映画嫌い (176)

2007年5月2日
 
本日のデス映画は2006年の米国映画「主人公は僕だった (Stranger Than Fiction)」である。来週の週末から日本でも劇場公開されるようだ。
今後、この映画を見ようと思っている方は、以下を読まないように。
 
主人公は独身の税務署員のハロルド・クリック。ハロルドは毎日、同じ時刻に起床し、同じ回数の歯ミガキのブラッシングをして、同じ歩数でバス停まで歩き、いつもと同じ時刻のバスに乗って職場へ通う。そんな彼の規則正しい日常を解説するナレーションの声が映画の中で続く。

ある日、ハロルドは税金を滞納しているパスカルさんのパン屋を訪問する。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/strangerthan2.jpg
パスカルさんに未納分の納税を求めるが、彼女は支払いを拒否する。なぜかハロルドはそんな彼女に恋をしてしまうのだった。次第にふたりはラブラブな関係になる。ハロルドのそんな行動を解説するナレーションの声が更に映画の中で続く。

ところが、そのナレーションの声がハロルドには聞こえはじめたのだった。まるで誰かが自分の行動を監視してそれを解説しているような・・・。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/strangerthan1.jpg
今までに聞いた事もない女性の声だ。その声はハロルド本人にしか聞こえず、まわりの人には聞こえないのだった。
そのナレーションの中に、こんな言葉があった。
「彼のこの無意味に見える行動が、彼を死という運命へ導いていることを、彼自身は知るよしもありませんでした。」
ハロルドは自分がもうすぐ死ぬ運命にあるのではないかと心配になり、彼は精神カウンセラーに相談すると、精神障害の疑いがあると言われ、大学のヒルバート教授を紹介される。ヒルバート教授によるカウンセリングが始まる。クセのあるヒルバート教授を演じているのがお馴染みのダスティン・ホフマンである。
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一方、カレン・アイフルという名前の女流作家がいた。新しい小説の出筆中だ。なかなか彼女の出筆作業が進まないので、シビレを切らした出版社は彼女の元に助手を派遣してきたところだった。カレンはその新作小説の中で最後に主人公が死んでしまってそれで終わりにしようと考えているのだが、主人公にどのような死に方をさせたら良いのか悩んでいた。飛び下り自殺が良いのか、交通事故死が良いのか・・・。
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大学のヒルバート教授の部屋を訪問したハロルドは、その部屋のテレビに映し出されているカレンの姿を偶然と見かけ、ナレーションの声がカレンの声と同じである事にハロルドは驚く。ヒルバート教授によると、そのテレビの映像は何年も前のテレビ番組をビデオに録画したもので、最近は彼女は小説を出しておらず、今どこで何をしているのか知る人もいないらしい。ハロルドはカレンと会ってみようと思い、現在の彼女の居場所を探し出し、訪問してみると・・・。
 
カレンはハロルドの姿を見て愕然とする。自分が小説の中で描写していた主人公そのものの姿・格好だったのだ。カレンが小説の続きをタイプライターで打ち込むと、その内容と同じことがハロルドの身に起こる。ハロルドはこれまでカレンが書いてきたその小説のコピーを受取り、その小説の主人公が自分自身であることを知る。なぜに小説の中と現実がリンクしちゃっているのか、カレンにもハロルドにもわけがわからない。このまま、カレンが小説の中で主人公が死んでしまう続きを書くと、ハロルドも死んでしまうのか・・・?
 
 
この映画、つまらないなぁ。映画のナレーションの声が主人公に聞こえてくるってなアイディア、それだけで押し切った映画に見えてしまうから、とてつもなく面白くない。米国の短編ミステリー・シリーズの「世にも不思議なアメージング・ストリー」シリーズ、「トワイライト・ゾーン」シリーズ、「フロム・ザ・ダーク・サイド」シリーズの中にでも出てきそうな物語である。日本のテレビ番組で言えば「世にも不思議な物語」だな。

映画の途中までの見せ方は、ハロルドの件が「劇中劇」のようになっていて、それがカレンの書いている小説の中の出来事のような感じに見せている。ところが、カレンとハロルドが面会することによって、ハロルドの件が「劇中劇」ではなくて、ハロルドもカレンも同じ次元の世界にいるという、一種のサプライズになっているのだ。驚くカレンの姿は、いい演技しとるなぁ・・・ってな感じに見えるけれど、見ているこっちとしては全然サプライズしないんだもの。単に「なんでやねん」である。

で、結局、ハロルドは死んでしまうのか?ってなことになってしまい、それを回避させる方法ってのは、誰でも想像する通り、カレンが小説の中で主人公を死なせなきゃいいぢゃん、それだけである。まさか、単にそれだけかよ?ってな感じで映画の続き見ていたら、本当に単にそれだけだったのだ、アホらしい。あまりにもくだらなくて、下痢しているんじゃないんだけれど再度の便意をもよおしてきた。
 
原題は「フィクションより不思議な」ってな意味だけれど、なんでその不思議なことが起こっているのかは、一切、説明も解明もされていない。邦題を「主人公は僕だった」だなんてのにすり替えるのはいかがなものか?
 
 
映画「主人公は僕だった」
http://www.sonypictures.jp/movies/strangerthanfiction/index.html
 
 

 
バックの音楽に、一瞬、ヴァンゲリス(Vangelis)の曲が使われていた・・・と気付いたのは私だけであるまい。主人公にはバックの音楽は聞こえてこないのだろうかぁ?

ヴァンゲリスと言えば、映画「炎のランナー」、「南極物語」、「ブレードランナー」なんかのテーマ曲でお馴染みなんだけれど、テレビのワイドショー番組でよく使われているこの曲
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/spiral.mp3
もヴァンゲリスである。「Spiral」というタイトルの曲だ。
 

 
 

Gコード嫌い (7)

2007年5月12日
 
Gコードの最小の数を見つけるこのコーナー、最終回なのだ。
なぜに最終回なのかって?
だって、最小数「1」を見つけてしまっちゃったんだもの。今月の1日の20時からの某局の番組が「1」だった。
Gコード「0」ってのが存在しうるのかどうか知らないけれど、これにてGコード最小値探査委員会は解散。
 
 

 
 

 
 
久々にそっくりさんシリーズである。
 
1910・フルーツガム・カンパニーというバンドの「バブルガム・ワールド」って曲が「サザエさん」のエンディング曲にそっくり!
・・・であることを私は数年前にここで指摘したことがある。その後にフジテレビの某・人気テレビ番組でもその曲のことがネタになって、その直後には「バブルガム・ワールド」の曲名で検索してここへのアクセスしてきた人が非常に多かったわけだが、実は「サザエさん」のエンディング曲にそっくりな曲がもう1曲あるのだ。
イタリアのパンク系のロック・バンド「デシペル (Decibel)」の1978年の曲で、タイトルは「Col Dito... Col Dito」である。
このページ
http://www.clubpeterpan.it/images/discografia/Promo.htm
の一番上に掲載されているCDの7曲目がそれだ。
 
では、実際に聴いてみよう。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/coldito.mp3
 
 
ちなみに、メキシコに同名の「デシベル」ってバンドがあるけれど(RIO系のプログレ・バンドだ)、それとは無関係のバンドである。
 
 

追記:
ここでも聴くことができる。
http://www.youtube.com/watch?v=YzZzopW-INw
 
 

 
 

映画嫌い (177)

2007年5月15日
 
本日のデス映画は2007年の米国映画「スパイダーマン 3 (Spider-Man 3)」である。
 
大雑把な映画を作りやがるなぁ、ったくもぉ〜。
今回のピーター(スパイダーマン)の敵は、
(1) 隕石に乗って宇宙からやってきた謎の黒い粘性液状生命体。
(2) ピーターの叔父を殺した真犯人の男。
(3) 父親の仇としてピーターへの復讐に燃える元親友・ハリー。
(4) ピーターへの復讐に燃えるもうひとりの男・エディ。
なんだけれど、その4つを詰め込みすぎちゃって、すっごく散漫なのだ。
(1)の生命体がピーターに寄生して、ピーターが邪悪な心を持ったり、(2)の男が刑務所から脱獄して逃亡中に素粒子物理実験施設に侵入してしまい、素粒子実験に巻き込まれて砂の怪物になっちゃったり、その後に(1)が(4)に寄生してパワーアップして、その上で(2)と手を結んでスパイダーマンと戦ったり・・・と、ハチャメチャになっている。更にはピーターと彼女・MJとのスレ違いなんかも出てくるわけで、こんな散漫すぎる映画ってめったにありゃしない。
特に、(1)に寄生されたピーターの表現が貧弱で腰砕けものだ。単に色が黒いスパイダーマンになるだけじゃんか。あっさりと寄生状態から元に戻っちゃうのも、果てしなくマヌケである。
それで、(1)+(4)と(2)によってスパイダーマンが抹殺されそうになったところで、出てくるなぁ・・・と思っていたら、案の定、(3)がスパイダーマンを助けにやってきた。こんな、誰にでも思いつくことをやるなよなぁ。最後には(2)が善人ってことになっちゃうし、バカバカしいったらありゃしない。
 
それにさぁ、相変わらず、ピーターには人間としてもヒーローとしても魅力がないし、それ以上に、MJに魅力が全然ないじゃないか。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/spiderman3.jpg
こんな女性をなんでヒロインにしちゃうんだろうか? 「スター・ウォーズ」のレイヤ姫と並んで、映画界では最も魅力のないヒロインだ。 ピーターよ、こんな娘に惚れるなよなぁ、お前、マニア系かぁ?
ピーターのアパートの大家の娘・ウルスラのほうが可愛いじゃんか。
 
ったくもぉ〜、こ〜いう映画を作るなよなぁ・・・。
 
 
映画「スパイダーマン 3」
http://www.sonypictures.jp/movies/spider-man3/index.html
 
 

 
 

 

新曲嫌い

2007年5月16日
 
本日もヒミツの日記のみ。
 
 

映画嫌い (178)

2007年5月17日
 
本日のデス映画は2006年の欧州映画「パフューム ある人殺しの物語 (Perfume: The Story of a Murderer)」である。ベストセラー小説の映画化だ。
 
舞台は18世紀半ばのパリ。主人公は孤児のジャン・バティスト・グルヌイユ。彼は生まれながらに犬なみの超人的な嗅覚を持っていた。13才まで醜悪な環境の孤児院で暮らし、その後に奴隷として売られ、過酷な肉体労働をさせられていたのだった。
 
ある時、重荷の配達の作業で親方に連れられて街へ出たグルヌイユは、街の中にあふれる様々な香り魅了される。その場を通行した果物売りの女性の香りに惹かれ、グルヌイユはその女性を尾行する。悲鳴をあげそうになった女性の口を手でふさいだところ、その女性は死んでしまった。グルヌイユは彼女を全裸にして、全身の匂いを嗅ぎまくる。ニオイ・フェチの変態男だ。
 
ある時、グルヌイユは配達の用事で香水店を訪問した。その香水店の経営者・バルディーニはかつて香水の調合師として大ヒット商品を出して富を得ていたが、その後はヒット商品もなく、客が来ない店はさびれていた。
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グルヌイユはその超人的な嗅覚で、バルディーニがその時に研究していた製品の成分を言い当てる。驚くバルディーニ。その上、グルヌイユは自己流の調合でそれと全く同じ香りの香水をその場で作ってみせた。驚愕するバルディーニ。
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それが縁で、バルディーニはグルヌイユを弟子として迎え、グルヌイユは本格的に香水の調合法、花からの原液の抽出法などを学ぶ。グルヌイユの調合により新たなヒット商品が生まれ、店も繁盛するのだった。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/perfume3.jpg
 
そして、グルヌイユは究極の香水を求めて旅に出た。旅先の街の香水製造工場で下働きをしながら、彼が密かに研究して製造した香水とは、女体を原料としてそのカラダから原液を抽出するものだったのだ。グルヌイユは原料を求めて次々に女性を殺していく。次々に見つかる女性の全裸死体。連続殺人に街は騒然となる。
 
グルヌイユが狙っていたのは、街の有力者の娘・ローラだ。危険を察知したローラの父親はローラと一緒に避難して街を出るが、
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犬なみの嗅覚でグルヌイユはローラを追う。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/perfume5.jpg
そして、グルヌイユはローラを襲い、原液を抽出するのだったが、その後に彼は警察に捕らえられる。グルヌイユは公開処刑されることになった。
 
公開処刑の日、街の住人たちは憎き連続殺人犯の処刑を見るために処刑場に集まっていた。そこへ連行されたグルヌイユは、隠し持っていた香水を自分の体に塗る。その匂いに群集は魅了される。その匂いを嗅いた処刑執行人は「この人は無実だ」と言い、教会の司祭は「天使だ」と言う。群集はひざまずき、熱狂的にグルヌイユを支持する。グルヌイユはカリスマになった。スーパースターだ。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/perfume6.jpg
そして、その匂いでトリップした住人たちは、次々に服を脱ぎ捨て、男女入り乱れてまわりの人と愛し合い、その場は大乱交会場と化す。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/perfume7.jpg
ローラの父は「俺は騙されないぞ」と剣を持ってグルヌイユの前に立ちはだかるのだが、結局は匂いに負けてひざまずく。
皆がトリップして乱交しちゃっているスキにグルヌイユは逃亡し、彼はパリに帰るのだった・・・。
 
 
おぃおぃ、女体から抽出した究極の香水って麻薬だったんかい?
なんで臭覚異常過敏特異体質のグルヌイユ自身はその匂いでトリップしないんだ? 通常の臭覚の群集でさえあのようになるんだから、グルヌイユの臭覚だったらその匂いで彼はショック死するんじゃないのかぁ?
それに、なんでグルヌイユの前に立ちはだかったローラの父は、服を脱いでグルヌイユとファックしないんだ?(あまり見たくないシーンだが)
 
それにさぁ、なんでグルヌイユは警察に捕まるんだぁ? なんで警察が近付いて来ていることを匂いで察知できなかったんだぁ? 匂いで人や物体の動きをも関知できるグルヌイユなのに、なんか矛盾しているんだよなあ。
 
最も気になるのは、臭覚が凄い体質と、凄い香水を作れるってのは別のハナシじゃねえのぉ? ってことだ。
たとえば、凄い味覚を持った人がいたとしても、その人が必ずしも名料理人になれるわけじゃないし、凄い音感を持った人が凄い作曲家になれるわけでもない。大活躍したプロ野球の名選手が必ずしも名監督になれるわけでもないでしょ。だから、素直にこのストーリーを認められないんだよなぁ。
 
で、パリに戻ってからのグルヌイユのシーンが、まるでオマケのように最後に付いているんだけれど、それが実にくだらない。そんなラストにするなよなぁ。それで終わりかよ?って思ってしまうのは私だけであるまい。
 
それにさぁ、毎度毎度の素朴な疑問なんだけれど、なんで18世紀のフランス人たちが全て英語で会話しちゃっているのだろうか?
 
 
映画「パフューム」
http://perfume.gyao.jp/
http://www.imdb.com/title/tt0396171/
 
 

 
舞台となっているのは1760年代の半ばだろうから、フランス革命よりやや前の、マリー・アントワネットのあの時代だ。ってことで見ていると、この映画の中にも、その時代にはありえないオーパーツなものがいくつか出てくる事に気がつく。
この映画を見た人はいくつ気がついたかな?
 

 

映画嫌い (179)

2007年5月19日
 
本日のデス映画は2007年の米国映画「ホリデイ (The Holiday)」である。
 
恋に破れたふたりの女性。一方は英国のロンドンの郊外に住むアイリス。もう一方は米国のロスに住んでいるアマンダ。この傷心のふたりが2週間の休暇中だけ互いの家を交換することになった。
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しょ〜もない映画だなぁ。どちらの女性にも全く魅力ってものがない上に、その住居交換生活はロクなストーリーもないまま終わってしまう。なんだったのぉ、これ〜ぇ?なのだ。とてつもなく退屈だ。退屈すぎて暇つぶしにもならない映画だ。
英国にやってきたアマンダはアイリスの兄と早々とファックしちゃうんだもの、アホらしいったらありゃしない。そんな腐った肉体系恋愛ごっこの男女の姿を見せられるのは不快なだけだ。その後もその男女の意味もない会話を長々と見せられちゃって、いや〜な気分でいっぱいになる。こ〜いう時に殺意ってのが芽生えるよなぁ。
ロスに来たアイリスのほうは、近所の老人と交流したりのまったりとして生活がメインで、非常に眠気がしてくる。マイルズ(アマンダの仕事仲間の男で、映画音楽の仕事をしている)との恋愛ごっこにも生アクビが出てきた。このようなストーリーにいったい何の意味があるんだろうねぇ?
 
ところで、気になったのだが、以前は映画の中のシーンで使われるパソコンって、ほとんどがアップル(Apple Computer)のマック(Macintosh)だったわけ。パワーブック(PowerBook)シリーズや、iMacシリーズや、アップルの大型の液晶ディスプレイなんかが映画の中で使われているシーンを何度も見かけた。パソコンのディスプレイに表示されているのはマックのOSのそれではなくて、架空のGUIである事もあったけれど、マックが映画の中のパソコンをほぼ独占してきたようなものだった。
ところが、最近は映画の中でソニーのパソコンを見かけることが多くなってきた。
この映画の中でも、アイリスが使っているノートパソコンがソニーのVAIOだもの。
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その他にもソニー製品が映画の中に登場している。
例えば、アイリスの自宅にあるステレオがソニーだ。
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マイルズの自宅にある2台の液晶ディスプレイがどちらもソニーだ。
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そうだよなぁ、この映画って「コロンビア(Columbia Pictures)」が配給している映画だものなぁ。現在、コロンビアはソニー系の「ソニー・ピクチャーズ・エンターテイメント(Sony Pictures Entertainment)」社が権利を所有している、ソニーの傘下の映画会社だものなぁ。
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おぉっと、アマンダの自宅の電話はパナソニックだな。
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ソニーって家庭用電話は作ってなかったか。
 
でも、携帯電話がソニー・エリクソンではないのは・・・?
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映画「ホリデイ」
http://www.holiday-movie.jp/top.html
 
 

 
ロスでアイリスとマイルズがDVDショップに行くシーンがあって、マイルズは「炎のランナー (Chariots of Fire)」のDVDのパッケージを手に取って、そのテーマ曲を口ずさみ、こんな事を言う。
「ヴァンゲリスの音楽だよ。彼は電子音楽を取り入れた草分け的な存在なんだ。」
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/theholiday9.jpg
いや、ちがう。確かに「炎のランナー」の音楽はヴァンゲリス(Vangelis)だが、ヴァンゲリスを「電子音楽の草分け」と言うのは誤りだ。ヴァンゲリスが電子音楽をやり始めたのは1972年頃で、電子音楽としては後発にあたるのだ。
では、電子音楽の歴史を簡単に振り返ってみよう。1960年代の初頭から現代音楽・前衛音楽の分野では電子発振器として既にシンセサイザーは使われていた。1960年代の半ばにロバート・モーグ博士(Dr. Robert A. Moog)が鍵盤付きのモーグ・シンセサイザー(Moog Synthesizer)を開発した後にそれが現代音楽以外のジャンルで徐々に使われるようになり、1969年にウォルター・カルロス(Walter Carlos、後に女性に性転換してウェンディ・カルロス Wendy Carlos に改名)が「スィッチト・オン・バッハ (Switched on Bach)」を発表し、それが一世風靡している。映画音楽としては、ウォルター・カルロスは1971年に映画「時計じかけのオレンジ (Clockwork Orange)」の音楽も担当している。「電子音楽の草分け」とは彼(彼女)のような人物を言うのだ。
また、1969年にはドイツで電子音楽グループの「タンジェリン・ドリーム (Tangerine Dream)」が結成されて、「エレクトリック・メディテーション (Electric Meditation)」という電子音楽作品を出しているし、同じ頃のドイツにはその他にもクラスター(Kluster, Cluster)、ポポル・ヴー(Popol Vuh)などの電子音楽グループが誕生している。
同じく1969年にはビートルズ(The Beatles)がLP「アビー・ロード(Abbey Road)」の中の数曲でシンセサイザーを使用し、ジョージ・ハリスン(George Harrison)は電子音楽のソロ・アルバムをも発表してる。続いて、1970年にキース・エマーソン(Keith Emerson)がグレッグ・レイク(Greg Lake)と結成したバンド「エマーソン・レイク&パーマ (Emerson, Lake and Palmer)」でシンセサイザーが本格的に導入されて、それで一気にシンセサイザーが認知されるようになった。
その1960年代末から70年代初頭の時期、ヴァンゲリスはまだシンセサイザーを使用していない。その時期、ヴァンゲリスはフランスで「アフロディテス・チャイルド (Aphrodite’s Child)」というレトロなポップスを演奏するバンドを結成して、「雨と涙 (Rain and Tears)」というヒット曲を出してるのだ。ピアノとハモンド・オルガンを使った古めかしい音楽で、全然、電子音楽なんかじゃないんだもの。
ヴァンゲリスが「電子音楽の草分」だなんてウソを、映画音楽のプロの役の人物が言うなよなぁ! 自宅にミニ・ムーグ(Mini-Moog)すら置いていない映画音楽の奴ってウソくさいよなぁ。
 
ヴァンゲリスが在籍していたバンド「アフロディテス・チャイルド」の1970年の音を聴いてみたいかたは、こちらから勝手にダウンロードをどうぞ。
http://www.megaupload.com/?d=FSDSFR3X
 
ちなみに、ヴァンゲリスの動画はこちらで見られる。
http://www.youtube.com/watch?v=zoEkyBX7qsg
http://www.youtube.com/watch?v=Y0D3x4WkxuM
http://www.youtube.com/watch?v=u_jsMPiTaqE

 
 

 
 

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