結核の検査に行ってきた。
あの某・女性お笑いコンビの片方が結核に感染していたという、あの騒動の影響なのである。いや、私自身は彼女とは面識もないし、会話したこともない。あのコンビがここ北海道のあるローカル番組(註1)に準レギュラーとして出演していて、今年の2月、その放送局に小用で行っていた私と廊下でスレ違っただけだから、感染している可能性はかなり低いだろう。コンビの相方ですら感染していないんだから。念のためだ。結果は陰性だった。あぁ良かった。結核の恐ろしさは父親から生前によく聞いていたもの。
私の父親が若い頃、結核に感染したのだ。その当時、結核は死亡率も高く、かなり危険でやっかいな病気だったのである。結核菌で肺が侵され、左の肺の半分以上を切除しなきゃならない状況になったと言う。かなりの大手術になる事がわかり、その手術ができる病院が札幌にすらない。それで単身で東京に向かい、東京の某・大病院で手術を受けた。入院は半年以上にも及んだそうだ。父親の背中には、その時の手術の大きな痕が残っていた。背中の右肩あたりから左の脇腹にかけて「ノ」の字を書いたような痕だった。長さは40cm以上あっただろうなぁ。まるで背後から日本刀でバッサリと切り捨てられたような、そんな痕だった。かなり痛々しい傷だ。私はそんな父親の背中を見て育ったのである。だから、平成のこの世になっても、一般の人たちよりも結核の恐ろしさについては私は良く知っているほうだと思う。あの時に父親がもしも結核で亡くなっていたら、私もこの世に存在していなかっただろうねぇ。
父親は左の肺の半分以上を切除したのに、すごいヘビー・スモーカーだった。新築した実家の白い壁が半年で黄色になったほどだ。あれほどのヘビー・スモーカーを私は見た事がない。それほど吸っちゃ、肺ガンになっちゃうよ・・・と親戚や知人に心配されていたが、父親は自分が肺ガンにならない事を知っていた。胃ガンにも、大腸ガンにも、一切のガンにならない事を。結核をやった経験があるからだ。(註2)
そして、その通り、一切のガンにならず、父親は別の病気による衰弱で5年前の5月に逝ってしまった。
父親が生前に言っていた。東京で入院していた時、病室の窓の外に見えた光景が、建設中の東京タワーだったと。(註3)
羽田空港に着陸しようとする飛行機の窓から東京タワーが見えると、私はそんな父親の事を思い出すのだった。
註1:
北海道にUHBというフジテレビ系のテレビ局があって、その局が毎週土曜日の昼12時から生放送していた「どぉーだ」という番組だ。メインがタカ・アンド・トシ(北海道出身)で、週替わりで準レギュラーに、華丸・大吉、ダイノヂ、トータルテンボス、他が交代して登場していた。
3月末で番組は終了し、4月の最終日曜からリニューアルされて放送されるらしい。今後は毎週日曜の午後1時からの放送のようだ。
UHB「どぉーだ」
http://uhb.jp/program/official/doda/do-da_fuafua.html
註2:
結核菌に感染した人はなぜかガンにならない。それは統計学的に検証されている。しかし、なぜなのか、そのメカニズムは医学的には解明されていない。結核菌がガンに対しての何らかの抑制作用があるという説も認められていないのが現状だ。
三十数年前、結核の研究者の丸山博士が「結核患者がガンにならない」という事からひらめいて、結核菌を使って開発したのが「丸山ワクチン」である。夢の抗ガン薬として騒がれ、実際にある程度の効果があったものの、厚生省(当時)はそれを認可しなかったのだ。丸山博士の死後、「丸山ワクチン」の名前も忘れ去られてしまった。
丸山ワクチン・オフィーシャル・サイト
http://vaccine.nms.ac.jp/
註3:
東京タワーの鉄骨は、戦車など軍用に使われた鉄が再利用されて作られている。朝鮮戦争で使われた米軍の戦車のスクラップを買い上げたのだ。
あの某・女性お笑いコンビの片方が結核に感染していたという、あの騒動の影響なのである。いや、私自身は彼女とは面識もないし、会話したこともない。あのコンビがここ北海道のあるローカル番組(註1)に準レギュラーとして出演していて、今年の2月、その放送局に小用で行っていた私と廊下でスレ違っただけだから、感染している可能性はかなり低いだろう。コンビの相方ですら感染していないんだから。念のためだ。結果は陰性だった。あぁ良かった。結核の恐ろしさは父親から生前によく聞いていたもの。
私の父親が若い頃、結核に感染したのだ。その当時、結核は死亡率も高く、かなり危険でやっかいな病気だったのである。結核菌で肺が侵され、左の肺の半分以上を切除しなきゃならない状況になったと言う。かなりの大手術になる事がわかり、その手術ができる病院が札幌にすらない。それで単身で東京に向かい、東京の某・大病院で手術を受けた。入院は半年以上にも及んだそうだ。父親の背中には、その時の手術の大きな痕が残っていた。背中の右肩あたりから左の脇腹にかけて「ノ」の字を書いたような痕だった。長さは40cm以上あっただろうなぁ。まるで背後から日本刀でバッサリと切り捨てられたような、そんな痕だった。かなり痛々しい傷だ。私はそんな父親の背中を見て育ったのである。だから、平成のこの世になっても、一般の人たちよりも結核の恐ろしさについては私は良く知っているほうだと思う。あの時に父親がもしも結核で亡くなっていたら、私もこの世に存在していなかっただろうねぇ。
父親は左の肺の半分以上を切除したのに、すごいヘビー・スモーカーだった。新築した実家の白い壁が半年で黄色になったほどだ。あれほどのヘビー・スモーカーを私は見た事がない。それほど吸っちゃ、肺ガンになっちゃうよ・・・と親戚や知人に心配されていたが、父親は自分が肺ガンにならない事を知っていた。胃ガンにも、大腸ガンにも、一切のガンにならない事を。結核をやった経験があるからだ。(註2)
そして、その通り、一切のガンにならず、父親は別の病気による衰弱で5年前の5月に逝ってしまった。
父親が生前に言っていた。東京で入院していた時、病室の窓の外に見えた光景が、建設中の東京タワーだったと。(註3)
羽田空港に着陸しようとする飛行機の窓から東京タワーが見えると、私はそんな父親の事を思い出すのだった。
註1:
北海道にUHBというフジテレビ系のテレビ局があって、その局が毎週土曜日の昼12時から生放送していた「どぉーだ」という番組だ。メインがタカ・アンド・トシ(北海道出身)で、週替わりで準レギュラーに、華丸・大吉、ダイノヂ、トータルテンボス、他が交代して登場していた。
3月末で番組は終了し、4月の最終日曜からリニューアルされて放送されるらしい。今後は毎週日曜の午後1時からの放送のようだ。
UHB「どぉーだ」
http://uhb.jp/program/official/doda/do-da_fuafua.html
註2:
結核菌に感染した人はなぜかガンにならない。それは統計学的に検証されている。しかし、なぜなのか、そのメカニズムは医学的には解明されていない。結核菌がガンに対しての何らかの抑制作用があるという説も認められていないのが現状だ。
三十数年前、結核の研究者の丸山博士が「結核患者がガンにならない」という事からひらめいて、結核菌を使って開発したのが「丸山ワクチン」である。夢の抗ガン薬として騒がれ、実際にある程度の効果があったものの、厚生省(当時)はそれを認可しなかったのだ。丸山博士の死後、「丸山ワクチン」の名前も忘れ去られてしまった。
丸山ワクチン・オフィーシャル・サイト
http://vaccine.nms.ac.jp/
註3:
東京タワーの鉄骨は、戦車など軍用に使われた鉄が再利用されて作られている。朝鮮戦争で使われた米軍の戦車のスクラップを買い上げたのだ。
コメント