オリオン座嫌い

2012年3月7日 日常
今夜も夜空にオリオン座がはっきりと見えるなぁ。
中央部に並ぶ3つの明るい星でオリオン座はすぐにわかる。
その3つの星の左上にあるひときは明るい恒星の名はベテルギウスだ。
http://image.space.rakuten.co.jp/lg01/28/0001020528/02/imge59c5a44zikezj.jpeg

ベテルギウスはその半径が太陽の1000倍くらいある超デカい恒星である。地球から見える恒星では太陽に次いて2番目に明るく見える恒星である。地球から640光年の距離にある。640光年ってのは光の速さで640年かかる距離という意味だ。光の速度は秒速30万kmで、およそ1秒間で地球を7周半するスピードだ。その超高速の光でも640年かかって到達する距離にあるのがベテルギウスである。言い換えると、今、地球から見えるベテルギウスの光は、640年前にベテルギウスが発した光なのである。

そのベテルギウスの光をプロの天文学者さんたちが観測した結果、ベテルギウスは星の一生をそろそろ終えて、「超新星爆発」と呼ばれる大爆発をしそうだと判明している。もしもベテルギウスが超新星爆発したら、地球からは月のような明るさに輝いて見えるのが数ヶ月間続く。夜空は一変するのだ。いわゆる天体ショーだな。明るくて、昼間の青空の中でも肉眼で見ることができるほどだ。

しかし、その爆発は明日なのか、1年後なのか、100年後なのか予想がつかないのである。137億年という長い宇宙の歴史の中では100年なんか一瞬だものな。いきなり明日に爆発が見られる可能性もあり、その一方では、自分の生きている間に爆発を見られない可能性もある。

もしかして、ベテルギウスは今の時点でもうすでに爆発を終えているのかも知れない。爆発しても、その光が地球に届くまで640年だ。仮に今から500年前に爆発していたとしても、地球にその光が到達するのは今から140年後だものなぁ。

ちなみに、恒星が超新星爆発すると、有害な宇宙線が多量に放出される「ガンマ線バースト」と呼ばれる現象を引き起こす。640光年の距離からでも、ガンマ線バーストが地球を直撃した場合は、地球上の生命がほぼすべて消滅するだろう。だから、天文学者さんたちは「ベテルギウスの超新星爆発で人類滅亡か?」と、かなり焦った。
その後の観測でガンマ線バーストで宇宙線が放出されるのは、その恒星の自転軸に対して角度で2度の範囲内であることが判明し、更なる観測で、地球の位置はベテルギウスの自転軸に対して20度だと判明した。どうやら、地球にはガンマ線バーストの影響はないようだ。

ってことで、オリオン座のベテルギウスの天体ショーを楽しみにしながら、今日も夜空を見上げているのである。今年の夏あたりに爆発が見られないかなぁ?


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