映画嫌い (430)
2009年6月1日 映画本日のクソ映画は2007年のカナダ映画「アライブ (While She Was Out)」である。
主人公は主婦のデラだ。米国の郊外の新興住宅地で、夫と2人の子供との4人暮らしをしている。デラは片付けられない女だ。クリスマスのその日も家の中がちらかっていて、仕事から帰ってきた口うるさい夫に激怒されて殴られてしまう。
夜になって、デラはひとり、雨の中、車に乗ってショッピング・モールに買い物に出た。クリスマス・プレゼント用の包装紙を買いに。ところが、クリスマス・シーズンなので買い出しに来ている人が多く、ショッピング・モールの駐車場も満杯である。駐車できるスペースを見つけようと、駐車場の中を行ったり来たり。そんな時に、2台ぶんの車のスペースのレーンのド真ん中ににデンと駐車しているマナーの悪い車をデラは発見した。その近くにデラは駐車できるスペースを見つけたが、マナーの悪いあの車にムカついたので、「2つの駐車スペースを占領するとは何て勝手な奴なんだ?」とメモ書きした紙をデラはその車のワイパーにはさみ、そしてモールの中に買い物に行くのだった。
デラが買い物を終えて、自分の車に戻ってみると、あの車の持ち主とその仲間の不良男たち、計4人が待ち伏せしていて、デラにからんでくる。その場を目撃した警備員が不良らを静止させようとしたところ、リーダー格の男は持っていた拳銃で警備員を射殺してしまった。デラは逃げる、逃げる。4人は執拗にデラを追ってくる。車から工具箱を持って森の中に逃げたデラは、工具箱の中の物を使って反撃に出ようとするが・・・。
夜の森の暗闇の中、雨に濡れながら不条理に追われるデラが反撃に出て、ひとり、もうひとり・・・と敵を撃退していくというストーリーだ。随分と前置きの長いストーリーではあるが、ストーリー自体はシンプルだ。
で、この映画には衝撃のドンデン返しがあるとの前評判だったので、期待して見ていたのだが、シンプルにデラは反撃に成功して、敵がひとりづつ次々と死んでしまい、最後にひとり残ったリーダー格の男には手こずったが、結局のところは、奴の拳銃を奪って反撃に成功しちゃうのである。おぃおぃ、いったいどこに衝撃のドンデン返しがあるんだぁ?と思いながら見続けていると、最後の最後にそれっぽいシーンがあって笑っちゃったぞ。身も心もボロボロになったデラがずぶ濡れで家に帰ると、夫がまたまた口うるさい小言を言ってきたので、デラは敵から奪い取った拳銃の銃口を夫に向けて、それでプッツリと映画が終わっているのである。夫をも殺しちゃたんか? それが衝撃のドンデン返しかよ? 夫殺しかよ、クリスマスに。
ちなみに、デラを演じているのがキム・ベイシンガーで、彼女はエグゼクティヴ・プロデューサーとしてこの映画の制作にも関与しているのである。なんでこんな映画の制作に関与しちゃって、自ら主演しちゃったんだろうねぇ?
映画「アライブ」
http://mp.edita.jp/happinet/arv/