映画嫌い (411)
2009年4月9日 映画本日のクソ映画は2009年の米国映画「レッド・クリフ Part 2 (赤壁 下 - Red Cliff II)」である。昨年に公開された「レッド・クリフ」の後編だ。前編・後編に分けるなよなぁ。この映画は明日から日本で劇場公開されるらしい。今後、この映画を見る予定の人は以下を読まないように。
西暦208年、魏の曹操が率いる水軍が長江を下って南下し、蜀と呉の同盟軍と赤壁で対峙する。(以上、前編のあらすじ)
前編の事は以前にここに書いたけど、ど~しょ~もないクズ映画でねぇ、あれの後編なんか見たいとは思わなかったわけであるが、先日、米国の国内を飛行機で長距離移動中に、その飛行機の中で上映された映画が後編なんだもの、こりぁまいったなぁ。興味ないから眠ろうと思ったけれど眠れなくて、結局、最後まで見てしまったじゃないか。
ストーリーの詳細は略。内容は、
(1) 対決の前の両軍の様子。
(2) 伝染病蔓延。
(3) 不足していた10万本の矢を諸葛孔明が3日で集めるエピソード。
(4) 戦闘開始。この季節に一時的に風向きが変わるのを利用して魏を火で攻めて撃退。
の4本立ての構成だ。(1)も(2)も(3)も必要ないだろ。(4)の部分を前編にくっつけて1本の映画にしておけば良かったのにねぇ。
で、(1) だ。魏の軍団がトレーニングしている風景から始まっている。宿営地でサッカーの紅白戦をして、得点が入ると選手や見ている兵士たちがガッツ・ポーズをしているのだ。西暦208年の当時にサッカーやガッツ・ポーズが中国にあったのだろうか?(ちなみに、ガッツ・ポーズの起源はガッツ石松だとする説があるけれど、それは嘘である) 観戦している魏の曹操の顔は、まるで TOKIO のリーダーだな。
(2) では、長江の上流側にいる魏が、伝染病で病死した大量の兵士たちの死体をイカダに乗せて下流に流し、蜀と呉の同盟軍に伝染病をまき散らそうとする、細菌兵器まがいの事を見せている。ところが、伝染病に対する深刻さがまるで描写されていない。さすが、SARSの国だよなぁ・・・と思うのは私だけであるまい。
(3) なんかどうでもいいような事だ。後編ではあまり出番のない諸葛孔明なんだけれど、彼の知恵袋としての存在を示すが為だけのちょっとしたエピソードにしかなっていない。
そして (4) だ。無駄に長過ぎだ。スローモーションの多用しすぎにはイライラしてくる。なんでそこをスローにするんだ?というシーンがめちゃくちゃ多い。その他、呉の女スパイと魏の兵士のひとりが戦場で再会して・・・のシーンなんかも不要だろ。散漫すぎったらありゃしない。
映画「レッド・クリフ Part 2」
http://redcliff.jp/index.html
映画嫌い (412)
2009年4月10日 映画
本日のクソ映画は2008年の米国映画「グラン・トリノ (Gran Torino)」である。クリント・イーストウッドがプロデュースと監督をし、自ら主演している映画である。この映画は今月の25日から日本で劇場公開されるらしい。今後、この映画を見る予定の人は以下を読まないように。
主人公の老人、ウォルト・コワルスキーは妻を亡くし、一軒家に一人暮らしになってしまった。彼はクソ真面目で正義感が強いが、「今どきの若い奴らは・・・」と思う偏屈でイヤなジィさんなのだ。彼は若い時に米軍兵として朝鮮戦争に出兵し、その時に辛い経験をして以来、アジア人を不快に感じ、人種差別的思想を持つようになっていた。そんな性格が災いして、ウォルトは自分の二人の息子とその家族とも良好な関係にない。隣近所との交流関係もなく、隣の家に住んでいるアジア系のバァさんの顔を見かけては、ウォルトは訳もなくイラついていたのだ。
ある時、ウォルトは、隣の家のあのバァさんの家に住んでいる孫、青年・タオ、タオの姉のスーと知り合う。アジア人への偏見のあるウォルトは彼らと深いつきあいをしたくなかったが、スーがとてもフレンドリーで、寡黙なタオがとても真面目で働き者である事に感心し、ウォルトはアジア人のその家族と親しくなる。そのアジア人一家はベトナム系のモン族の出身者で、モン族が集まるホームパーティにもウォルトは参加するのだった。
ところがタオのイトコが不良で、イトコは自分の不良グループにタオを誘おうとし、タオを守ろうとするウォルトが不良グループと対立する。
(中略)
不良グループによってタオの家が銃撃され、スーは襲われてしまった。その様子を見て、ウォルトは自分の命をかけて復讐に向かい・・・。
タイトルが「グラン・トリノ」ってことで、これはフォード社の往年の車の名前だけど、車やレースに関する映画ではない。死にゆく偏屈&頑固ジィさんを見せてプチ感動させる手の映画だ。ウォルトが1972年製のグラン・トリノを持っていて、それが彼の宝物で、ラストシーンではウォルトの遺言でタオがその車を譲り受けるという、何の象徴にもなっていない、どうでもいいようなタイトルなのである。ウォルトがグラン・トリノを乗り回しているシーンなどありゃしない。
ストーリーはかなり地味である。アジア人嫌いのウォルトが隣人のアジア人との心の交流を・・・ってことだろうが、それに不良グループだとか復讐劇ってものを混在させてもなぁ。アジア人一家の交流を見せても、それだけで何も起こらなければ映画としては成立しないから・・・と、無理矢理と付加的にデッチあげられたストーリーに見えてしまうのだ。そのストーリーがちっとも面白くないし、ウォルトのような偏屈人間の私生活を延々と見せられても退屈なのだ。いったい何を見せたい映画だったんだろうね、これ。
映画「グラン・トリノ」
http://wwws.warnerbros.co.jp/grantorino/
主人公の老人、ウォルト・コワルスキーは妻を亡くし、一軒家に一人暮らしになってしまった。彼はクソ真面目で正義感が強いが、「今どきの若い奴らは・・・」と思う偏屈でイヤなジィさんなのだ。彼は若い時に米軍兵として朝鮮戦争に出兵し、その時に辛い経験をして以来、アジア人を不快に感じ、人種差別的思想を持つようになっていた。そんな性格が災いして、ウォルトは自分の二人の息子とその家族とも良好な関係にない。隣近所との交流関係もなく、隣の家に住んでいるアジア系のバァさんの顔を見かけては、ウォルトは訳もなくイラついていたのだ。
ある時、ウォルトは、隣の家のあのバァさんの家に住んでいる孫、青年・タオ、タオの姉のスーと知り合う。アジア人への偏見のあるウォルトは彼らと深いつきあいをしたくなかったが、スーがとてもフレンドリーで、寡黙なタオがとても真面目で働き者である事に感心し、ウォルトはアジア人のその家族と親しくなる。そのアジア人一家はベトナム系のモン族の出身者で、モン族が集まるホームパーティにもウォルトは参加するのだった。
ところがタオのイトコが不良で、イトコは自分の不良グループにタオを誘おうとし、タオを守ろうとするウォルトが不良グループと対立する。
(中略)
不良グループによってタオの家が銃撃され、スーは襲われてしまった。その様子を見て、ウォルトは自分の命をかけて復讐に向かい・・・。
タイトルが「グラン・トリノ」ってことで、これはフォード社の往年の車の名前だけど、車やレースに関する映画ではない。死にゆく偏屈&頑固ジィさんを見せてプチ感動させる手の映画だ。ウォルトが1972年製のグラン・トリノを持っていて、それが彼の宝物で、ラストシーンではウォルトの遺言でタオがその車を譲り受けるという、何の象徴にもなっていない、どうでもいいようなタイトルなのである。ウォルトがグラン・トリノを乗り回しているシーンなどありゃしない。
ストーリーはかなり地味である。アジア人嫌いのウォルトが隣人のアジア人との心の交流を・・・ってことだろうが、それに不良グループだとか復讐劇ってものを混在させてもなぁ。アジア人一家の交流を見せても、それだけで何も起こらなければ映画としては成立しないから・・・と、無理矢理と付加的にデッチあげられたストーリーに見えてしまうのだ。そのストーリーがちっとも面白くないし、ウォルトのような偏屈人間の私生活を延々と見せられても退屈なのだ。いったい何を見せたい映画だったんだろうね、これ。
映画「グラン・トリノ」
http://wwws.warnerbros.co.jp/grantorino/
札幌に戻って、閉鎖しているのを見かけてびっくり。
閉鎖しちゃったんだぁ、札幌の地下鉄「大通」駅のすぐそこにあった「不二家」が3月末で。不二家の不祥事の影響を引きずっていたのかなぁ? JR札幌駅の「札幌駅地下名店街」にあった不二家も昨年の半ばに潰れてしまったものなぁ。札幌には、あと、どこに不二家があったっけ? 琴似、新札幌にあったっけ? 白石っだったか菊水あたりの不二家にファミレスがあったけど、あの店は今も健在なんだろうか?
「大通」駅にあった不二家って、かなり昔からあったような気がする。私が子供の頃にすでにそこにあったような。ひょっとして、地下鉄が開通した1971年からあったのかな?
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/peco1.jpg
あの店舗にはケーキ類販売とレストランの両方があり、場所的に便利だったが、私がその店内に入って利用したのは一度だけで、それは10年くらい前に朝食バイキングをやっていた頃だった。安かったが、そんなに美味しいとは思えなくて、その後に入店したことはない。朝食バイキングもいつの間にか廃止されてしまい、やけに高いメニューばかりになってしまったものなぁ。ほとんどの食事メニューが1000円以上になってしまったんだもの、アレじゃ客は入らないだろう。集客するという経営戦略も全く見えなかった。潰れて当然だと思うぞ。
入店しなくても、店先にあるペコちゃん人形はランドマークとして、何度も利用させてもらったなぁ。待ち合わせ場所として私は使っていたのだ。札幌の「大通」近辺で待ち合わせする場合として便利だったもの。「ぢゃ、大通のペコちゃん前に集合ってことで」と言って、デートの待ち合わせにも使ったっけ。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/peco2.jpg
不二家が閉鎖になって、私としは、あのペコちゃんがなくなったという事だけが残念だ。今後は待ち合わせ場所を指定する時に、「以前にペコちゃんがあった場所に」と言わなきゃならんのだな。不二家の閉鎖後、あのペコちゃん人形はどうなったんだろう? 「ペコちゃん人形の呪い」という都市伝説が生まれるのも時間の問題だろうな。
ところで、あの不二家の隣に「リーブルなにわ」という本屋がある。ペコちゃんで待ち合わせをした時に、待ち合わせ相手が遅れて来る場合、私はその本屋で立ち読みして時間をつぶす事が多い。
その本屋の事は、札幌出身の唐沢俊一氏も実名をあげて自身の著書の中で書いている。彼が中高生だった時のその本屋での出来事だ。その事実を「リーブルなにわ」の経営者は知っていてなのか、知らないのか、唐沢氏のその著書どころか、彼の著書は一冊も店舗には陳列されていないのである。彼の著書以外に関しても、なんだか蔵書がすごく偏向しているなぁ・・・と思うのは私だけであるまい。
映画嫌い (413)
2009年4月14日 映画本日のクソ映画は2000年のドイツ映画「青い相姦 (Der Kuss meiner Schwester)」である。タイトル「青い●●」で想像つく通り、青春プチ・エロ映画で、それも近親相姦ものだ。
ドイツのイナカ街。17才の高校生の少年・マティスは父と二人暮らしだ。そこにマティスの双子の妹・ミーケが留学を終えて戻ってきた。父の再婚話によってマティスとミーケのふたりの心が揺れる中、双子の兄妹は禁断の愛に。ふたりがファックしているのを父が目撃してしまい・・・。
双子の兄妹は役としては17才という設定で、その程度の年齢に見える。実際には何歳の役者なのかわからないが、そんなふたりのファック・シーンがあるんだもの、コレ、いいのかなぁ。性器は見せていないけれど、マティスは全裸で乳首も丸見えだ。随分と若い乳房だなぁ。ドイツでも18才未満の役者のヌードどころか、オトナが演じても子供のファック描写もアウトなんだが、いったいどのような理由でこの映画がその規制をくぐり抜けたのだろう? 近親相姦という禁断の描写より、そっちの方の禁断の子供ものとして気になるよなぁ。ミーケがそんなに可愛くないのでエロスは感じないんだけどね。
激しく動揺する父親はいい芝居してると思うが、肝心のストーリーは全くダメだ。クライマックス・シーンでは、近親相姦が父にバレて、マティスとミーケは駆け落ちしようと汽車に乗るんだけど、追いかけてきた父親に説得されて投降しちゃうのである。それで、次がいきなりラスト・シーンになっていて、なぜかミーケが寄宿舎のある学校に転校する事になって、汽車に乗ってお別れなのだ。ちゃんとストーリーがつながっていないじゃん。どうしてミーケが転校することになったのか、ちゃんと見せていないんだよなぁ。突然、終わっちゃう・・・、この手のトンデモ系の尻切れトンボなストーリー、この傾向、どこかで見たことがあるような・・・と思っていたら、やはりそうか、この映画の日本での発売は、あの「アルバトロス・フィルム」なのである。アルバトロスはこの映画にも手をつけていたのか。アルバトロス、恐るべし!
ちなみに、この映画はポルノとまでは言えない内容なので、子供ポルノがお好きな変態クソ野郎が見てもガッカリだろう。アルバトロスのバカ映画のひとつの形態のサンプルにしかなっていない。だから、こんな映画は無視しような。
映画「青い相姦」
http://www.albatros-film.com/title.phtml?route=&titleid=72
結核の検査に行ってきた。
あの某・女性お笑いコンビの片方が結核に感染していたという、あの騒動の影響なのである。いや、私自身は彼女とは面識もないし、会話したこともない。あのコンビがここ北海道のあるローカル番組(註1)に準レギュラーとして出演していて、今年の2月、その放送局に小用で行っていた私と廊下でスレ違っただけだから、感染している可能性はかなり低いだろう。コンビの相方ですら感染していないんだから。念のためだ。結果は陰性だった。あぁ良かった。結核の恐ろしさは父親から生前によく聞いていたもの。
私の父親が若い頃、結核に感染したのだ。その当時、結核は死亡率も高く、かなり危険でやっかいな病気だったのである。結核菌で肺が侵され、左の肺の半分以上を切除しなきゃならない状況になったと言う。かなりの大手術になる事がわかり、その手術ができる病院が札幌にすらない。それで単身で東京に向かい、東京の某・大病院で手術を受けた。入院は半年以上にも及んだそうだ。父親の背中には、その時の手術の大きな痕が残っていた。背中の右肩あたりから左の脇腹にかけて「ノ」の字を書いたような痕だった。長さは40cm以上あっただろうなぁ。まるで背後から日本刀でバッサリと切り捨てられたような、そんな痕だった。かなり痛々しい傷だ。私はそんな父親の背中を見て育ったのである。だから、平成のこの世になっても、一般の人たちよりも結核の恐ろしさについては私は良く知っているほうだと思う。あの時に父親がもしも結核で亡くなっていたら、私もこの世に存在していなかっただろうねぇ。
父親は左の肺の半分以上を切除したのに、すごいヘビー・スモーカーだった。新築した実家の白い壁が半年で黄色になったほどだ。あれほどのヘビー・スモーカーを私は見た事がない。それほど吸っちゃ、肺ガンになっちゃうよ・・・と親戚や知人に心配されていたが、父親は自分が肺ガンにならない事を知っていた。胃ガンにも、大腸ガンにも、一切のガンにならない事を。結核をやった経験があるからだ。(註2)
そして、その通り、一切のガンにならず、父親は別の病気による衰弱で5年前の5月に逝ってしまった。
父親が生前に言っていた。東京で入院していた時、病室の窓の外に見えた光景が、建設中の東京タワーだったと。(註3)
羽田空港に着陸しようとする飛行機の窓から東京タワーが見えると、私はそんな父親の事を思い出すのだった。
註1:
北海道にUHBというフジテレビ系のテレビ局があって、その局が毎週土曜日の昼12時から生放送していた「どぉーだ」という番組だ。メインがタカ・アンド・トシ(北海道出身)で、週替わりで準レギュラーに、華丸・大吉、ダイノヂ、トータルテンボス、他が交代して登場していた。
3月末で番組は終了し、4月の最終日曜からリニューアルされて放送されるらしい。今後は毎週日曜の午後1時からの放送のようだ。
UHB「どぉーだ」
http://uhb.jp/program/official/doda/do-da_fuafua.html
註2:
結核菌に感染した人はなぜかガンにならない。それは統計学的に検証されている。しかし、なぜなのか、そのメカニズムは医学的には解明されていない。結核菌がガンに対しての何らかの抑制作用があるという説も認められていないのが現状だ。
三十数年前、結核の研究者の丸山博士が「結核患者がガンにならない」という事からひらめいて、結核菌を使って開発したのが「丸山ワクチン」である。夢の抗ガン薬として騒がれ、実際にある程度の効果があったものの、厚生省(当時)はそれを認可しなかったのだ。丸山博士の死後、「丸山ワクチン」の名前も忘れ去られてしまった。
丸山ワクチン・オフィーシャル・サイト
http://vaccine.nms.ac.jp/
註3:
東京タワーの鉄骨は、戦車など軍用に使われた鉄が再利用されて作られている。朝鮮戦争で使われた米軍の戦車のスクラップを買い上げたのだ。
あの某・女性お笑いコンビの片方が結核に感染していたという、あの騒動の影響なのである。いや、私自身は彼女とは面識もないし、会話したこともない。あのコンビがここ北海道のあるローカル番組(註1)に準レギュラーとして出演していて、今年の2月、その放送局に小用で行っていた私と廊下でスレ違っただけだから、感染している可能性はかなり低いだろう。コンビの相方ですら感染していないんだから。念のためだ。結果は陰性だった。あぁ良かった。結核の恐ろしさは父親から生前によく聞いていたもの。
私の父親が若い頃、結核に感染したのだ。その当時、結核は死亡率も高く、かなり危険でやっかいな病気だったのである。結核菌で肺が侵され、左の肺の半分以上を切除しなきゃならない状況になったと言う。かなりの大手術になる事がわかり、その手術ができる病院が札幌にすらない。それで単身で東京に向かい、東京の某・大病院で手術を受けた。入院は半年以上にも及んだそうだ。父親の背中には、その時の手術の大きな痕が残っていた。背中の右肩あたりから左の脇腹にかけて「ノ」の字を書いたような痕だった。長さは40cm以上あっただろうなぁ。まるで背後から日本刀でバッサリと切り捨てられたような、そんな痕だった。かなり痛々しい傷だ。私はそんな父親の背中を見て育ったのである。だから、平成のこの世になっても、一般の人たちよりも結核の恐ろしさについては私は良く知っているほうだと思う。あの時に父親がもしも結核で亡くなっていたら、私もこの世に存在していなかっただろうねぇ。
父親は左の肺の半分以上を切除したのに、すごいヘビー・スモーカーだった。新築した実家の白い壁が半年で黄色になったほどだ。あれほどのヘビー・スモーカーを私は見た事がない。それほど吸っちゃ、肺ガンになっちゃうよ・・・と親戚や知人に心配されていたが、父親は自分が肺ガンにならない事を知っていた。胃ガンにも、大腸ガンにも、一切のガンにならない事を。結核をやった経験があるからだ。(註2)
そして、その通り、一切のガンにならず、父親は別の病気による衰弱で5年前の5月に逝ってしまった。
父親が生前に言っていた。東京で入院していた時、病室の窓の外に見えた光景が、建設中の東京タワーだったと。(註3)
羽田空港に着陸しようとする飛行機の窓から東京タワーが見えると、私はそんな父親の事を思い出すのだった。
註1:
北海道にUHBというフジテレビ系のテレビ局があって、その局が毎週土曜日の昼12時から生放送していた「どぉーだ」という番組だ。メインがタカ・アンド・トシ(北海道出身)で、週替わりで準レギュラーに、華丸・大吉、ダイノヂ、トータルテンボス、他が交代して登場していた。
3月末で番組は終了し、4月の最終日曜からリニューアルされて放送されるらしい。今後は毎週日曜の午後1時からの放送のようだ。
UHB「どぉーだ」
http://uhb.jp/program/official/doda/do-da_fuafua.html
註2:
結核菌に感染した人はなぜかガンにならない。それは統計学的に検証されている。しかし、なぜなのか、そのメカニズムは医学的には解明されていない。結核菌がガンに対しての何らかの抑制作用があるという説も認められていないのが現状だ。
三十数年前、結核の研究者の丸山博士が「結核患者がガンにならない」という事からひらめいて、結核菌を使って開発したのが「丸山ワクチン」である。夢の抗ガン薬として騒がれ、実際にある程度の効果があったものの、厚生省(当時)はそれを認可しなかったのだ。丸山博士の死後、「丸山ワクチン」の名前も忘れ去られてしまった。
丸山ワクチン・オフィーシャル・サイト
http://vaccine.nms.ac.jp/
註3:
東京タワーの鉄骨は、戦車など軍用に使われた鉄が再利用されて作られている。朝鮮戦争で使われた米軍の戦車のスクラップを買い上げたのだ。
札幌ラーメン嫌い 「あらとん」
2009年4月18日 グルメ最近、私が札幌市内で食べてみたラーメンを評価してみた。
味の好みは人それぞれってことで、評価はあくまでも私の個人的な好みで決めている。
私の口に合わなかったとしても、それは個人の感想であり、すべての人にそれがあてはまるわけではないのは当然のことであるし、私が「おいしい」と判断しても、すべての人もそう感じるなんてありえないので、各自で実際に食べて判断することをおすすめする。
さて、毎度、私は書いているけど、また書いておこう。
観光客のみなさん、「ラーメン横丁」や「札幌らーめん共和国」に行くのはやめようね。トンデモないラーメン屋ばかりで、絶対においしいラーメンなんか食べられないから。しょせん観光客向けでしかないから、札幌の地元の人は「ラーメン横丁」には絶対に食べに行きません。
で、悪趣味な私は久々に「札幌らーめん共和国」に寄ってみた。どんな新たなトンデモ店がこの場に出店しているのだろう?という悪趣味な好奇心からである。以前に私がここで酷評したラーメン店「えん楽」、「味の大王」はすでにローティションで「札幌らーめん共和国」から撤退しちゃっていた。そして、新たに場内に開店したばかりの店を発見。それが「あらとん」という店だ。「札幌らーめん共和国」の配布しているパンフレットの中にある記述によると、その店は、魚の「あら」とトンコツの融合をしたスープが売りのようだ。「あら」と「トン」で「あらとん」かよ?・・・と、うなだれながら、さっそく「あらとん」に入ってみたぞ。
メニューを見てちょっとだけ意外だったのは、この店のおすすめはツケ麺らしいってことだ。タレに醤油と味噌の2種類があって、どちらかを選ぶスタイルだ。通常のラーメンは味噌ラーメンしかない。その他には丼ものが数種類あるだけで、非常に選択の幅が狭いなぁ。イケメンぢゃない私がツケ麺を食べるのは違法行為に該当するそうだから、私は素直に味噌ラーメンを注文してみた。800円だ。高いなぁ。
それで、出てきた味噌ラーメン、めちゃくちゃ魚臭いニオイがする。実際に食べてみると、そのスープの味がモロに魚臭い。トンコツの味どころか、味噌の味までその魚臭さで吹っ飛んでいるのだ。「あら」のでしゃばりすぎ。味噌の香ばしさ、クリーミーさが全くない。「あら」の臭さで味噌の風味が死んでいるのだ。全くのミスマッチだ。こんなの味噌ラーメンじゃないでしょ。魚の「あら」は私も大好きで、寿司屋などでは「あら汁」を注文する事が多い。ところが、ここのラーメン店の「あら」の味は臭すぎだ。その味は非常においしくない。まるで魚の入った生ゴミなのである。魚の生ゴミを絞ってスープにしてみましたぁ、ちょっとだけ生ゴミの野菜も混じって・・・ってな感じのなのだ。いったいどんな舌感覚を持った人がこんなおいしくない物を作っているのだろう?と厨房の中を見てしまったもの。いやぁ、これはひどい。世の中にこんなにおいしくないラーメンがあるとはなぁ。
ってことで、私は少々食べて吐き気がしてきたので、ほとんど食べ残したまま、すぐに店を出た。こんなラーメン、ギャラが出たとしても食べたくないぞ。最低である。勿論、評価は0点。さすが「札幌らーめん共和国」だな。思い出しただけで、また吐き気がしてくる。
あらとん
http://searesh.main.jp/araton.html
札幌らーめん共和国
http://www.sapporo-esta.jp/ramen/
追記:
その後、あらとんは早々と札幌らーめん共和国を撤退しましたとさ。
ロシアのロシア料理嫌い
2009年4月19日 日常本場ロシアで初めてロシア料理食べた時・・・、あの時は、状況が悪かった為か、おいしいとは思えなかった。その時の事を書いておこう。
「ソ連」が崩壊して半年後の事だった。あの時、私はイギリスのロンドンから帰国するのに、ロシアの航空会社「アエロフロート」の便を利用したのだ。途中のモスクワで飛行機を乗り換えて、シベリアの上空を飛んで日本に帰る予定だった。だって、そのようにすると、料金が安いんだもの。全日空のロンドン~成田の直通便の半額ぐらいだ。
毎度のように、アエロフロートの飛行機は遅れる。その便もロンドンのヒースロー空港からの離陸が遅れ、その結果、モスクワ着も遅れた。普段でも半日くらい平気で遅れる航空会社だから、30分程度の遅れならば、乗り換えの便の出発も待っていてくれているだろうと思っていた。ところが、モスクワで飛行機を降りて、日本行きの飛行機の搭乗口に走ると、待っていた係りの人は、英語で一言
「Gone(いっちゃったよ)」
とつぶやいたのだ。日本への飛行機は、私を待たずに行ってしまったのだった。早く日本に帰りたい私は、すぐ帰れるように懸命に交渉して頑張ったが、奮闘むなしく、というか、全く相手にされず、結局、2日後のアエロフロート便で日本に帰ることになった。私以外にも日本行きの飛行機に乗れなかった客が数名いて、私たちは団体で空港の近くのホテルに案内されたのだ。
さて、ここで問題が・・・。日本行きの飛行機に乗り遅れた私たち集団は、空港のみに立ち入って飛行機を乗りかえるだけの資格である「トランジット」だったので、入国審査証(ビザ)を持っていないのである。だから、本当はロシアの地を踏んではいけないのだ。
それで、私たちはホテルの部屋に閉じ込められたのだった。部屋の外に出て、通路をふらふらしていると、体格の良い女性のガードマンが「ピピー」と笛を吹き、部屋に戻れと言うのである。ホテルでの唯一の移動は、食事の時だった。私たち集団には見張りを付けられて、ぞろぞろ食堂へ行き、食べ終わるとぞろぞろ部屋に帰るだけである。まさに、軟禁状態、まるで捕虜収容所である。その2日間、全くすることもなくて、旅の疲れから、私は部屋でひたすら寝て過ごした。
あの時、ホテルで食べたロシア料理って、凄くまずかったなあ。あれが本場ロシアで初めて食べたロシア料理だった。料理のおいしいとかまずいのも、気分しだいなんだろうねぇ。
札幌ロシア料理事情嫌い
2009年4月20日 日常ある人と私の2人でロシア料理で会食する約束をしていた。それで札幌の街中にあるロシア料理のレストランを調べてみたところ、札幌にロシア料理のレストランが4軒しかないのに驚いた。それも私が知っている店、行った事のある店ばかりだ。新たな店舗を見つけて開拓をする気だったけれど、それを断念するしかない。こんなにロシアに近くて、人口が190万もある都市なのに、たったそれだけしかロシアン・レストランがないのは何なんだろうねぇ?
札幌の狸小路にある「コーシカ」という店は札幌で最も有名だろう。私が大学生の時にも飲みに行った事もあるシニセだ。ロシア料理でこの店に行くってのは当たり前すぎる。だから、とりあえずこの店は候補から消えた。
それで、「ミール」という店に行こうと思ったのだが、それが潰れてしまったという事実を知人から聞かされて、その店は断念である。そうかぁ、潰れていたんだ。残念だ。真っ白な肌のロシア人のウェイトレスさん、今頃、どこで何をしているんだろうねぇ?
それじゃ、「アンナ」という店にしようと思い、メニューを確認しようと電話してみると、電話が通じない。調べてみたところ、この店も潰れてしまったようだ。う~ん、この店までも・・・。
ってことで次の候補は「カチューシャ」という店だ。先月にこの店で飲食をしたと言う知人がいるので、こちらは大丈夫のように思えた。
そして、前日の夜に、急遽、会食を明日の夜に実行する事に決めたので、予約を入れる事もなく、当日に飛び込みで行くしかなく、待ち合わせをして「カチューシャ」に行ってみたのである。そしてビックリ。この店まで潰れていたぁ! ショックである。パニックである。
それで、仕方ないから「コーシカ」に行ってしまっちゃってねぇ・・・。
「ミール」も「アンナ」も「カチューシャ」も潰れてしまったとは、こりゃぁすごい状況だ。不況、恐るべし! この札幌の街中にロシア料理専門店は「コーシカ」1軒だけだものなぁ。
ってことで、今後、札幌で飲食店を経営しようと考えている皆さん、今の札幌はロシア料理の供給が「コーシカ」しかないから、ロシア料理店の開業は狙い目だぞ。「コーシカ」にしても料理の種類が少なすぎるからさぁ。
イギリスの国営放送BBCがテレビ放送していたドラマ「トーチウッド (Torchwood)」の、やっとシーズン2までの全部を見終えた。シーズン1を見終えたのが昨年のゴールデンウィークの頃だったから、ほぼ1年かけてシーズン2を見た事になる。「忙しくて見る時間がなくてねぇ」という理由でもなく、「面白い!すぐに続きを見たい!」とも思えなかったから、ダラダラと1年もかかっちゃったのだ。この1年間に見たその他のテレビドラマを思い起こしてみても、面白いドラマってなかったなぁ。「ヒーローズ」のシーズン3なんか酷かったねぇ。「ボーンズ」のシーズン3も毎度毎度のアレでしかないし、「ターミネーター:サラ・コナー・クロニクル」のシーズン2も散漫すぎてストーリーがほとんど記憶に残らない。「トーチウッド」は「ヒーローズ」や「ターミネーター:サラ・コナー・クロニクル」よりはややマシだろうね。「ボーンズ」のように各1話で毎回ほぼ完結するストーリーで作られているから、見やすいと言えば見やすい。
で、「トーチウッド」を簡単に説明すると、舞台はイギリスのカーディフという街で、そこに時空の裂け目ってのがあるらしく、それを通ってエイリアンがやってきたり、異次元から未知の装置のようなものがやってきたり、他の時空とつながったり・・・で、それらの事件を解決する秘密組織の名前が「トーチウッド」なのである。警察でもなく、政府の組織でもなく、何の権限があっての事なのか、「トーチウッドだ」と言って、事件の現場の警察の非常線の中に入ってきて調査しちゃうんだから訳がわからんな。
「トーチウッド」のメンバーさんたちの写真がこれ。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/torchwood.jpg
各メンバーさんを簡単に説明しよう。
(1) グウェン
第1話では女性警官だったが、殺人事件を追っているうちにトーチウッドの存在とその秘密を知り、トーチウッドの新メンバーに迎えられる。上の前歯がスきすぎだ。だから、笑うとダイナシになっちゃっている。まるでサンコン氏の前歯みたいだ。矯正するとか、どうにかしたほうが絶対にいいぞ。
(2) スージー
悪に染まってしまったメンバーで、第1話で死んじゃう。この人の死で欠員が生じた為に、グウェンがトーチウッドの新メンバーになる。
(3) イアント
トーチウッドにおける総務課長のような存在。その顔が中村獅童に見えてしまうのは私だけであるまい。
(4) オーウェン
医療系を担当する医師でもあるメンバー。女性大好き。たまぁ~に、顔がスピードワゴン・井戸田に見える事があるのは私だけ?
(5) トシコ
コンピューター、ネット、ハイテク担当の日本人。サトウ・トシコという役名だ。日本人の顔には見えなくて、なんだが中国のイナカ町のマダムのように見えてしまう。演じているのはモリ・ナオコという名前の女優さんらしく、その名前からすると、本物の日本人なのかな?
(6) キャプテン・ジャック・ハークネス
トーチウッドのリーダー。正体不明のままストーリーが進んでしまい、その間に、断片的に素性が見えてくる。それでも秘密が多過ぎて、つかみ所がないんだよなぁ。どうやら、第2次世界大戦にも兵士として出兵したこともあるほどの年齢のようで、不死身のカラダをしているようだ。21世紀は変革の時・・・人類の未来を救う為に・・・という使命感でトーチウッドを率いている。ってのは、未来をも知っているってことなのか? 顔は若い頃のカール・セーガンにトム・クルーズをちょっとだけ足したような感じで、「トーチウッド」に出てくる唯一のイケメンか。
ストーリーは若干「X・ファイル」っぽい部分はあるものの、イギリスっぽい香りがするのでそれとの違いは大きい。ストーリーに登場してくる未知の装置ってのが、ドラえもんのポケットの中から出てくる物に近いような気もする。カーディフにある時空の裂け目はドラえもんのポケットにつながっているのかもしれないな。
シーズン2まで見終えて、まぁまぁ面白いと評価しておこう。しかし、メンバー間の人間関係が私はイヤだな。彼氏と同棲しているグウェン(シーズン2では結婚)がオーウェンとファックしちゃうし、オーウェンが次にトシコに気があるようになったり、そ~いうのはまだマシで、リーダーのジャックがイアントと男同士であっちの関係になっているのには吐き気がしてきたもの。配役とはいえ、男同士で行為しちゃう役者さんってすごいよなぁ。私なら絶対に無理だろう。ってことで、「やおい系」の「腐女子」の皆さん、このテレビドラマ、見てみる?
テレビドラマ「トーチウッド」
http://www.bbcjapan.co.jp/dvd_video/drama/torchwood.html
http://www.bbcamerica.com/content/262/index.jsp
http://torchwood-five.org/index.html
追記:
その後に知ったのであるが、ジャックを演じている俳優さん、私生活においても同性愛の人だったのだ。そ~ぅかぁ~、同性愛という趣味・嗜好があるのなら、このドラマでの同性愛もこの俳優さんにとってはヘッチャラっていうか、趣味と実益を兼ねているんだ。う~ん、この人、私生活のベッドの上では男役(相手の肛門に挿入する側)なのか、女役(肛門に挿入されちゃう側)なのか気になる。当番制で、日替わりで役を交代したりするのだろうか? どっちの役をするのか、そのたびにジャンケンで決めていたりして。
それなりのイケメン男なのに、いったい何が彼を同性愛に走らせたのだろうか? 他人事ながら気になるぞ。
映画嫌い (414)
2009年4月29日 映画
本日のクソ映画は2009年の米国映画「モンスターVSエイリアン (Monsters vs. Aliens)」である。。現在、米国でヒットしているCGアニメだ。日本では7月11日より劇場公開されるらしい。
スーザンは自分の結婚式の日を迎えた。ところが、突然と空から落ちてきた隕石に接触してしまい、その影響で、教会での結婚式の最中にカラダが巨大化してしまった。身長が10倍近くになり、教会の天井を突き破ってしまう。そこへ軍隊が出動してきて、スーザンは捕えられ、モンスターを収容している秘密基地に監禁されることになる。その基地にはすでに4匹のモンスターがいて、スーザンも新種のモンスターだと思われてしまったのだ。
そんな時、地球を侵略しようとしているエイリアンがロボットを地球に送り込んできた。敵に立ち向って人類を救えるのはモンスターたちしかない・・・ってことで、大統領の司令によってモンスターたちが出動させられる。モンスター対エイリアン・・・。
どうでもいい映画だ。子供向けのアニメぢゃん・・・と一蹴できる内容である。ストーリーはシンプル。だから味わいもなく深みもない。コメディとしても笑いのレベルが滅茶苦茶に低い。最近、この手のCGアニメがやけに多く、それらを見て感じてしまう「なんでCGアニメでやらなきゃなかったんだ?」という疑問を私はこの映画にも感じてしまった。フルにCGアニメで作ったというその方法は、CGという特性を充分に発揮できているようにも見えないし、なんだか手段と目的を履き違えているように思える。ワイヤー・アクションで力学的にありえないカンフーを見せる映画のつまらなさと同じようなバカバカしさをこの手の映画に感じてしまうのだ。CG技術を見せたいのなら、SIGGRAF でやってりゃいいんだよ。
で、この映画、いろいろな映画のパロディを見せているんだけど、どれもが浅過ぎて、パロディの面白さすら薄いのだ。だから、オトナが見てもぜんぜん面白くない。パロディに使われている「ハエ男の恐怖」っていう映画、子供は知らんだろ。それのリメイク版の「フライ」っていう映画さえも知らんだろうなぁ。タイトルは忘れてしまったが、宇宙から隕石に乗ってやってきたオレンジ色のゼリー状の生命体が次第に巨大化して映画館を飲み込んでしまうっていうやつ、確か主演はスティーヴ・マックィーンだったなぁ、それのパロディもある。
私がコケたのは、大統領がエイリアンのロボットの前で友好をアピールしようとして、シンセサイザーで「未知との遭遇」のメロディを弾こうとするシーンだ。だって、使っているシンセサイザーがヤマハの DX-7 なんだもの。1980年代の半ばに一世を風靡した名器である。デジタル・シンセの先駆だった。実は私も当時に DX-7 を買って、今でもそれを持っているのである。今となっては時代遅れの20年以上前のシンセなんだけど、それを今どき映画の中、それもCGアニメの中でなんか見るとは思ってもいなかったから、おもいっきりコケたぞ。ちなみに、実際の DX-7 では、この映画の中で大統領がやっているような、外部のシーケンサーのスタートをパネルからコントロールできないし、ピッチ・ベンターであのような使い方もできない。液晶ディスプレイの表示内容も実際とはまるっきり違っている。そのシーンだけでもツッコミどころ満載なのだ。
映画「モンスターVSエイリアン」
http://www.mon-eri.jp/
ヤマハ DX-7
http://www.yamaha.co.jp/design/products/1980/dx7/
http://www.vintagesynth.com/yamaha/dx7.php
スーザンは自分の結婚式の日を迎えた。ところが、突然と空から落ちてきた隕石に接触してしまい、その影響で、教会での結婚式の最中にカラダが巨大化してしまった。身長が10倍近くになり、教会の天井を突き破ってしまう。そこへ軍隊が出動してきて、スーザンは捕えられ、モンスターを収容している秘密基地に監禁されることになる。その基地にはすでに4匹のモンスターがいて、スーザンも新種のモンスターだと思われてしまったのだ。
そんな時、地球を侵略しようとしているエイリアンがロボットを地球に送り込んできた。敵に立ち向って人類を救えるのはモンスターたちしかない・・・ってことで、大統領の司令によってモンスターたちが出動させられる。モンスター対エイリアン・・・。
どうでもいい映画だ。子供向けのアニメぢゃん・・・と一蹴できる内容である。ストーリーはシンプル。だから味わいもなく深みもない。コメディとしても笑いのレベルが滅茶苦茶に低い。最近、この手のCGアニメがやけに多く、それらを見て感じてしまう「なんでCGアニメでやらなきゃなかったんだ?」という疑問を私はこの映画にも感じてしまった。フルにCGアニメで作ったというその方法は、CGという特性を充分に発揮できているようにも見えないし、なんだか手段と目的を履き違えているように思える。ワイヤー・アクションで力学的にありえないカンフーを見せる映画のつまらなさと同じようなバカバカしさをこの手の映画に感じてしまうのだ。CG技術を見せたいのなら、SIGGRAF でやってりゃいいんだよ。
で、この映画、いろいろな映画のパロディを見せているんだけど、どれもが浅過ぎて、パロディの面白さすら薄いのだ。だから、オトナが見てもぜんぜん面白くない。パロディに使われている「ハエ男の恐怖」っていう映画、子供は知らんだろ。それのリメイク版の「フライ」っていう映画さえも知らんだろうなぁ。タイトルは忘れてしまったが、宇宙から隕石に乗ってやってきたオレンジ色のゼリー状の生命体が次第に巨大化して映画館を飲み込んでしまうっていうやつ、確か主演はスティーヴ・マックィーンだったなぁ、それのパロディもある。
私がコケたのは、大統領がエイリアンのロボットの前で友好をアピールしようとして、シンセサイザーで「未知との遭遇」のメロディを弾こうとするシーンだ。だって、使っているシンセサイザーがヤマハの DX-7 なんだもの。1980年代の半ばに一世を風靡した名器である。デジタル・シンセの先駆だった。実は私も当時に DX-7 を買って、今でもそれを持っているのである。今となっては時代遅れの20年以上前のシンセなんだけど、それを今どき映画の中、それもCGアニメの中でなんか見るとは思ってもいなかったから、おもいっきりコケたぞ。ちなみに、実際の DX-7 では、この映画の中で大統領がやっているような、外部のシーケンサーのスタートをパネルからコントロールできないし、ピッチ・ベンターであのような使い方もできない。液晶ディスプレイの表示内容も実際とはまるっきり違っている。そのシーンだけでもツッコミどころ満載なのだ。
映画「モンスターVSエイリアン」
http://www.mon-eri.jp/
ヤマハ DX-7
http://www.yamaha.co.jp/design/products/1980/dx7/
http://www.vintagesynth.com/yamaha/dx7.php