいしたことがないし、ヴァルキリーを飲んでスーパー戦士になったスキンヘッドの凶悪な敵もあっけなく横槍りで死んでしまう。そのすっごい腰くだけのヘナチョコさに失笑なのである。今どき、こんなセコいアクション・シーンを見せるなよ。マックス自身もヴァルキリーを飲んで、そして雄叫びをあげるシーンに、「お前、ハルクになるんかい?」とツッコミを入れたのは私だけであるまい。ヴァルキリーの副作用の幻覚を見せるシーンも鬱陶しいねぇ。そんなシーンなんかいらないだろうに、そ~いうので時間稼ぎして引っ張ってど~すんだよ? 無駄なシーンを省くと、1時間番組、すなわち実質44分のドラマに圧縮できちゃう、そんな薄いストーリーを見るのは時間の無駄だ。だから、こんな映画は無視しような。ゲームの映画化にろくなやつはないんだから。
主演のマックスを演じているのはマーク・ウォールバーグだ。「ハプニング」、「猿の惑星 (ティム・バートン版)」、「ザ・シューター 極大射程」、他、この人が主演している映画ってくらだないものばかりだね。なんでこの手のヘボ映画への出演を断わらないんだ?
映画「マックス・ペイン」
http://movies.foxjapan.com/maxpayne/
たとえば、一番始めに殺される赤いドレスのおねぇちゃん、アレ、わけがわからんよなぁ。なんでパーティ会場の奥までマックスが彼女を探して入り込んだのか、その理由が見あたらないし、なんでマックスは彼女を自宅にお持ち帰りしたのかもわからない。自宅に連れ込んだのにすぐに追い返しちゃうのもわけがわからないよなぁ。彼女がその帰路に殺されちゃって、その殺される理由ってのも見えてこないじゃないか。何だったのあれ?
マックスがそのおねぇちゃんを自宅に連れ込む寸前のシーンで、ヴァルキリーを使って幻覚を見ているチョイ役の女性、「ヒーローズ」のシーズン・3に出演していたよねぇ。役名はメネシスだったっけ、マット・パークマンの彼女になる、超高速で走る女性って役で。
シーズン・3の最終回で、その超高速走行のスピードが光速を超えて、アインシュタインの相対性理論によって時間を逆行するってストーリーをやっちゃっているけれど、あれはひどいねぇ。相対性理論にそんな超光速の理論なんかないってば。逆に、相対性理論では、光速を超えることができないって事が証明されているのになぁ。
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