映画嫌い (454)
2009年7月22日 映画本日のクソ映画は2009年のフランス映画「テイクン (Taken)」である。
主人公はロス・アンジェルス在住のブライアン。以前は米国の国家組織で働くエージェントだったが、今は有名歌手の警備の仕事をしている。彼は離婚をして、元妻のレノラは富豪と再婚し、17歳の娘・キムもレノラと一緒に富豪の家で暮らしている。ブライアンは別れて暮らしている娘の事を今でも愛してやまない。
そんな娘が旅先のパリでアルバニア系の人身売買組織に拉致されてしまった。娘は薬漬けにされて売られようとしているのだ。それを知ったブライアンの怒りがメラメラと燃えあがり、娘を救出しに単身でパリに渡る。手がかりを得て、ブライアンは組織のアジトに乗り込み、娘のためなら何でもやるぜ!のオヤジ・パワーが炸裂。次々に組織の奴らを始末する。人身売買オークションに出品させられた娘は・・・。
これ、リュック・ベッソンが関係している映画だよねぇ。いかにも彼らしいストーリー、カメラワーク、演出、編集なんだもの、知らないで見ていても、彼の名前がピンと来たじゃないか。
それで、家族の為に戦うオヤジってのは、20年前ならシュワルツェネガーとかスタローンが演じそうな役で、武道系にしちゃってスティーヴン・セガールに演じさせても違和感のないような内容なんだけど、それをマッチョでも何でもないフツーのオヤジ系の役者に演じさせちゃって、それをどう評価するかだろうなぁ。私は悪くはないと思うが、ちょっと線が細く感じてしまった。娘のためにオヤジがターミネーターと化すってのは、わからんわけじゃないけど、銃で撃ちまくり、殺しまくり、自作の電気イスで悪党を拷問したり、車も平気で盗む・・・という違法行為の繰り返しに、いくらなんでも、あんた、やりすぎでしょぅ・・・と思うのは私だけであるまい。
私が最も気になったのは、ストーリーと何も関係ないシーンなんだけど、始まって5分くらいの部分の、ブライアンのオヤジ仲間3人がブライアンを元気付けようと一人暮らしのブライアンの家にやってきて、深夜にバーベキューをやっているシーンだ。そのオヤジの中のハゲ頭の1人が着ている白いアロハ、私の持っているやつと全く同じガラなのだ。確か、私はそれをロスのショッピング・モールで買ったはずなんだけど、この映画のスタイリストさんも同じ店で買ったのだろうか? どうでもいいことだけど、私って、そ~いうのって気になっちゃう年頃なんだよなぁ。
映画「テイクン」
http://americatvfilmnotes.web.fc2.com/Taken.html
この映画をスティーヴン・セガールに演じさせたとしたら、邦題は「沈黙の人身売買」か? 最近のスティーヴン・セガール映画の邦題は漢字2文字にするのが慣例になっているようだが、適している漢字2文字が浮かばないなぁ。
追記:
この映画は日本では2009年8月22日から「96時間」という邦題で劇場公開される予定があるようだ。「96時間」ってのはセリフの中に出てくるんだけど、人身売買組織に拉致された場合、大抵の場合は96時間で売り飛ばされるという、救出のタイムリミットのことである。だからといって、こんな邦題にするのには無理があるぞ。
映画「96時間」
http://movies.foxjapan.com/96hours/