映画嫌い (410)
2009年3月31日 映画本日のクソ映画は2008年の米国映画「バンコク・デンジャラス (Bangkok Dangerous)」である。この映画は今年の5月9日から日本で劇場公開されるらしい。今後、この映画を見る予定の人は以下を読まないように。
主人公のジョーは世界を股に掛ける殺し屋だ。どこの組織にも属さず、依頼者から高額の報酬を受け取り、どんなに難しい狙撃も実現し、狙った相手は必ずしとめる。彼は常に単身で行動して他人を信用せず、沈着冷静、プロ中のプロ・・・、そう、ニコラス・ケイジ演じる「ゴルゴ 13」なのである。
ジョーは依頼でバンコクにやってきた。現地で見かけたコンという名前のチンピラ男をパシリに雇って、狙撃依頼書を受ける(原始的な手法だなぁ)。コンがジョーの仕事に興味を持ち出したので、ジョーは「こいつ、殺したろか?」と思ったが、意外にもコンの身のこなしが良い。そこで、ジョーはコンを弟子にするのだった。
(中略)
依頼者に拉致されたコンとその彼女を救出しようと、ジョーは依頼者のアジトに踏み込む。そして次々に依頼者の手下たちを撃ち殺し、最後にはジョーは自らの命を巻き添えにして依頼者を殺すのだった。呆然と立ち尽くすコン。おしまい。
2000年のタイ映画「レイン」のリメイクらしいが、私は元の映画を見た事がないので、違いはわからない。
この映画はまるでデキソコナイの「ゴルゴ 13」だなぁ。どうしてもジョーが「ゴルゴ 13」のデューク・東郷のパクリに見えてしまうもの。依頼者と対立して抹殺するパターンも「ゴルゴ 13」では何度もあったじゃないか。だけど、なんだかジョーのキャラがブレてしまっているのだ。一匹狼であったはずなのに、コンを弟子にしちゃうし、プロ中のプロのハズが、政治家の狙撃に躊躇しちゃって失敗してるしぃ・・・。水上マーケットのシーンでも狙撃に失敗して、逃げる相手に何度も拳銃を撃ちながらもほとんど当たっていないしなぁ。だから、デューク・東郷と比較すると、かなり能力が劣っているように見えてしまい、おいおいそれでもプロかよ?とツッコミを入れたくなるのは私だけであるまい。その上、ジョーは現地の薬屋の娘にホレちゃって、デートしちゃってるんだもの、滅茶苦茶アホらしいなぁ。その娘の存在が何らかの伏線になっているのかなぁ?と思いながら見ていたんだけど、結局は何もなし。単にジョーのデート・シーンを見せたかっただけかよ? っていうか、ジョーのデート・シーンなんか見せられても楽しくないぞ。それにさぁ、なんで最後にジョーは自らの死を選んだのか、その心理がさっぱり見えてこないんだよなぁ。薬屋の娘にフラれちゃったからか? コンが殺し屋としてひとり立ちするわけでもなく、なんなんだこれ?
ジョーが「黙って俺の背後に立つな!」と言ってコンをぶん殴るシーン・・・、ありません。ちょっとだけ見たかったなぁと思うのは私だけであるまい。賛美歌13番とか、トラクターとかも。
映画「バンコク・デンジャラス」
http://www.stereosound.co.jp/hivi/detail/bancho_727.html