映画嫌い (202)

2007年10月3日
 
本日の映画は2001年のフランス映画「ヴィドック (Vidocq)」だ。
 
舞台は1830年のパリ。探偵のヴィドックが死んだ。謎の鏡仮面の男を追っていた彼は、鏡仮面とのチャンバラに負けて溶鉱炉に落ちたのだった。そのシーンからこの映画が始まる。
ヴィドックの死はパリで大々的に伝わる。彼は過去に犯罪者として投獄された後に脱獄し、その後に改心して、警察へ犯罪者逮捕の協力をするなどの功績があり、授勲された事もある波乱万丈の有名人だったのだ。そしてヴィドックは相棒のニミエと共に「ヴィドック&ニミエ探偵社」を設立して、探偵業を営んでいたのだった。
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ヴィドックの死を知った若き作家のボワッセが、ヴィドック&ニミエ探偵社のニミエを訪ねてきた。ボワッセはヴィドックの伝記を出筆中で、ヴィドックの死の真相を調査しにやってきたのだった。
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ニミエは事の始まりをボワッセに話す。一週間前に警視総監が探偵社にやってきて調査依頼があったと言う。その件とは、新たな火薬製造法を開発した化学者とそれを扱う武器商人が次々と落雷で死んだというものだった。その依頼を請負ったヴィドックは執拗な調査を始めたのだった。
ボワッセはヴィドックの足取りを追い、彼の死の真相の調査する。
落雷事件と鏡仮面の男はどのように関係しているのか?
鏡仮面の正体は?
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/vidocq3.jpg
 
ヴィドックの人格や能力の表現も不足しているし、鏡仮面の非道さや狂気のそれの表現も物足りないなぁ。鏡仮面がまるでカンフーのようなアクションで戦うトホホな姿には哀愁すら感じるものなぁ。
せっかく良い雰囲気の映像でストーリーが進行していたものの、そのストーリーが最後でコケるのも痛い。鏡仮面の正体はこの人物だった!というサプライズをやりたかったのだろうけれど、それが見事に失敗しちゃっているのだ。まるで日本のテレビ番組のサスペンス2時間ドラマのような見え見えのオチなのである。シンプルだ。真犯人は誰でも想像がつくだろう。全然、サプライズになっておらんぞ。
 
しかし、それ以外のシーンは実に説得力がある。それは、映像がホント良くできているからなのだ。カメラワークもそのスィッチングも編集もとても練られていて、それによる立体感の表現もなかなかのものだと思う。ゴシックな雰囲気も良い。やや過剰な色彩を持ったシーンもあるものの、まるでヒプノシスの制作したレコード・ジャケットのような映像の世界も素敵だ。ただし、CGが良くない。鏡の仮面の表面はCGで作ってある(本物の鏡で仮面を作ったならば、その表面には撮影しているカメラや、こっち側にいるスタッフの姿が写り込んじゃうものねえ)んだけれど、それがヘンテコでウソっぽいし、最後のほうのシーンで、オカルトっぽい表現をCGで付加しているのは噴飯ものだ。最低限のCGでやればよかったのに、その過剰CG表現でブチ壊しにされちゃっているのが残念でならないのだった。
 
 
映画「ヴィドック」
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD32587/index.html
 
 

 
 

 
 

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