映画嫌い (491)

2009年9月13日 映画

本日の映画は2008年の米国映画「ディファイアンス (Defiance)」である。第二次世界大戦時のベラルーシでの実話を映画化したものである。すでに日本では劇場公開済みだ。
 
1941年の夏。ナチス・ドイツは東欧のベラルーシを占領した。そして、ドイツ軍の命令によりベラルーシの警察も協力して、ナチス親衛隊はユダヤ人狩りを始めたのだった。ユダヤ人一家の長男のトゥヴィア・ビェルスキーはドイツ軍と警察に追われ、2人の弟を連れて森の中に逃げ込んだ。トゥヴィアは両親を殺され、妻は収容所に送られてしまった。ビェルスキー兄弟は、同様に森の中で逃げてきたユダヤ人たちと出会い、一緒に行動する人々が次第に多くなっていく。そして、1000人以上もの集団となり、トゥヴィアがリーダーとなって、人々は作業分担し、食料を分け与え、小屋を作り、武装し、森の中で共同生活をする。慢性的な食料不足、冬の到来、トゥヴィアと弟の不和、ドイツ軍との戦闘、新たな地への大移動、そして・・・。

ユダヤ人を救ったベラルーシの英雄として神格化されちゃっているトゥヴィア・ビェルスキーの実話の物語だ。トゥヴィアに率いられたユダヤ人が安住の新天地を求める流浪の民となるが、モーゼの「出エジプト」のような海が割れて通行可能になるというような奇跡は起こらない。「シンドラーのリスト」のベラルーシ版ってなわけでもない。ストーリーとしては山もなく地味だ。中途半端な終わり方にもガックリだ。これって、戦時下、ユダヤ迫害という異常な状況下での話としては興味深いものの、映画化しても面白い話ではないな。実話なんだから、山もなく伏線もないてのはしょうがないだろうけど、これを映画化するのには無理があったんじゃない?と企画倒れを感じてしまったもの。真実・実話はそれはそれで良いとしても、映画にしちゃうってのは違うだろ。実話の映画化をやっちゃっても必ずしも映画として面白いものにならないってのは911同時多発テロの映画化をしちゃったあれでも実証されているじゃないか。
 
主演のトゥヴィア役は最近の「007」シリーズでジェームズ・ボンド役をやっているダニエル・クレイグだ。トゥヴィアの弟・ズシュの役の人、最近、どこかで見かけたなぁ・・・と思ったら、「ウルヴァリン: X-Men Zero」で主人公の兄・ヴィクターの役をやっていたオオカミ男さんだな。
 
ちなみに、日本ではちゃんとユダヤ人というものが認識されていなくて、「ユダヤ人」という呼び方にも問題があるのだろうが、誤解をしている人がかなり多いようだ。「ユダヤ人」と言う名前の民族や人種のがいるのではない。ユダヤ人には特定の民族や人種の意味はないのだ。ユダヤ人とは「ユダヤ教の信者」の意味である。イスラム教徒をイスラム人と呼ぶようなものである。だから、アジア人でも、黒人でも、ユダヤ教に改宗するとユダヤ人である。数は少ないけれど、日本人の中にもユダヤ教を信仰しているユダヤ人が実際にいるぞ。
私の友人にもひとり、純の日本人のユダヤ人がいる。そいつは彼女と3年の交際を経て結婚したんだけど、結婚直前まで、彼女はそいつの事をユダヤ人という外国人とのハーフだと思い込んでいたらしい。顔は全然ハーフっぽくないのにである。

映画「ディファイアンス」
http://eiga.com/movie/53846
 
 

 
 

 
 

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

日記内を検索