映画嫌い (429)
2009年5月30日 映画本日のクソ映画は2009年の米国映画「スター・トレック (Star Treck)」である。後にUSSエンタープライズ号の艦長となるジム・カークの、その誕生秘話、スポックとの出会いと対立、艦長となるまでの若き日の戦いを見せているマニア向けの映画だ。
この映画は日本では昨日から劇場公開されているようだ。今後、この映画を見る予定の地球人とバルカン人は以下を読まないこと。
宇宙暦2233.04年、宇宙連邦艦隊USSケルヴィン号はロミュラン星人の巨大宇宙船からの激しい攻撃を受けた。敵艦に停戦交渉に向かったラボー艦長は殺されてしまい、臨時代行で艦長となったジョージ・カークは、乗組員全員に救命シャトル船での脱出を指示する。自動操縦機能が作動しなくなったケルヴィン号にジョージはひとりで残り、敵艦に向かって操縦し、体当たりをして自爆する。ジョージの妻は脱出する救命シャトル船の中で出産。生まれた男の子はジムと名付けられ、無事に地球に帰還した。その男こそ、のちのUSSエンタープライズ号艦長、ジェームズ・タイペリアス・カークである。
一方、バルカン星から地球に赴任している大使と地球人女性の間に生まれたのがスポックだ。ハーフである事でイジメにあう少年スポックは、バルカン人として論理的に生きる事を選択し、成績優秀な青年へと成長した。スポックは宇宙連邦艦隊へ入隊し、沈着冷静な指揮官となったのだった。
その頃、元・ケルヴィン号の乗組員で、今は宇宙連邦艦隊の艦長待遇であるパイクは、やんちゃな青年となったジムの才能に着目し、ジムを宇宙連邦艦隊へスカウトする。ジムは士官学校で訓練を受ける事になり、同期で親友となったのが研修医のレナード・マッコイだ。また、同期には言語学者で黒人女性のウフーラも。
そして、それから3年が経過した。
ある時、宇宙連邦艦隊がバルカン星からの救難信号を受信した。25年前にケルヴィン号を襲撃したロミュラン星人の巨大宇宙船がバルカン星の上空に現われたのだ。完成したばかりのUSSエンタープライズ号はバルカン星を救いに飛び立つ。艦長はパイク、副官にスポック。そして、新人の日本人・スールー、ナマリのひどい英語を話すロシア人・チェコフのふたりも操縦士として乗船した。ウフーラ通信士、マッコイ医師もエンタープライズ号に配属されたが、カークはその時には謹慎中(テストでズルをしちゃった)の身だったので配属されなかったのだ。そこで、マッコイは医師としての特権を使い、護送する患者という名目でカークをエンタープライズ号に乗せる。エンタープライズ号はワープしてバルカン星の近くに到着したが、敵艦はブラックホールを発生させる爆弾をバルカン星に投下し、バルカン星はブラックホールの中に吸い込まれて消滅してしまう。
(中略)
カークは臨時代行で艦長となり、スポックと共に敵艦に乗り込んで破壊し、敵を全滅させる。これで地球も救われた。地球に帰還したカークはその功績で授勲し、パイク艦長が総督に昇進したのに代わって、エンタープライズ号の正式な艦長にカークは任命される。そして、エンタープライズ号は宇宙探査の旅へ飛び立つのだった。おしまい。
カーク、スポック、それにマッコイ、スールー(日本語テレビ版での名前はカトウ)、チェコフ、ウフーラ、スコット、・・・と、テレビ・ドラマのシリーズのお馴染みのレギュラーのクルーたちが梁山泊のごとく集まってくるというストーリーなので、「スター・トレック」ファンにはウケるんじゃないだろうか? しかし、「宇宙大作戦」のタイトルで日本でテレビ放送されていたあのシリーズに深入りしていなかった私としては、この映画はなんだかピンとこないんだよなぁ。ストーリーとして面白いものではないし、こじつけ臭いんだもの。エンタープライズ号を追放されたカークが氷の惑星に不時着し、その惑星で129年後からタイムスリップした老いたスポックと偶然と対面するだなんて、そんな事はありえないだろう。それこそ天文学的数字を分母とする確率だ。それにさぁ、この映画におけるカークが、うまく後のテレビ・ドラマ・シリーズでのカークにつながって見えないんだもの。いったいどうやったら、このカークがあのカークになっちゃうわけ?ってな感じだ。顔が全然違っているという事は大目に見てあげて無視しよう。しかし、気質というか性格がまるで別人なんだよなぁ。
スポックを演じているのはザッカリー・クイントという俳優さんで、テレビ・ドラマ「ヒーローズ」で悪役のサイラーを演じていた人だね。私は「24」は全く見ていないんだけど、「24」のシーズン3にも出ていたようだ。この人、レナード・ニモイの演じていた初代のスポックには全然似ていないが、いい芝居してるねぇ。バルカン人のメイクでスポックをやらせるには適任だと思うぞ。これを見ていると、主人公をカークにしないで、スポックにしたほうが良かったんぢゃなかろうか?と思えてしまう。
老いたレナード・ニモイが老いたスポック役で登場してくるのは友情出演ってなところかな?
監督のJ.J.エイブラムズによると、このメンバーでの続編の撮影も決定しているようだ。今後が心配なのは私だけであるまい。
また、J.J.エイブラムズは「次の映画は日本を舞台にした映画を日本で撮影したい」とも言っているそうだけど、それってまさか「スター・トレック」の続編ってことではないでしょうねぇ? 別の映画の事なんでしょうねぇ? 日本を舞台にした「スター・トレック」は見たくないなぁ。
映画「スター・トレック」
http://www.startrekmovie.com/intl/jp/
http://www.imdb.com/title/tt0796366/
ところで、毎度毎度の疑問が今回も再燃だ。ロミュラン星人同士も、バルカン人同士も、会話はすべて英語だ。英語って全宇宙で共通の公用語なのかぁ?
バルカン人同士が英語で話すのは論理的ではありません、艦長。