映画嫌い (412)
2009年4月10日 映画
本日のクソ映画は2008年の米国映画「グラン・トリノ (Gran Torino)」である。クリント・イーストウッドがプロデュースと監督をし、自ら主演している映画である。この映画は今月の25日から日本で劇場公開されるらしい。今後、この映画を見る予定の人は以下を読まないように。
主人公の老人、ウォルト・コワルスキーは妻を亡くし、一軒家に一人暮らしになってしまった。彼はクソ真面目で正義感が強いが、「今どきの若い奴らは・・・」と思う偏屈でイヤなジィさんなのだ。彼は若い時に米軍兵として朝鮮戦争に出兵し、その時に辛い経験をして以来、アジア人を不快に感じ、人種差別的思想を持つようになっていた。そんな性格が災いして、ウォルトは自分の二人の息子とその家族とも良好な関係にない。隣近所との交流関係もなく、隣の家に住んでいるアジア系のバァさんの顔を見かけては、ウォルトは訳もなくイラついていたのだ。
ある時、ウォルトは、隣の家のあのバァさんの家に住んでいる孫、青年・タオ、タオの姉のスーと知り合う。アジア人への偏見のあるウォルトは彼らと深いつきあいをしたくなかったが、スーがとてもフレンドリーで、寡黙なタオがとても真面目で働き者である事に感心し、ウォルトはアジア人のその家族と親しくなる。そのアジア人一家はベトナム系のモン族の出身者で、モン族が集まるホームパーティにもウォルトは参加するのだった。
ところがタオのイトコが不良で、イトコは自分の不良グループにタオを誘おうとし、タオを守ろうとするウォルトが不良グループと対立する。
(中略)
不良グループによってタオの家が銃撃され、スーは襲われてしまった。その様子を見て、ウォルトは自分の命をかけて復讐に向かい・・・。
タイトルが「グラン・トリノ」ってことで、これはフォード社の往年の車の名前だけど、車やレースに関する映画ではない。死にゆく偏屈&頑固ジィさんを見せてプチ感動させる手の映画だ。ウォルトが1972年製のグラン・トリノを持っていて、それが彼の宝物で、ラストシーンではウォルトの遺言でタオがその車を譲り受けるという、何の象徴にもなっていない、どうでもいいようなタイトルなのである。ウォルトがグラン・トリノを乗り回しているシーンなどありゃしない。
ストーリーはかなり地味である。アジア人嫌いのウォルトが隣人のアジア人との心の交流を・・・ってことだろうが、それに不良グループだとか復讐劇ってものを混在させてもなぁ。アジア人一家の交流を見せても、それだけで何も起こらなければ映画としては成立しないから・・・と、無理矢理と付加的にデッチあげられたストーリーに見えてしまうのだ。そのストーリーがちっとも面白くないし、ウォルトのような偏屈人間の私生活を延々と見せられても退屈なのだ。いったい何を見せたい映画だったんだろうね、これ。
映画「グラン・トリノ」
http://wwws.warnerbros.co.jp/grantorino/
主人公の老人、ウォルト・コワルスキーは妻を亡くし、一軒家に一人暮らしになってしまった。彼はクソ真面目で正義感が強いが、「今どきの若い奴らは・・・」と思う偏屈でイヤなジィさんなのだ。彼は若い時に米軍兵として朝鮮戦争に出兵し、その時に辛い経験をして以来、アジア人を不快に感じ、人種差別的思想を持つようになっていた。そんな性格が災いして、ウォルトは自分の二人の息子とその家族とも良好な関係にない。隣近所との交流関係もなく、隣の家に住んでいるアジア系のバァさんの顔を見かけては、ウォルトは訳もなくイラついていたのだ。
ある時、ウォルトは、隣の家のあのバァさんの家に住んでいる孫、青年・タオ、タオの姉のスーと知り合う。アジア人への偏見のあるウォルトは彼らと深いつきあいをしたくなかったが、スーがとてもフレンドリーで、寡黙なタオがとても真面目で働き者である事に感心し、ウォルトはアジア人のその家族と親しくなる。そのアジア人一家はベトナム系のモン族の出身者で、モン族が集まるホームパーティにもウォルトは参加するのだった。
ところがタオのイトコが不良で、イトコは自分の不良グループにタオを誘おうとし、タオを守ろうとするウォルトが不良グループと対立する。
(中略)
不良グループによってタオの家が銃撃され、スーは襲われてしまった。その様子を見て、ウォルトは自分の命をかけて復讐に向かい・・・。
タイトルが「グラン・トリノ」ってことで、これはフォード社の往年の車の名前だけど、車やレースに関する映画ではない。死にゆく偏屈&頑固ジィさんを見せてプチ感動させる手の映画だ。ウォルトが1972年製のグラン・トリノを持っていて、それが彼の宝物で、ラストシーンではウォルトの遺言でタオがその車を譲り受けるという、何の象徴にもなっていない、どうでもいいようなタイトルなのである。ウォルトがグラン・トリノを乗り回しているシーンなどありゃしない。
ストーリーはかなり地味である。アジア人嫌いのウォルトが隣人のアジア人との心の交流を・・・ってことだろうが、それに不良グループだとか復讐劇ってものを混在させてもなぁ。アジア人一家の交流を見せても、それだけで何も起こらなければ映画としては成立しないから・・・と、無理矢理と付加的にデッチあげられたストーリーに見えてしまうのだ。そのストーリーがちっとも面白くないし、ウォルトのような偏屈人間の私生活を延々と見せられても退屈なのだ。いったい何を見せたい映画だったんだろうね、これ。
映画「グラン・トリノ」
http://wwws.warnerbros.co.jp/grantorino/