映画嫌い (473)

2009年8月25日 映画

本日のクソ映画は2006年の米国映画「アストロノーツ・ファーマー: 庭から昇ったロケット雲 (The Astronaut Farmer)」である。
 
主人公のチャールズ・ファーマーは元・空軍のパイロットで、かつて宇宙飛行士の候補にもなっていた男だ。しかし、宇宙飛行士になれずに軍を退役し、今は妻と3人の子供と共にテキサス州のイナカの村で牧畜業を営んでいる。宇宙への夢を捨てられないファーマーは、自分でロケットを設計し、それを納屋で製造していた。自らそのロケットに乗って宇宙飛行しようと計画していたのだ。彼の家族も協力してロケットは完成間近だが、莫大な費用がかかってしまい、彼は返済のできない借金まみれ。大量のロケット燃料を入手しようとして怪しまれ、彼はFBIに監視されてしまう。無謀だ、国家への脅威だとして、FBI、CIA、NASA、FAA(連邦航空局)、ATF(連邦アルコール・タバコ・火器・爆発物取締局)、エネルギー省、軍などの国家機関の聴聞会に彼は呼ばれてしまい、中止の説得をされ、その上に強迫と妨害までも受けてしまう。一方では、彼のことをマスコミが大々的に報道して、彼はヒーローと見られたり、彼の家族がカルト教団のように新聞に書かれたりする。
借金の返済期限が近づき、担保としていた家と農場を失いそうになっているある朝、ファーマーはロケットに乗り込んで発射を強行し、打ち上げに失敗してしまった。彼は大ケガをし、マスコミからも叩かれ、宇宙への夢をあきらめようと考えた。しかし、彼の家族の厚い愛情、妻の父の急死による遺産の相続があって、彼はロケットの改良にとりかかり、遂にはドッカ~ンと発射に成功。ロケットは地球を回る軌道に乗るが・・・。
 
個人の資産でロケットができるのなら、年間に数兆円の予算を持つNASAもビックリだろうが、技術的にありえない「絵に描いた餅」状態のホラ吹き映画になっちゃっているのが虚しい。宇宙飛行するシーンはあるけれど、これは宇宙もの映画ぢゃないな。宇宙飛行を実現してヒーローになるというサクセス・ストーリーでもない。ロケットを設計・製造しているシーンもあるけれど、科学映画でもない。科学的なシーンが1つもない上に、非科学的のテンコ盛りなのである。ロケットのエンジンってのは非線形の極地なんだから、エンジンを設計した場合は、実際には設計値の何割の推進効率が出るのかなどを調査する燃焼実験は必須なのに、そんなシーンなどありゃしない。そ~いう、工学的にありえないバカ映画になっているのだ。ロケットの技術的な問題とその解決やノウハウとかをちゃんと見せろよなぁ。それで、結局は、夢を追い続ける男と、それをサポートする家族という、ロケットそっちのけの家族愛映画になっちゃっているのがバカバカしい。家族愛の大切さはわかるけど、そ~いうアメリカ的なものを見せられてもなぁ。すっごくシラケてしまったぞ。
名前がファーマーって、「農夫」っていう意味との掛け言葉かよ。
出演者の一覧に名前が載っていないブルース・ウィルスがサプライズ出演しちゃっているが、だから何なんだ?の領域を出ていないなぁ。
最後に流れる曲がエルトン・ジョンの「ロケット・マン」ぢゃないか。
ってことで、こんなバカバカしい映画は絶対に見ないこと。
 
映画「アストロノーツ・ファーマー: 庭から昇ったロケット雲」
http://www.rocket-gumo.jp/
 
 

 
 

 
 

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