謹賀新年。
新年になると、その年の干支の生物を食べよう!というおバカな活動をやっている知人がいて、その活動に私も付き合っているのである。初めての活動の時に食べたのが牛肉のスキヤキだったから、あれから12年が経過しちゃって、干支がひとまわりしたんだねぇ。だから、十二支、全部の生物を一通り食べたことになるなぁ。
牛、鶏、羊の肉は我々が日常的に食べていて、スーパーの肉コーナーで入手できるから問題はないんだが、その他の干支には、あまり普段は食べない生物もいるから、結構、苦労した時もあったなぁ。虎の肉なんか日本じゃ全く手に入らないもの、手に入る東南アジアの某国まで行って、現地で虎の肉でバーベキューしたことがある。こんなおバカな活動にそこまで金と時間をかける我々の悪趣味さ、ホント、バカだねぇ。馬年の時には本場の九州に行って馬刺しを食べたし、ヘビ年の時には中国まで行って専門店でヘビ肉のスープを食べてきた。昨年のネズミも中国だったなぁ。ネズミの開き丼、それと、スィーツであるネズミの胎児のハチミツ漬け、まぁまぁ美味しかったなぁ。イノシシやウサギの肉は国内で簡単に手に入ったから、主催者の自宅で鍋パーティをやったっけ。
タツ年の時は、食用に乾燥されたタツノオトシゴをポリポリと食べた。あのミイラみたくなったタツノオトシゴ、美味しくなかったなぁ。
映画嫌い (358)
2009年1月2日 映画本日のクソ映画は2008年の米国映画「ゲット・スマート (Get Smart)」である。日本では既に劇場公開が終わっているようだ。テレビ・ドラマ・シリーズとしてその昔に「それ行けスマート」の邦題で放送されていたドジなスパイのドタバタ・コメディの映画化である。
悪の秘密結社「カオス」によって核物質が盗まれた。米国の諜報組織「コントロール」の新任の捜査官のマックスは、整形美人捜査官99号と共に調査を開始する。モスクワにある敵の本拠地に乗り込んだふたりは・・・。
笑えない。「ミスター・ビーン」で笑えないのと同じパターンである。ひょうひょうとしたマックスのドタバタ一歩手前の三流コント仕掛けの散漫さ、あれで笑えというのが無理ってものだ。オチが先読みできちゃう部分が多数あってシラケてしまったもの。99号が結構美人に見えたんだけど、良く見るとマンガみたいな顔立ちで微妙だなぁ・・・という印象しか残らなかったなぁ。あの大きなお目目、どこかで見たことが・・・と思ったら、「プラダを着た悪魔」の主演のお姉ちゃんだった。
ちなみに、この映画の音楽担当は、元・イエス(Yes)のトレヴァー・ラビン(Trevor Rabin)である。この人、すっかり映画音楽界の人になっちゃったねぇ。それも、「スネーク・フライト」とか「グリマーマン」のようなつまらない映画ばかりだ。トレヴァー、仕事を選べよな。
映画「ゲット・スマート」
http://wwws.warnerbros.co.jp/getsmart/
映画嫌い (359)
2009年1月3日 映画本日のクソ映画は2008年の米国映画「ブルース&ロイドのボクらもゲット・スマート (Get Smart’s Bruce and Lloyd Out Of Control)」である。前述の映画「ゲット・スマート」のスピンオフ映画である。
米国の諜報組織「コントロール」に勤務するブルースとロイドのふたりは諜報用の秘密兵器の開発を担当する科学者だ。彼らは「O.C.T.」という布を開発していた。その布は周囲の景色に色が同化し、その布の中に隠れると姿が見えなくなるというハイテクものだ。その技術を狙うのが、「コントロール」のライバルであるCIA、そして独裁国家マラグアイだった。ある日、「コントロール」の地下本部から「O.C.T.」が盗まれてしまう。ブルースとロイドは盗まれた「O.C.T.」を取り戻そうと・・・。
ブルースとロイドは「ゲット・スマート」の本編にもチョイ役で登場していたコンビである。ブルースを演じているのがお馴染みのマシ・オカだ。ドジなロイドのほうが主役的なストーリーになっており、ロイドがボケでブルースがツッコミってな漫才コントをやっちゃっているのだ。(捜査官99号がちょっとだけ出てくるが、マックスは出てこない。)
で、さっぱり笑えなかった「ゲット・スマート」より、こちらのスピンオフのほうが格段と面白い。なんだかそれが本末転倒に思えてしまうんだよなぁ。それより、「コントロール」の職員でスキンヘッドになっちゃったニールという男のほうが面白いし、存在感がある。だから、ニールを主演にしたスピンオフを作ったほうが良かったんじゃないの?と思えてしまうんだよなぁ。
映画「ブルース&ロイドのボクらもゲット・スマート」
http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tymv/id331705/
開発したロボットの右耳にUSBの端子があったのには笑ったぞ。
映画嫌い (360)
2009年1月4日 映画本日のクソ映画は2005年のタジキスタン映画「セックスと哲学 (Sex and Philosophy)」である。タジキスタンの映画ってのは珍しい・・・んだけど、これがさっぱり面白くないのだ。
主人公のジョーンはダンス教室の先生だ。彼は40歳の誕生日を迎えたその日、4人の女性をダンス教室に集めた。彼女たち4人は皆、ジョーン恋人なのであった。そして、ジョーンは彼女たちとの別れを宣言し、それぞれの女性とその出逢いについて回想しながら話を始めるが・・・。
意味のないクソ映画なのだ。これと言ったストーリーなんかないんだもの。無意味なシーンのテンコ盛りだ。1960年代、70年代前半あたりのフランスのヌーヴェル・ヴァーグの作風って言うか、日本のATGのような、山なし、オチなし、意味なし・・・のつかみどころのない映画になっちゃっている。今どきこんな映画を作っちゃうっていったい何なんだろうね? ストーリーもなくチンタラと時間だけが過ぎていく作風の映画は、私はソ連時代のタルコフスキー監督の映画を見てかなり免疫ができているんだけれど、それでも、あまりにもこの映画がつまらくて、すっごく時間の無駄に思えてきたから、もぅ、かなりイライラさせられた。自己中のあんなヤボったいおっさんの4股の恋愛話につきあってもしょうがないじゃないか。赤い色やストップウォッチなどを暗喩の素材として使っているのもダメだな。幼稚なんだもの。それが何の暗喩なのか考えるのがバカらしく思えてきて、私は考えるのをすぐにやめちゃった。オトナになりきれなかった未熟な監督がオトナになりきれていない未熟な男を映画で描写するとこんなエセ映画になっちゃうってことだろうね。タイトルに反して、ファック・シーンなんか全くないし、乳首さえも見せていない。それに、哲学だなんて全く関係ない。セリフの中に哲学的な名言もありゃしない。タイトルだけの企画倒れだ。バカバカしいったらありゃしない。こんなクソ映画は絶対に見るな!
映画「セックスと哲学」
http://www.cinema-today.net/0805/14p.html
http://forest.kinokuniya.co.jp/ItemIntro/142202
札幌ラーメン嫌い 「山岡家」
2009年1月6日 グルメ以前に「山岡家」の「すすきの店」の事はここに書いた。あの太い麺と濃厚な味噌スープの味は結構おいしいと思ったなぁ。
その「山岡家」が札幌の狸小路4丁目に新たな店舗を出したので、さっそく行ってみた。10年以上前に狸小路4丁目には「山岡家」の店舗があったんだけど、その店舗は潰れてしまい、その跡地には現在は別のラーメン屋がある。なんで今さら「山岡家」は狸小路4丁目に戻ってきたのだろうか?
店を入ってすぐ左に自動販売機があった。ここも自動販売機で食券を買う方式だ。「すすきの店」にある35年前のようなレトロな自販機ではなくて、液晶カラー画面にメニューが写真入りで表示されて、麺の硬さやスープの脂分を選択できるインタラクティヴな自販機だ。
で、味噌ラーメンの麺固めを注文してみた。
出てきたラーメンを食べてびっくり!
「すすきの店」と味が全く違っている。太い麺は同じだけれど、味噌スープがまるで別の味だ。その味、かなりまずい。麺は全部食べたけれど、スープはひとくちもレンゲで飲むことなく残してしまったもの。スープも最後まで飲み干してドンブリをカラにするってのが私のラーメン・ポリシーなんだけど、あんな味、飲めたもんじゃない。あまりにもまずくて気分が悪くなってきた。塩分が多すぎるし、その塩辛さの中に、なんだか生ゴミっぽい香りもするし、もぅ最低なのだ。「すすきの店」とこんなに味が違うってのは、ちゃんと支店の味すら管理できていない証拠だな。この店にはガッカリだ。私はもうこの店には二度と行かない。もう一度潰れてしまえ。
山岡家
http://www.yamaokaya.com/index2.html
映画嫌い (361)
2009年1月7日 映画
本日のクソ映画は2007年の英国他共同映画「アルマゲドン 2008 (Impact Earth)」である。お馴染みのバカ映画販売会社「アルバトロス・フィルム」による便乗パチもの映画である。
2008年8月8日、突然と彗星のかれらが飛来してきて、アイルランド沖の大西洋に激突した。そのエネルギーにより巨大津波が発生してアイルランド東岸は壊滅状態となる。
主人公のニール・ガントはNASAの研究チーム「NEO (Near Earth Object Program)」に勤務している科学者だ。地球に接近する隕石や彗星を観測・調査するプロフェッショナルである。ニールたちはアイルランドで現地調査をして、彗星の飛来してきた方向を計算で割り出す。その彗星は高速で太陽をかすめて飛んで来たために観測されずにいたと判明する。
その後の探査で、宇宙の同じ方向からより大きな彗星が飛んで来るのが発見された。その彗星は、アイルランド沖の彗星激突からちょうど1年後の2009年8月8日に北米に激突すると算出されたのだ。米軍は核弾頭を彗星の軌道の近くで爆発させて彗星の軌道を変える作戦を実行しようとしていたが、ニールはそれに猛反対する。核爆発させてしまうと氷の固まりであるモロい彗星が衝撃で砕けて、多数の氷の破片となって地球に降ってきて、アイルランドと同様な惨事が地球のあちこちで起こってしまうじゃないか!と警告する。ニールの案とは、激突する北米のその一帯の住民、約一億人を避難させるというものだったが・・・。
毎度毎度の非科学的なバカ映画だ。どこが非科学的なのか説明するのも疲れる。ストーリーも面白くないし、パニック感もない。一億人も避難するのにその様子の描写も手抜きであるし、伏線もサプライズもない。見せ場ってものがないのだ。さすが、アルバトロスだ。こ~いうくだらないDVDを買ったり、レンタルで借りたりする人っていったい何人いるんだろ?
映画「アルマゲドン 2008」
http://nttxstore.jp/_II_D112451948
2008年8月8日、突然と彗星のかれらが飛来してきて、アイルランド沖の大西洋に激突した。そのエネルギーにより巨大津波が発生してアイルランド東岸は壊滅状態となる。
主人公のニール・ガントはNASAの研究チーム「NEO (Near Earth Object Program)」に勤務している科学者だ。地球に接近する隕石や彗星を観測・調査するプロフェッショナルである。ニールたちはアイルランドで現地調査をして、彗星の飛来してきた方向を計算で割り出す。その彗星は高速で太陽をかすめて飛んで来たために観測されずにいたと判明する。
その後の探査で、宇宙の同じ方向からより大きな彗星が飛んで来るのが発見された。その彗星は、アイルランド沖の彗星激突からちょうど1年後の2009年8月8日に北米に激突すると算出されたのだ。米軍は核弾頭を彗星の軌道の近くで爆発させて彗星の軌道を変える作戦を実行しようとしていたが、ニールはそれに猛反対する。核爆発させてしまうと氷の固まりであるモロい彗星が衝撃で砕けて、多数の氷の破片となって地球に降ってきて、アイルランドと同様な惨事が地球のあちこちで起こってしまうじゃないか!と警告する。ニールの案とは、激突する北米のその一帯の住民、約一億人を避難させるというものだったが・・・。
毎度毎度の非科学的なバカ映画だ。どこが非科学的なのか説明するのも疲れる。ストーリーも面白くないし、パニック感もない。一億人も避難するのにその様子の描写も手抜きであるし、伏線もサプライズもない。見せ場ってものがないのだ。さすが、アルバトロスだ。こ~いうくだらないDVDを買ったり、レンタルで借りたりする人っていったい何人いるんだろ?
映画「アルマゲドン 2008」
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映画嫌い (362)
2009年1月8日 映画
本日のクソ映画は2007年のカナダ映画「ツイスター 2008 (Storm Cell)」である。またまた「アルバトロス・フィルム」による便乗パチもの映画である。懲りないねぇ。アルバトロスの皆さん、あんたら儲ける気がないのかぁ?
主人公は竜巻き研究の第一人者の女性、エイプリル・サンダース博士。娘の高校生のダナとふたり家族だ。エイプリルは竜巻き観測に熱中だ。娘のダナは「母は竜巻きばかり追って自分の事を気にかけてくれない」と母に反抗的な態度をとる。
そんな時、エイプリルはダナを連れて、シアトルに住んでいる弟の家に遊びに行く事にした。シアトルにはダナが進学を希望している大学があるので、エイプリルはそこへダナを見学に連れて行く約束をして、ダナは大喜びだ。
ところが、シアトル郊外でかつてない巨大竜巻きが発生し、急遽、エイプリルは現地に。そして、約束が破られた事に失望したダナは巨大竜巻きが接近する中、家出をしてしまい・・・。
アルバトロスの皆さん、こりゃまたくだらない映画をご苦労さん。竜巻きで壊滅するシアトルってなパニック映画になっていなくて、母娘という極めてプライベートな、こじんまりとしたストーリーに失笑だ。
母娘の対立の構図がバカだねぇ。こんなバカ母・バカ娘ぢゃ、どちらにも感情移入できないってば。親子の対立と和解をみせたかったのか、巨大竜巻きをみせたかったのか、どちらをメインにしたかったのかわからないけど、どちらにしても作りがズボラなんだよねぇ。実はダナの父親はこの人だった・・・ってな事も映画の中でやっているんだが、そんなの全然サプライズになっていないどころか、あまりにもくだらなくて飲んでいたドクター・ペッパーを噴き出してしまったじゃないか。あぁ、バカバカしい。
映画「ツイスター 2008」
http://nttxstore.jp/_II_D112594958
主人公は竜巻き研究の第一人者の女性、エイプリル・サンダース博士。娘の高校生のダナとふたり家族だ。エイプリルは竜巻き観測に熱中だ。娘のダナは「母は竜巻きばかり追って自分の事を気にかけてくれない」と母に反抗的な態度をとる。
そんな時、エイプリルはダナを連れて、シアトルに住んでいる弟の家に遊びに行く事にした。シアトルにはダナが進学を希望している大学があるので、エイプリルはそこへダナを見学に連れて行く約束をして、ダナは大喜びだ。
ところが、シアトル郊外でかつてない巨大竜巻きが発生し、急遽、エイプリルは現地に。そして、約束が破られた事に失望したダナは巨大竜巻きが接近する中、家出をしてしまい・・・。
アルバトロスの皆さん、こりゃまたくだらない映画をご苦労さん。竜巻きで壊滅するシアトルってなパニック映画になっていなくて、母娘という極めてプライベートな、こじんまりとしたストーリーに失笑だ。
母娘の対立の構図がバカだねぇ。こんなバカ母・バカ娘ぢゃ、どちらにも感情移入できないってば。親子の対立と和解をみせたかったのか、巨大竜巻きをみせたかったのか、どちらをメインにしたかったのかわからないけど、どちらにしても作りがズボラなんだよねぇ。実はダナの父親はこの人だった・・・ってな事も映画の中でやっているんだが、そんなの全然サプライズになっていないどころか、あまりにもくだらなくて飲んでいたドクター・ペッパーを噴き出してしまったじゃないか。あぁ、バカバカしい。
映画「ツイスター 2008」
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映画嫌い (363)
2009年1月9日 映画
本日のクソ映画は2008年の米国映画「エイリアン・レイダース (Alien Raiders)」である。この映画はワーナー・ブラザーズから出ているんだけど、内容が「アルバトロス・フィルム」なみのチープさだ。こりゃ酷いねぇ。
アリゾナ州のいなか町のスーパーマーケットが舞台だ。ある日の夜、閉店時間まぎわのスーパーマーケットに武装した強盗集団が入ってきて、奴らは従業員と客を拘束する。奴らの狙いはカネではない。寄生型のエイリアンに寄生された人物をその中から見つけ出し、それを駆除するのが目的だった。強盗だと思った警察がマーケットを包囲する中、拘束された人物はひとりづつ寄生の有無のテストをされる。そして・・・。
スーパーマーケットが舞台で、前述の同じような映画「ミスト」を思い浮かべてしまった。あの映画も酷かったけれど、こっちの映画はもっと酷いなぁ。彼らがそのスーパーマーケットにエイリアン退治にやってきた合理的な説明がないのがダメだねぇ。彼らはなんで強盗みたいな行動をしなきゃならなかったのか、全然見えてこないんだよ。だから、ストーリーがちゃんと成立していないように見えてしまうわけ。最後のオチも失笑ものだなぁ。どの登場人物にも魅力がないしねぇ。
映画「エイリアン・レイダース」
http://nttxstore.jp/_II_D112678816
アリゾナ州のいなか町のスーパーマーケットが舞台だ。ある日の夜、閉店時間まぎわのスーパーマーケットに武装した強盗集団が入ってきて、奴らは従業員と客を拘束する。奴らの狙いはカネではない。寄生型のエイリアンに寄生された人物をその中から見つけ出し、それを駆除するのが目的だった。強盗だと思った警察がマーケットを包囲する中、拘束された人物はひとりづつ寄生の有無のテストをされる。そして・・・。
スーパーマーケットが舞台で、前述の同じような映画「ミスト」を思い浮かべてしまった。あの映画も酷かったけれど、こっちの映画はもっと酷いなぁ。彼らがそのスーパーマーケットにエイリアン退治にやってきた合理的な説明がないのがダメだねぇ。彼らはなんで強盗みたいな行動をしなきゃならなかったのか、全然見えてこないんだよ。だから、ストーリーがちゃんと成立していないように見えてしまうわけ。最後のオチも失笑ものだなぁ。どの登場人物にも魅力がないしねぇ。
映画「エイリアン・レイダース」
http://nttxstore.jp/_II_D112678816
映画嫌い (364)
2009年1月15日 映画本日のクソ映画は2001年の米国映画「ダミー (Dummy)」である。そのタイトルから、サスペンス映画か?と思って見てみたところ、つまらないラブ・コメ映画だった。ここで言う「ダミー」とは、「腹話術の人形」のことなんだもの。
主人公のスティーヴンは腹話術をやっているテレビ番組を見て、それに魅了されてしまった。そして、さっそく自分も腹話術をやってみようと、腹話術の人形を買い、勤務していた会社も辞めてしまったのだ。
幼馴染みの女性・ファンゴラが万引きしてきた教則本を読んでスティーヴンは独学で腹話術の勉強を始め、腹話術の講習会にも参加してワザを身に付けようと努力する。そんな時、スティーヴンはハローワークに勤務している相談員のロレーナと出逢い、スティーヴンはロレーナに恋をしてしまう。その恋の行方は・・・?
スティーヴンの腹話術師としてのサクセス・ストーリーでもなく、人形に邪悪な霊が乗り移ったりもしない。人形がスティーヴンをサポートするわけでもない。だから、腹話術というものの必要性がこの映画には感じられないのである。痛い事に、ロレーナにも魅力が感じられないし、スティーヴンを応援したい気分にもなれなかった。だって、主役としてのスティーヴンに存在感がなくて弱すぎなんだもの。スティーヴンが飄々としすぎちゃっているから、彼の心理が見えてこないんだよねぇ。それがこの映画をつまらなくしちゃっている最大の原因だろう。
姉のハイジ、両親、姉の元彼のマイケル、そしてファンゴラと、超個性的な人物でスティーヴンの周りを固めて、それで軽い笑いを取っている手法にも疑問は残る。確かにファンゴラとハイジのその個性的なキャラは面白いのだが、それがかえってスティーヴンの存在を薄くしちゃっているのだ。
途中でスティーヴンは人形を返品して腹話術を辞めちゃうのだが、その後にまた腹話術をやるようになる心境とかそのキッカケのような肝心なものを見せていないのもダメだな。
ちなみに、「腹話術」のことを英語では「ヴェントリロキズム (ventriloquism)」と言う。試験には出てこない英単語なので(多分)、この英単語を覚える必要はない。
映画「ダミー」
http://www.eigaseikatu.com/title/7704/