映画嫌い (76)
2006年6月27日本日の映画は2002年の米国映画「死ぬまでにしたい10のこと (My Life without Me)」である。
主人公は大学の夜間清掃員の仕事をしている23才のアン。彼女は17才の初体験で妊娠して娘を出産。その時の相手のドンとできちゃった結婚をした。19才で次女を出産し、現在はアンの母親の家の裏庭にあるトレーラーハウスで、2人の娘と失業中のドンとの4人暮しをしている。
体調を崩したアンは病院で検査してもらったところ、医師から余命3ヶ月と診断された。
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卵巣ガンがいくつかの内臓にまで転移して手後れ状態だというのだ。アンはその事を誰にも告げず、ピンクのノートに「死ぬまでにしたい10のこと」を書き出してみた。
(1) 娘たちに毎日「愛している」と言う。
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(2) 娘たちの気に入る新しいママを見つける。
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(3) 娘たちが18才になるまで毎年贈る誕生日メッセージを録音する。
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(4) 家族でビーチに行く。
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(5) 好きなだけタバコとお酒を楽しむ。
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(6) 思っていることを話す。
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(7) 夫以外の男性と付き合ってみる。
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(8) 誰かが私と恋に落ちるように誘惑する。
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(9) 刑務所にいるパパに会いに行く。
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(10) 爪とへアースタイルを変える。
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そして、アンはさっそく実行に移し、娘たちへの誕生日のメッセージを録音し始めるのだった・・・。
この映画も「デス・ムービー」だ。「デス・ムービー」とは、昨日に書いたように、見る価値がない、ど〜でもいいような腐った映画を非難する、私が考えた用語だ。
上記のリストの(1)〜(4)は美しい家族愛ではあるが、(7)〜(8)はそれを裏切る行為であり、なんでそんな事をリストにあげたのか理解できないし、それを実行しちゃうアンにも絶対に同情できない。言いわけ無用だ。もうすぐ死ぬんだから浮気が許されるとか、死への恐怖を浮気で紛らわせるとでも思っているのだったら最低だ。そんな家族愛とは逆行する行為によって、映画のテーマとなるべき家族愛をブチ壊しているのだから、この映画がスカスカになってしまっているのは当然である。浮気のラブラブなシーンを見て、「身勝手なこの女、早く逝ってくれ!」と思ったのは私だけであるまい。浮気相手の気持ちを踏みにじるアンのエゴには吐き気がする。それに、そのシーンで乳首さえ見せないのは何なんだよぉ、見せても減るもんぢゃあるまいし。
また、(9)を実行するシーンはあるが、(4)、(5)のシーンがなくて、(10)にあるヘアースタイルも変えずに終わっている。結局のところ、それらの10項目ってのも気まぐれなその場の思いつきにすぎず、残りの人生の指針ではなかったんだろうね。そんなものだから、邦題の「死ぬまでにしたい10のこと」っていうのが企画倒れ的に虚しくなる。末期ガンの患者がこの映画を見ても、残りの人生における何のヒントも得られないだろう。原題の「私なしでの私の人生」ってのも内容とミスマッチだ。
ってな事で、ストーリー性が低くて貧弱で、どの登場人物にも魅力がないし、この映画っていったい何を言いたいのかわからない。ヤマなし・意味なし・オチなしなのである。腐っとるぞぉ〜。
ところで、アンの母親である疲れた老女を演じているのが、なんと、デボラ・ハリーなのである。1970年代の終わりくらいから1980年代に活動していたバンド「ブロンディ」のボーカルだった女性だ。あのダルい歌い方は好きになれなかったけれど、良いメロディの曲が結構あったよなぁ。当時のデボラ・ハリーはセクシー系として人気がかなり高かったし、そのセクシーさを売りにして、その手の役で「ビデオドローム」などの映画にも出ていたのだが・・・・、そのままフケて、バーさん顔になってしまったのが恐い。こんなんなっちゃったぁ・・・。
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年月の流れとは残酷なものだなぁ。1945年生まれだから、今年で61歳かぁ。
この映画のデス・ムービー度は、レベル2である。
★★☆☆☆
映画「死ぬまでにしたい10のこと」
http://www.shinumade10.jp/main.html
ブロンディ
http://www.blondie.net/index.shtml
http://www.din.or.jp/~ah-san/blondie.html
http://page.freett.com/sundaygirl/intro.html
http://www.creativeman.co.jp/060106pages/blondie.html
ちなみに、このデボラ・ハリーのソロ・アルバム
http://www.hrgiger.com/music/kookoo.htm
のジャケットのデザインは、H・R・ギーガーである。
ギーガーは映画「エイリアン」や「スピーシーズ」、「キラー・コンドーム」のキャラクターのデザインで有名なスイス人の画家だ。私は彼の画集本を何冊か持っているんだけど、彼の独特の画風である鋼鉄のヒンヤリとした質感と肉塊のヌペーっとしたエロス感との融合ってのは凄く面白い。強烈な個性の画風だよなぁ。
ギーガーの顔も個性的で、一度見たら忘れられない顔だと思うのは私だけであるまい。
彼は、エマーソン・レイク&パーマの「恐怖の頭脳改革」
http://www.hrgiger.com/music/emerson.htm
などのレコード・ジャケットの製作でも定評があるんだけど、個性が強すぎる絵だから、彼の絵を使う側も大変じゃないかなぁ。
http://www.hrgiger.com/music/covers.htm
彼がキャラクター・デザインをした「ダーク・シード」ってゲームがあったけど、あれはつまらなかったよなぁ。ギーガーの暗黒な世界観がさっぱり反映されていないんだもの。
http://genli.hp.infoseek.co.jp/game/dark.htm
ところで、東南アジアの国に行くと、街中の露店でこんな売り物が並んでいる風景をよく見かけるのだが、こ〜いうのを見て、ギーガーの画風を思い出すのは私だけであるまい。
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ちなみに、映画「エイリアン」に出てくるエイリアンの卵って、天頂部がパックリと十文字に割れて、その中からエイリアンの幼生体が出てくるようになっていたが、ギーガーが製作していたオリジナルのデザインでは、その卵の割れは十文字ではなく、縦一文字だった。その縦スジってのがまるで女性器のような形状で、それがパックリと開いて幼生体が出てくるっていうシーンはマズイんぢゃないのぉ?ってなことで、「エイリアン」が上映禁止や放送禁止になってしまうことを恐れ、急遽、卵の割れを十文字に変更したそうだ。オリジナルの縦スジの卵の絵は彼の画集本の中で見られる。
H・R・ギーガーのオフィーシャル・サイト
http://www.hrgiger.com/
http://giger.com/
映画嫌い (75)
2006年6月26日本日の映画は2004年の米国映画「リチャード・ニクソン暗殺を企てた男 (The Assassination of Richard Nixon)」である。1974年、当時の米国大統領ニクソンへの暗殺計画事件を、実話を元に映画化したものである。
転職して家具屋の店員になったサミュエル・ビックが主人公だ。セールスの仕事の新米である彼は、上司からセールス・トークのノウハウを教わりながら、ぎこちなく接客する毎日だ。
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彼は別れた女房と寄りを戻したく、何度となく彼女に接近するのだが、いつも冷たくあしらわれるのだった。
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彼は自動車修理工をやっている黒人の友人と一緒に、タイヤの訪問販売会社を起業しようとするが、あてにしている起業資金融資会社からの返答がなかなか来ないのでイラつく。融資の可否の返答が来る前に、彼は家具屋を辞めてしまい、結局のところ、「融資不可」の返答だった為に起業に失敗し、彼は失業してしまう。その上、彼の実兄が経営しているタイヤ販売会社の在庫に無断で手を付けたのがバレてしまい、実兄から絶縁を宣言されてしまうのだった。
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サミュエルに次々と降ってくるそれらの不運と疎外感。テレビに写るニクソン大統領の姿を見ながら、彼は自分の失敗の数々の原因がニクソン大統領の政策にあると思い込む。そして彼はニクソン大統領の暗殺を計画するのだった。ボルチモア空港を離陸する航空機に乗り込み、それをハイジャックし、その機体に爆弾を仕掛けてホワイトハウスに突っ込んで自爆しようと。
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さて、その計画の行方は・・・。
この事件、実話のストーリー自体が浅くてショポイのだ。映画化する価値のない実話なのである。脚本もダメだから、大した見どころもないままに終わっちゃっている。なんでこんなのを映画化するんだろう? このような、見る価値がない、ど〜でもいいような腐った映画の事を、私は「デス・ムービー」と呼んで非難している。
90分のこの映画の中で、サミュエルを追い詰める不運と疎外感の表現に75分もの時間をかけている。まるでオマケのように付けられている残りの15分の中の、5分で暗殺の計画と準備、10分で空港でのシーンとハイジャック劇が演じられているのだ。この時間配分からわかるように、この映画はハイジャックや暗殺そのものを描写するサスペンス映画ではなく、暗殺を計画するまでに至るサミュエルの体験と心理状態を描写した映画である。しかしながら、その疎外感の心理描写がかなり手ぬるい感じが否めないのだ。見ていても、いまひとつサミュエルの精神状態が掴めない。そして、メインとなるべき、なぜに疎外感が大統領暗殺の計画に短絡的に結びついたのか?も表現不足になっている。だから、サミュエルが単に八つ当たり的な衝動で暗殺計画に行き着いてしまったという「頭のイカレた奴」以上の者には見えてこないのである。実際に起こったあの事件の犯人も単なる「頭のイカレた奴」だったのだろうけれど、そ〜いうプッツンな妄想ものを映画化してもしょうがないじゃないか。まさに見る価値がない、ど〜でもいいような腐った映画の典型だ。だからこの映画も「デス・ムービー」と呼ぼう。
結局、サミュエルは、空港の金属探知機ゲートでのセキュリティ・チェックを目の前にして、こりゃ拳銃を機内に持ち込めないなぁと思い、とっさに計画を変更。拳銃を乱射しながら機内に乗り込むのだが、離陸もしないうちに、ハイジャックはあっけなく失敗に終わってしまうのであった。
この映画のデス・ムービー度は、レベル3である。
★★★☆☆
映画「リチャード・ニクソン暗殺を企てた男」
http://www.wisepolicy.com/the_assassination_of_richard_nixon/
ライヴ嫌い (3)
2006年6月25日久々に、札幌のプログレ・バンド「カムイ」のライヴに行ってきた。
昨年からカムイは完全にジャズ・トリオになって、ジャズ系のライヴ・バーを中心にした活動をしていたし、年末の余興ライヴではメタル・バンドに変身してヘビメタっていたんだけど、今回は久々に本来の姿であるプログレ・バンドとしての登場である。
過去に激しいメンバー・チェンジを繰り返してきたカムイであるが、2年前にギタリストが抜けてトリオ編成になり、更には正規のドラマーも持たなくなって、現在のカムイはキーボードのストロベリ、ベースのトンコリの2人組ユニットになっている。今回は2人のドラマーがゲストで参加した4人編成による演奏だった。
ステージ上にはメロトロン3台の他、キーボードが10台。ベースのトンコリ氏はいつものように、上半身がアイヌ民族衣装で、ボロのジーンズにロング・ブーツをはいて、190cmの長身をジャンプさせながらバリバリ弾いていた。アイヌ民謡をプログレ・シンフォニーにした過去の曲はメドレーとなって縮小され、その他はほとんどが新曲だ。リック・ウェイクマンとチック・コリアの間をいったりきたりするような感じの露骨なパロディなフレーズもカゲをひそめ、ダブル・ドラムによってよりパワフルになっていた。
演奏曲目(主催者側発表による)
01. アクシス
02. 恋は桃色
03. オルタネイティヴ・イングレディエンツ
04. 渚のシュレディンガー
05. ユー・ドゥ・ウィー・ドゥ
06. ショスタコービッチ・交響曲第5番 〜 ベース・ソロ 〜 ドラム・ソロ
07. ベイク・イット・イージー 〜 ドナー・オブ・ア・ロッテン・ハート
08. ピアノ・ソロ 〜 イル・ニア・パ
09. メドレー:メネコ 〜 カムイ・ミンタラ 〜 カムイコタン 〜 オキクルミ 〜 カムイ・エレイソン 〜 儀式
10. うつろ舟
アンコール・1
11. 悪の教典 #9 第2印象(EL&Pの曲)
12. イプシロン・デルタ・シンフォニー
アンコール・2
13. ソレイユ
14. 事象地平
メンバー
ストロベリ:キーボード、ヴァイオリン、ギター、フルート
トンコリ:ベース、スティック、ギター、ベースペダル、ボーカル
ツル:ドラム
カメ:ドラム
映画嫌い (75)
2006年6月24日本日の映画は「ウルトラヴァイオレット (Ultraviolet)」だ。
新種のウィルスに侵された21世紀末、ウィルス感染で知力・体力ともに驚異的な能力を持った超人間が誕生した。彼らは「ファージ」と呼ばれ、彼らを抹殺しようとする人間政府との間で激しい戦闘が繰り広げられていた。驚異的なファージの能力に恐れを抱いた人間政府は、彼らを一瞬で絶滅させる最終兵器を開発した。
主人公はファージの生き残りの最強の女性戦士、名前はヴァイオレット。彼女は12年前にウィルスに感染し、余命あとわずか。愛する家族が政府に奪われた為に復讐心を持ち、最終兵器を奪う計画に参加したのだった。ところが、最終兵器の正体は9歳の人間の少年だ。ヴァイオレットは少年を守るために立ち上がる。ヴァイオレットと少年の運命は・・・?
幼稚だ。設定からストーリーから、全てがくだらない。原作ミスで、脚本もミス。映画化しようと思ったのもミス。自覚のない奴らのミスがいくつか重なると、こ〜いう低俗な映画が世の中に出てしまうんだなぁ〜ってなサンプルである。ちょっと前に「イーオン・フラックス」っていう女性レジスタンス戦士が暴れる映画があったけれど、あれと似たような感じで、見る価値なんてありゃしないクズ映画だ。
映画「ウルトラヴァイオレット」
http://www.sonypictures.jp/movies/ultraviolet/site/
ライヴ嫌い (2)
2006年6月23日1996年にロンドンの小さなライブ・ハウスで「ホークウィンド」ってバンドのライブを見たんだけれど、あの時も酷かったよなぁ。キャパ100人くらいの会場に、観客が11人だもの。メンバーとローディを合計した数より客のほうが少ない。ケンカしたら客が負けるだろ。曲の間のMC(っていうか、あ〜いうのをMCと言って良いのかなぁ)では、メンバーと客との間の個人的な会話になっちゃって、私に向かって「どこから来たんだ?」って言うものだから、「日本の札幌さ。サッポロ・ビールは飲んだことあるだろ?」って言ってやったら、「俺はギネスしか飲まんからなぁ」って。それで、客にどの曲を聴きたいのかリクエストさせてんの。私が「シルバー・マシーン」をリクエストしたんだけれど、「今のメンバーでその曲を知っているのは俺だけだから無理だわ」と拒否されてしまった。その曲ってホークウィンドの最大のヒット曲じゃん。それすらもできないとは何なんだよぉ。「ロンリー・ハート」や「ラウンドアバウト」を演奏しないイエス、「ダスト・イン・ザ・ウィンド」を演奏しないカンサス、「マネー」を演奏しないピンク・フロイド、「天国への階段」を演奏しないレッド・ツェペリン、・・・そ〜いう状況だろう。っていうか、メンバー・チェンジが激しくて、あの当時とメンバーが全然違っているから、現在のキング・クリムゾンに「エピタフ」や「クリムゾン・キングの宮殿」が演奏できないってのと同じパターンか?
ホークウィンド
http://homepage1.nifty.com/hawkwind/
http://rock.princess.cc/rock/hawkwind.html
では、ホークウィンドの最大のヒット曲「シルバー・マシーン」をど〜ぞ。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/SilverMachine.mp3
曲調は普通の単調なロッケンロールなんだけれど、効果音としてシンセサイザーを使った近未来SF的エンジン音がステキだ。
この曲がヒットした1971年〜72年頃の、あの当時はこのバンドもサイケでねぇ、ステージではラリパッパな照明をグルグルさせて、目がくらくらするようなことをやったり、ライヴ用メンバーの中に女性ストリッパーがいて、この曲に合わせてスッポンポンになって髪を振り乱して踊っていたんだよなぁ。
ライヴ嫌い (1)
2006年6月22日招待券をもらったので、コロッケのものまねライヴに行ってきた。
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後援企業の関係者の話によると、めちゃくちゃチケットが売れ残っているそうで、大赤字ではないか?とのこと。かなりの数の招待券がタダで関係者に配布されたらしい。私もそのおこぼれにあずかったのだ。一般の人でも4500円のチケットが2000円で買える状況になっている(割引券が近所のマックスバリューのカウンターに山積みになって放置されているんだもの)のに、会場は空席だらけ。人気ないんだねぇ。あれだけ松山千春をバカにした芸をやっているんだから・・・、ってことではないよなぁ、だって、北海道人でも松山千春が大嫌いな人がほとんどだものなぁ。地元の業界関係者の中にも、松山千春のことを良く言う人は私が知る限りひとりもいないものなぁ。すでにコロッケは過去の人になっちゃっているんだろうなぁ。実際に今回のコロッケのものまねライブを見ても、テレビのものまね番組で見たようなものばかりで、あれ以上のものは何もなかった。金を払ってまでして見る芸ではない。面白くないんだもの、何ひとつ笑えなかった。
1984年くらいにだったかなぁ、解散間際のゴダイゴのライブを札幌市民会館で見たんだけど、あの時も会場がスカスカで、7割くらいの席が空席だったなぁ。後ろの席の人とか、2階席の人も、前のほうの空席に座って良いって言われて、5列目の席で見た。あの時も招待券をタダでもらったんだっけ。アンコールを求める10人くらいの女性ファンの声、「ゴーダィゴー!ゴーダィゴー!」の虚しい響きが今でも忘れられない。
1980年代の始め頃に、北海道厚生年金会館でジャコ・パストリアスのライブを見たんだけど、あれも場内がスカスカだった。内容も酷いライヴだったなぁ。ドラムが元・ブランド・Xのケン・デナードウッドってことで、そこそこステキなドラミングだったんだけど、ジャコのベースは最低だった。その1年くらい前にジャコが在籍中のウェザー・リポートのライブを同じ北海道厚生年金会館で見たんだけれど、あの時のライブと雲泥の差なのである。
帰国したジャコはその直後に死んでしまったんだっけ。合掌。
トリノの聖骸布嫌い
2006年6月20日本日の小説は新刊の「聖骸布の仔」(ディディエ・ヴァン・コヴラルト著・中央公論新社)である。
十字架にハリツケにされたイエス・キリストの死体を包んだとされる「聖骸布」がトリノの教会に残っている。その聖骸布に付着していたイエスの血液からDNAを抽出して、イエスのクローン人間が産まれた。21世紀の現代に現われたイエスのクローンは・・・。
う〜ん、これってさぁ、琥珀の中に閉じ込められている蚊の中から恐竜の血液を採取して恐竜を復刻した・・・っていう「ジュラシック・パーク」のアイディアを、恐竜からイエスに置き換えたってなパターンだよなぁ。そのアイディアはまあまあ面白いけれど、ストーリーがたいして面白く発展していないんだよなぁ。結局のところ、アイディア不足ってな印象しか受けなかった。企画倒れってやつだ。
ちなみに、「トリノの聖骸布」ってのは実在している。その起源は謎であるし、どのようにイエスの顔や身体の像を布に転写したのかその手法については意見が別れているんだけど、「炭素14」年代測定法で科学的に鑑定したところ、13〜14世紀に作られたニセモノだと断定されている。よくできているねぇ、いい仕事してるねぇ。
で、その聖骸布に付着している血液はAB型だったそうだ。へぇ〜、神の子だとされるイエスにも血液型があるんだ。DNAもあるんだ。血液型性格診断によると、AB型ってのはA型の気質とB型の気質の両方を持った二重人格らしんだけれど、イエスも二重人格だったってことかよ?
トリノの聖骸布
http://www.shroud.com/
ちなみに、十字架でハリツケになったのは実はイエスの弟で、イエス本人は逃亡し、はるばる日本までやってきて、日本で生活し、日本で死んだという、香ばしいおバカな話もある。そのイエスの墓が青森県にあるのだ。現地にはその墓を祀るヘンテコなお祭りがあるんだよなぁ。
青森県のキリストの墓
http://inoues.net/ruins/3naichirist.html
http://www.page.sannet.ne.jp/tsuzuki/crist.htm
血液型性格診断嫌い
2006年6月19日本日の小説は新刊の「ブラッドタイプ」(松岡圭祐著・徳間書店)である。
治療の為に私は骨髄移植手術を受けなければ助からない。その骨髄移植によって、私の血液型がB型に変わってしまう。B型なんて最低よ。B型になるくらいなら死んだほうがマシよ! SMAPのメンバーにだってB型なんかいないのよ!
悪かったな!! 私もB型だ!!
これって人種差別だろが!
血液型と性格は無関係だ。医学的にも心理学的にも何度も調査が行なわれており、統計学的に何ら相関関係がないことが実証されているんだぞ。血液型で性格診断ができるだなんて机上の空論、オカルトだ。そんなくだらないもので人間の差別をするのはやめろよな!
映画嫌い (74)
2006年6月18日本日の映画は「パイ (π)」である。1998年の米国映画だ。
数学者のマックスが主人公である。彼は幼い頃から頭痛・目眩・幻覚の持病を持ち、今でも日常的に多量の薬を飲み、皮下注射をしながらもその病状は改善されず、症状に悩ませられながらも、自宅にこもって研究を続けている。
彼の思想は、この世のすべてのものは数字に支配されており、それを導き出す数式を解明できれば、世の中のすべても解明できるというものだ。それを実証する手始めとして、株価の変動を数式化できるか、その数式を用いて株価の変動を予測できるかを自宅のコンピュータを使って研究しているのだった。
頭痛・目眩・幻覚に襲われながらも研究を続けていたある日、コンピュータは216桁の意味不明の数字を表示した直後に故障してしまう。そして、その数字を元にして算出された予想株価が現実と一致してしまう。その謎の216桁の数字をめぐって、株式操作を企む組織、失われた216桁を探しているユダヤ教神秘主義者にマックスは追われ・・・。
サイコだねぇ。C級アングラの香ばしい匂いがするねぇ。でも、マックスの頭痛・目眩・幻覚のシーンが多すぎて、それが鬱陶しすぎる。見ていると、それが息苦しくなってくる。それらシーンを排除すると、この映画は半分以下の上映時間になってしまうのではないだろうか。意味のない幻覚シーンを長々と見せられてもしょうがないんだよなぁ。そもそも、マックスにそんな持病があるという設定にしなきゃならない意味がないのだ。超健康体でピンピンしている陽気な男だという設定にしておいても、ストーリー上には何ら問題ないだろうにぃ。それに、何てったってストーリーが面白くない。ストーリーが発展せず、盛り上がりもないままに終わっている。かなり地味である。
で、この映画、全編がモノクロなのである。あえてモノクロにしなきゃならなかった理由もわからない。無意味なモノクロ映像でしかないのだ。MTVが1980年代の前半に始動して、ミュージック・ビデオってなシーンができてしまい、ヒット曲のプロモーションを兼ねたビデオ・クリップが量産された時代があったわけだが、そのビデオ・クリップってのが、意味ありげで実は何の意味もないってな、わけのわかならいつまらんストーリーの押し売りのようなやつばかりで、その中には意味もなくモノクロになっているやつも多かったんだけど、この映画って、そんなできそこないのモノクロのビデオ・クリップみたいな映画なのだ。見ていると疲れるぞ。
それに、この映画、へんにオカルトの断片を入れているのが気になってしょうがない。そんなのを入れる必要性も感じられないのだ。オカルト系の皆さんへのウケを狙ったのだろうか? 実際に、オカルト系の皆さん(特に数字遊び系の神秘主義オカルトさん)からこの映画のウケは良いようだ。「黄金比」が出てくるし、ヘブライ語の数値化も出てくる。その上、ユダヤ人が絡んでくるし、216っていうお馴染みの数字(これって、あのヨハネの黙示録の「666」に関係していて、6×6×6=216って主張されちゃうんだよなぁ)が出てくるんだもの。
その上、この映画には誤りやツッコミどころが多すぎる。
この世のものは全て黄金比でできており・・・、って、ヒマワリの種の並び、巻貝、、DNA、星雲だのを例としてあげているんだけど、それらは黄金比ではない。黄金比で生成した螺旋形の形状に単に似ているだけだ。作者をはじめ、この映画の製作関係者は「フラクタル」を知らないのか、あるいはフラクタルと黄金比の区別がついていないかのどちらかではないだろうか?
黄金比の絡みで、「フィボナッチ数列」っていうのも出てきており、これって「ダ・ビンチ・コード」の中にも出てくる数列なんだけれども、この映画でも、「ダ・ビンチ・コード」でも、その数列を、
1、1、2、3、5、8、13、・・・、
と間違えているのである。正しくは、「フィボナッチ数列」ってのは、
0、1、1、2、3、5、8、13、・・・、
と、0から始まらなきゃならんのだよ。前の2つの数字の和を書き記していくってのがこの数列で、これって0から始まるものなのだが、そんな事も知らないのかなぁ?(フィボナッチ数列をネットで検索してみたが、ほとんどのページでも同じ誤りをやっているんだよなぁ)
で、フラクタルもフィボナッチ数列も正しく知らない「天才数学者」であるマックスは、持病の治療に「ホメオパシー療法」も利用しているってのが笑えた。論理的に物事を考えるべき数学者が、なんであんな非論理的なオカルト療法を信仰しちゃっているのだろうか?(ホメオパシーについては話が長くなるのでカットね)
それに、マックスは数学者のくせに「特異点」も知らないんじゃないのかなぁ?と心配になる。株価変動はフーリエ級数を用いた偏微分方程式で近似化できるけれど、それは過去の株価の統計学的な近似値にすぎす、それを元に将来の株価の予想はできないんだけれどなぁ。現時点の一寸先は「特異点」なんだよ。だから、世界最高レベルのスーパーコンピュータを使ってバリバリ計算している気象庁だって、明日の天気すらハズしちゃうんだぞ。仮にフーリエ級数を使わない偏微分方程式を立てられたとしても、その境界条件式をど〜するんだい? 境界条件の取り方によって、1分後の株価は0に収束する場合もあるし、無限大に発散する場合もあるじゃないか。もしかして、量子力学ってのも知らない数学者なのかなぁ?(量子論についても話が長くなるのでカットね)
ところで、彼の使っているあのコンピュータって何なんだよぉ?
むき出しの基盤にキーボード、5インチのフロッピー、ドットインパクト式のプリンタって、まるで1970年代末〜1980年代前半のジャンクものだ。スーパーコンピュータや汎用機のTSS端末にも見えないものなぁ。GUIすらないテキストベースの画面が表示されているものなぁ。もしかして、ハードディスクも仮想メモリもない時代のやつで、搭載メモリーが128KBとか256KB、CPUが8ビットとか16ビットってなものかなぁ? その程度のスペックなら、株価予想ってのは絶対に無理だぞ。
この映画のタイトルは「π」になっているけれど、3.14159....というあの数値とは何も関係ないストーリーになっているのもヘンテコである。
映画「π」
http://us.imdb.com/title/tt0138704/
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=85132
スカトロ嫌い (3)
2006年6月17日人間の糞尿は法律上は「産業廃棄物」として扱われている。糞尿が農作物用の肥料に使われたいた事の名残りのようだ。
だから、イヤガラセでウンコをぶちまける行為は「産業廃棄物処理法違反」となり、野グソは「産業廃棄物違法投棄」になる。
21世紀にもなって、今どき、イヤガラセでウンコをぶちまけるだなんて・・・、と思っていたが、これに似た事件が、昨年に私の知人に振りかかってきたのだ。
その知人、B氏の話によると、彼女と別れた直後から、何度となく、B氏の住む安アパートの玄関前にウンコがしてあるという。ある時は下痢便、ある時は硬そうな便秘便で、それぞれ一回分のこってりした量がそこにあったという。その形状からして、どこからか持ってきた便ではなく、その場でパンツさげて脱糞したものだと判断できるものだったらしい。彼女と別れた直後からそのウンコが始まったので、当然、彼女がイヤガラセで玄関前で脱糞しているのではないかという疑惑になる。今さらウンコのことで彼女に連絡をとって問い詰める気にもならなかったB氏は、警察に相談したのだった。ある時は警官がカメラでウンコを撮影していったそうである。警官が言うには、あまりにも大きいウンコなので、女性のウンコではないのでは?との事だが、B氏にはウンコの量の男女差も、彼女のウンコの量もピンとこなかったという。警官は近所のパトロールを強化してくれると言い、近所には「変質者にご注意ください!」という回覧板が回った。それでも玄関前にウンコしてある。毎回、彼は自分でそのウンコの後始末をするしかなかった。被害の証拠写真を毎度撮影している自分の姿が悲しかったそうだ。
ある時、ウンコをB氏が片付けようとして割箸でつまんでみると、そのウンコがポロポロと崩れて、そのウンコの中に少量の血液が混じっているのが肉眼で見えたという。B氏はウンコのついた割箸を握りしめて、これだ!と思ったそうだ。その血液をDNA鑑定してもらい、彼女のウンコである事が証明できる!と。ところが、鑑定機関にその事を相談してみたところ、ウンコ中の血液でDNA鑑定はできるものの、費用が30万円以上もするとのことだった。もしも彼女のDNAと一致しなかった場合は、30万円まる損である。高いギャンブルである。そんなわけで、DNA鑑定に持ち込むのはやめた。その安アパートの大家さんからは、探偵を雇うようにアドバイスされたが、探偵料ってのもバカ高い。そこで、B氏は隠しカメラを設置したのだった。ネットのビデオ・チャットで使う小型のカメラを用意してみたが、画質が良くない。だから、イトコからデジタル・ビデオの小型カメラを借りて設置し、24時間体制で撮影を続けた。そして5日目に、その犯人が脱糞する姿が見事に撮影されたのだった。
結局のところ、犯人は予想通り彼女だった。彼女と別れた事に対するイヤガラセだったのだ。B氏は警察に証拠のビデオを持ち込んで告発。彼女は任意同行の上で取り調べ中に逮捕され、「産業廃棄物処理法違反」として書類送検。警察からはB氏は「示談にしたほうがよい」と言われて、彼女の弁護士が持参した示談書に捺印して、示談金50万円を受取ったという。
その後、彼女は勤務先を解雇され、マスコミにも実名報道されたものだから、雲隠れしちゃったらしい。たかがウンコで人生が終わっちゃうという哀れな出来事として、我々はあの事件を記憶にとどめておくべきであろう。
ちなみに、南極で野グソをしてはダメなのである。「南極条約」にて厳しく禁止されているのだ。
「南極条約」では、南極へのペットの持ち込みも禁止されており、現在は、タロ&ジロのような犬ゾリも禁止対象である。
その他には、生態系を乱す事が禁止されており、ペンギンやアザラシなどの鳥獣類の捕獲は勿論、群れを乱す行為や、餌を与える行為も禁止されている。コケを踏んでもダメである。
ちなみに、上記の件の脱糞証拠ビデオ、頼みもしないのに、B氏がダビングして私に1本プレゼントしてくれたんだけど、このビデオ、ど〜したらいいのよぉ??
スカトロ嫌い (2)
2006年6月16日ちなみに、抹茶アイスや、抹茶味の飲み物、お菓子などでは、あの独特の緑色を出す為に、抹茶そのもの以外に、「蚕の糞」から抽出した色素が使われている。
ってことで、スカトロ嫌いのかたは、抹茶アイスにも御用心!
ちなみに、中国には「蚕の糞」を漬けけた「蚕小酒」というお酒がある。
スカトロ嫌い (1)
2006年6月14日久々にウンコの話題だ。
そのような内容が嫌いな人、食事中の人は以下を読まないように。
朝、寝起きの状態でトイレで脱糞し、それで寝ぼけた目がキリリと覚める人が多いようだ。脱糞で目が覚めるというこの現象は、排泄という行為によるものではなく、ウンコの中に含まれる臭いの主成分によるものだと判明している。腸内細菌によってタンパク質が分解されて発生するその臭いの主成分は「スカトール」と呼ばれている。スカトロちっくな名前がステキである。有機化学には弱い私なので、そのへんの化学的なメカニズムは知らないのだが、もしかして、スカト−ルの元となる成分がスカトロゲンってな名前で、分解酵素がスカトラーゼとかの名前だったら楽しいだろうな。
で、そのスカト−ルには興奮・覚醒作用があり、その作用によって目が覚めるのである。スカトールの興奮作用はカフェインの2倍以上だというデータもあるようだ。世の中には「スカトロ」さんと呼ばれている「排泄物愛好マニア」さんが多く、日夜、浣腸を片手にスカトロ・プレイで盛り上がっているようであるが、「スカトロ」さんがウンコに興奮するってのは、スカトールの興奮作用だとする説もある。
ウンコの臭いの主成分ながら、化学的に精製した純粋なスカトールは純白の美しい結晶をしているらしい。ウンコのあの色は胆のうから出ている胆汁の色なのである。スカトールを水で薄めるとジャスミンの香りがするという。最近は香水にもスカトールが微量ながら入っている。成分にスカトールとは書いていないけれどね。
ってことで、スカトロ嫌いのかたは、香水には御用心!
映画嫌い (73)
2006年6月13日本日の映画は、昨年の米国映画「ブラッドレイン (Bloodrayne)」だ。吸血鬼ものである。
舞台は18世紀のルーマニア。吸血鬼たちの魔の牙から人類の平和な生活を守る吸血鬼ハンター「業火の会」は、吸血鬼の根絶を目指し、人類に紛れている吸血鬼を探し出しては退治していた。ある村で吸血鬼の女が見せ物にされているという情報があり、吸血鬼ハンターの3人がその場に向かう。その女は吸血鬼の首領・ケイガンと関係がありそうだ。しかし、その村に到着すると、女は見せ物小屋から逃亡したあとだった。その女は名前をレインといい、吸血鬼ケイガンと人間の女性との間に誕生した混血だったのだ。レインは自分の母親を目の前で殺したケイガンに復讐しようと考え・・・。
つまらん映画だなぁ。基本がチャンバラものなんだもの。まるで、剣を持ってアイテムを探して・・・ってな、売れないロールプレイングゲームを映画化したようなチープなストーリーがトホホである。混血のレインが、都合が良い時に人間になったり、吸血鬼になったり、と、「妖怪人間ベム」のような安っぽい子供ダマシでしかなのだ。それまで見せ物になっていたレインが、剣術や武術にやたらと強いってものお笑いである。そして、さっぱり盛り上がらずに、どうでもいいような結末でブッツリと映画が終わってしまっちゃっている。見どころはレインのファック・シーンの腰の振りだけだ。
それにしても、吸血鬼映画って暗いものばかりだよなぁ。この映画も暗くて暗くて、頭がクラクラしてくる。たまには明るくて脳天気な吸血鬼映画でも見たくなるのは私だけであるまい。
映画「ブラッドレイン」
http://www.bloodrayne-themovie.com
映画嫌い (72)
2006年6月12日2003年のディズニー映画「穴/ホールズ (Holes)」を見た。
先祖が豚泥棒をした為に呪いをかけられてしまい、自分の家系は呪われた不幸な家系だと信じている少年スタンリー・イェルナッツ(Stanley Yelnats、逆から読んでも同じ名前だ)が主人公である。彼は靴泥棒の容疑で捕まってしまった。その靴は空から降ってきたものなのに、彼は自分の潔白を裁判で証明することを諦めて、少年矯正施設行きを受け入れてしまったのだ。
そして連行された少年矯正施設は、湖が干上がってできた砂漠のど真ん中にあり、女所長が独裁者として施設を支配していた。彼女の指示のもと、人格形成の名目で、施設の少年たちは毎日、砂漠に深さ1.5m、直径1.5mの穴を何個も掘らされていた。スタンリーは施設の仲間たちから野蛮人(caveman)というニックネームを付けられ、親しい友人ができたり、作業仲間とケンカをしながらも、来る日も来る日も穴を掘る。だが、その穴掘りには、女所長の別のある目的があったのだ・・・。
ストーリーがたいして面白くない。いかにもディズニー風ってな終わり方をしちゃっているし、そ〜いう、呪いとか奇跡とかをストーリーに持ち込んでも、ナンセンスにしか見えない。脚本もヘタだよなぁ。穴掘りをもっとカルトに見せても良かっただろうにぃ。それに女所長の独裁者ぶりの表現がいまひとつ足りない。2つの先祖のストーリーを同時平行的に混在させて見せられちゃって、それがかなり散漫な印象を与えている。
しかし、俳優たちの演技かなかなか良いのである。思わず「いい芝居するよなぁ〜」と声が出てしまった。主人公のスタンリー、その個性的な家族、施設の仲間、所長の部下の2人の男、ホント、演技が良いからその役にすっかりハマっちゃって見えるのがおかしい。
ただ、女所長の役が良くない。役としてもなんだか中途半端であるし、それを演じるのがシガニー・ウィ−ヴァ−(「エイリアン」シリーズの主人公役の女性)だってのも冴えないんだよなぁ・・・。
ってことで、冴えないC級映画が好きな人だけ、この映画をど〜ぞ。
映画「穴/ホールズ」
http://disney.go.com/disneyvideos/liveaction/holes/main.html
http://www.coda21.net/eiga3mai/text_review/HOLES.htm
韓国ラップ嫌い (4)
2006年6月10日ってことで続きだ。
昨日の【註1】〜【註14】についての解説を以下に記す。
【註1】
日本人の英語の発音がおかしいというのを馬鹿にしているのだ。「I love you」を日本人が「アイラビュー」と発音することを示している。ところが、実際には韓国人のほうが英語の発音が悪いってのは世界的な常識だ。韓国人には濁音の発音ができなかったり、「f」の発音が「p」になってしまって「if」を「イプ」と発音するのはお馴染みである。
ここの部分の歌詞で「I love you」を韓国人がちゃんと発音できずに「アルロビュー」と言って自ら墓穴を掘っているのが笑える。
【註2】
この部分の歌詞では「障害者」を「ピョンシム(病身)」という韓国語で表現している。この語は韓国では罵倒の意味を込めた「障害者」という意味で、韓国人の会話の中では日常的によく使われているのだ。韓国では「障害者」を差別・罵倒する慣習があり、障害者は韓国では人間扱いされないのである。そんな国だから、当然、ソウルに行けばバリアフリーが何ひとつない。以前、韓国でパラリンピックの様子がテレビで放送された時、「気味悪いものを見せるな」との苦情が殺到し、放送中止になるという事も起きている。また、韓国には「病身舞」という障害者の身ぶりをバカにした踊りがあり、障害者を笑い者にする風習があるのだ。生まれた子供が障害児だった場合、養子として海外に売るのが当然で、その数は年間1000人以上にもなるという統計もある。酷すぎるぞ韓国人ども!
【註3】
豚などの獣類のヒヅメのことを韓国語では「チョッパリ」と言うのだが、草履や下駄を履く日本人の足の形から、日本人を罵倒する用語として「チョッパリ」ってのが一般的である。韓国の辞書にも堂々と載っている。放送禁止用語でもない。英語でいう「Jap」に相当し、日本人が韓国人を罵倒する「チョン」にも相当する。
【註4】
シーバルとは韓国語での女性器の意味で、英語でいう「Fuck!」のような罵倒に使う語である。
【註5】
この「ウェノム(倭奴)」も韓国人が日本人を罵倒する語のひとつだ。
韓国人は「倭」というのを日本のことだと勘違いしているようだが、実は「倭」とは、中国が「漢」の時代の、漢の東に住む蛮族の総称であり、その中に朝鮮人も含まれているのだ。そんなことも知らずに韓国人は「倭奴」と言っているのは自虐的だなぁ。単に彼らが勉強不足なだけ。
【註6】
韓国人は「日本人は歴史を捏造している」と思い込んでいる。実際にはありもしなかった強制連行や従軍慰安婦などの数々の歴史を捏造して反日に利用しているのは韓国人のほうなんだが。
【註7】
てんかんに関しても韓国では「障害者」として差別・罵倒されている。「障害者」には人権がない国なのだ。ったく、酷い国だ!
【註8】
「ポッキンネイション」とは? そう聞こえるんだけど・・・。
彼らがちゃんと英語の発音ができていないので「Fucking Nation」がそのように聞こえているのだ。「f」の発音が「p」になっちゃうので「ファッキン」が「ポッキン」に聞こえるってパターンである。
【註9】
謎の語「チャパニセ」ってのが出てくる。これも彼らがちゃんと英語の発音ができていない例で、濁音の発音が苦手な為に、「ジャパニーズ」が「チャパニセ」になっちゃっているのだ。日本語を覚えた韓国人が日本語でしゃべると、「・・・です」というのがちゃんと言えなくて「・・・れす」と空気が抜けたようなスカスカな発音をしちゃうのと同じだ。韓国語には「・・・ムニダ」とか「ポンテギ」とか「アボジ」とか濁音がないわけではないのに、韓国人って英語や日本語の濁音が苦手なんだよなぁ。
【註10】
ナンセンスなことに、韓国人は自分たちのことを「第二次世界大戦の戦勝国」だと思い込んでいるのだ。日本は韓国(朝鮮)とは戦争をしておらず、韓国は日本の領土の一部だったのだから、韓国は戦勝国にはあてはまらない。1945年8月15日の終戦をもって、韓国は米国GHQの占領下に入ったっていう事実をも忘れているのだろうか? 戦勝国がGHQの占領下になるはずないだろ。戦勝国でもなく、敗戦国でもないから、「三国人」と呼ばれているのになぁ。
【註11】
「アガシ」は韓国語で「ねぇちゃん」ってな意味だ。
【註12】
「俺は百済」ってのもナンセンス。彼らは歴史の成績が悪かっただろう。現在の朝鮮人は百済の系統ではなく、新羅の系統なのだから。自分たちのルーツに何かとこだわる韓国人が、「俺は百済」って言っちゃうのは、自らの勉強不足を露呈する恥ずかしい行為だ。それに、百済ってのは日本の同盟国だったのも知らないのかな? 歴史を知らない彼らは、韓国の歪んだ学歴社会の中で発生した落ちこぼれか?
【註13】
「俺は百済」って言っておきながら「七支刀」ってのもナンセンス。七支刀は百済じゃなくて、新羅だ。彼らは百済と新羅の区別がついていないのだろう。かわいそうにぃ・・・。
【註14】
「独島(ドクト)」は日本で言う「竹島」のこと。韓国人は歴史捏造して、他の島の歴史的記述とすり替えを行ない、この島を韓国の領土だと主張している。現在、韓国の軍隊が不法占拠中。
奴らは以前に「バカチョン・カメラ」という語の「チョン」にも過敏反応していたしなぁ。「バカでもチョンでも」の「チョン」ってのは韓国人の事じゃないのになぁ。
韓国ラップ嫌い (3)
2006年6月9日さて、「ファック・ジャパン」の歌詞である。
反日の曲なので、勿論、日本に対する差別用語が満載だ。
その他には障害者に対する著しい差別表現もある。そのような障害者差別が実際に韓国でなされていることを事実として示す為にそのまま記すが、私には障害者差別を助長する意図は一切ない。障害者差別は絶対にやめよう!
障害者差別をする韓国を差別しよう!
> 俺、韓国人 (私は日本人です)
> おい、お前、アルロビューって言ってみな (アイラビュー) 【註1】
> 違う、アルロビューだって! (アイラビュー)
> お前、障害者か? 【註2】
> 発音も出来ないのか? (はい)
> お前、本当に障害者か? (はい)
> 元々、お前の国が障害者なのか? (はい)
> はーぃ、朝鮮人兄さん
> チョッパリ野郎ジャップス 【註3】
> さっさと殺っちまおうか、兄さん?
> シーバル! 【註4】
> このチン○に値するマン○野郎ども
> ここ日本に住むチン○みたいなマン○野郎ジャップスは
> ビッチ障害者 馬鹿ビッチ達
> 世界でウェノムの書かれたチョッパリビッチ 【註5】
> チョッパリビッチ
> 自国の歴史まで騙すの? (ハイ) 【註6】
> 騙すの? そう、騙せ! 騙せって!
> マン○野郎ども
> どれだけチョッパリなら騙すのか?
> チョッパリなら騙せ!
> お前、父さん母さん全て騙せ! 父さん母さん全て騙せ!
> 食う? お前の母さんも食う? (ハイ)
> 良いか? 良い良い めっちゃ良いって
> 障害者ビッチよ、目一杯てんかんやってろ! 【註7】
> 野蛮なジャップ、てんかんみたいなジャパニーズ
> ねずみのチン○のジャップ
> 日本は我々のトイレ
> ファック!
> ポッキンネイション 【註8】
> チャパニセ 【註9】
> ポッキンネイション
>
> おい、敗戦国 (ハイ) 【註10】
> 美しい我々のアガシの足の前で数百名 【註11】
> 並んで 待って 待って 待っっていた障害者たち
> (障害者、障害者、障害者たち)
> ジャパニーズガール達、ホントにマズいね
> もらっても食えない つくろったデキソコナイ
> ダーティー コリアン プッシー達も、お前らは食わない
> チン○が小さくて食わないよ
> 俺は百済 【註12】
> 俺達 宗主国
> 俺はニッポンの宗主国
> 未開だったお前らにしてあげたこと覚えてるか?
> 記憶してるか (記憶してるか?)
> 七支刀 七支刀 【註13】
> お前らの宝物、俺がやった下賜品
> 御使して挨拶しな (ハイ)
> 前で跪け (ハイ)
> 使えて挨拶しな (ハイ)
> 永遠に従え (ハイ)
> 泣きながら祈れ (ハイ)
> Z ARROW A.P.A.M.U
> ポッキンネイション
> チャパニセ
> ポッキンネイション
>
> ジャップ 沈み行くお前の国
> 美しく小さな我々の島、独島に 【註14】
> 全国民、お手手つないで来たいのか? (ハイ)
> ジャップ!
> 街にゃすっかり核をくらった爆弾たち
> 広島 Bomb! 長崎 Bomb! 東京 Bomb! ジャパン Bomb!
> ボン!ボン!ボン!
> 核落としてやるからな! 核落としてやるからな!
> おい!お前、マルタ知ってるか? 習わなかったろ?
> 障害者達、お前ら馬鹿なんだから
> 北朝鮮は元々我々の国
> 韓国も先に立ってお前らじゃップ、使えなく小便教えてやる
> コップ食え (ハイ)
> もうこの小便も食え (ハイ)
> 良いか? 良い良い めっちゃ良いって
> 障害者たちは、てんかんやってろ!
> 野蛮なジャップ てんかんみたいなジャパニーズ
> ポッキンネイション
> チャパニセ
> ポッキンネイション
こんな歌詞のラップが韓国では何の制限もなく平然とテレビ・ラジオで放送されているのである。差別用語のオンパレード。民度の低さ丸出しだよなぁ。
歌詞中の【註1】〜【註14】についての解説は明日に記述。
(つづく)
韓国ラップ嫌い (2)
2006年6月8日前日の続きである。
まず、その曲「ファック・ジャパン」のタイトルを解説しておくことにしよう。
原題は「fUCk zAPAN」である。ナゼに「ジャパン」が「Japan」じゃなくて「Zapan」なのかと言うと、実際は「J」なのに対して皮肉を込めて「Z」にしたと考えられる。韓国語には「J」と「Z」の区別がなくて「Japan」でも「Zapan」でも発音は同じなのだ。「Z」で始まる「Zapan」にした場合、アルファベット順に並べると最後になる。我々からするとアルファベット順なんかどうでもいいことのように思うが、韓国では後に名前を書かれる事が最大の侮辱になるという思想があり、「Zapan」と書くと日本に侮辱を与えた気分になるらしい。
さて、この件に関連した話題をひとつ。
韓国を英文表記すると「Korea」である。この「Korea」という表記に関しても、韓国人たちは反日の材料にしちゃっているのだ。「Japan」と「Korea」では、アルファベット順では「Japan」のほうが先だ。これが韓国人たちは気に入らないらしい。そこで、韓国人たちは、次のような歴史捏造をやってしまった。
「我が国の元々の英文表記は『Corea』だった。『Corea』が『Korea』に変わったのは、日清戦争に勝利して朝鮮半島で勢力を掌握した日本の陰謀だった。オリンピックの開会式のアルファベット順の入場行進では、『J』は『C』の後になるから、これを不快に思った日本が、イギリスの親日的な外交官を利用して、イギリス人に『Corea』ではなく『Korea』を使用するように要求したのだ。」
しょーもない歴史捏造である。
西洋の古地図を見ると、「高麗」の音を元にしてスペイン・ポルトガルでは「Corea」と書いてあるが、フランスでは「Coree」だったり、その他の国では「Kauli」という表記もあったり、表記が統一されていなかったのが実状である。中国語の音から「Tiauxen」、日本語の音から「Tiocen」と表記されている地図も存在する。英語表記としては18世紀のイギリスの地図に「Korea」の文字が登場しているが、19世紀の英米の外交文書を見ると、「Corea」と「Korea」が混在しているのがわかる。英米からは「そんなのどっちでもいいじゃん」ってな感じで、ちゃんと相手にされていなかったようだ。その後、1884年になって米国は「Korea」表記を採用し、1905年に英国でも「Korea」表記を採用した。
ってことは、日本が「日清戦争に勝利して朝鮮半島で勢力を掌握した(1895年)」その10年以上も前に米国が「Korea」表記を採用しているってことになり、また、日本が「日清戦争に勝利して朝鮮半島で勢力を掌握した」その10年後までも英国は「Corea」表記も使用していた・・・ってことになる。すなわち、日清戦争で勝利した日本の陰謀で「Korea」表記になったという理論は破綻しているのだ。
更には、日本がオリンピックに初参加したのは1912年のストックホルム大会である。米国で「Korea」表記になった時期にはオリンピックはまだ始まっていなかったし、英国で「Korea」表記になってから7年後に日本がオリンピックに初参加なのである。だから、オリンピックでの日本の入場順の為に「Korea」になったって説も破綻しているのだ。
今でも韓国では、「Corea」表記にしよう!という運動が反日運動の一端としてある。日本に対して「Zapan」にせよという運動まである。そんなにオリンピックで先に入場したいのだろうか。なかなかセコい話である。4年前のFIFA・ワールドカップでも「Corea」と書かれたタオルを見せつける韓国人の姿が多かったよなぁ。ああ、セコい、セコい。
おぉっと、「ファック・ジャパン」の歌詞の内容を書けなかった。
ってことで、この件は明日に。
(つづく)
4年前のFIFA・ワールドカップでの韓国人の観客のマナーの悪さは凄かったねぇ。韓国の試合の相手国の選手の写真に、黒リボンを巻いて遺影にして、「○○選手、死ね!」って書いてあるのを会場まで持ってくるんだもの。韓国チームの流血プレイの数々も酷かったねぇ。私はワールドカップには全く興味ないけど、あれは醜悪だよなぁ。
韓国ラップ嫌い (1)
2006年6月7日8年くらい前のことなのだが、韓国人たちはネットを中心にこんな話題で燃えていた。
「DNP006という日本のラップ・グループが、韓国をバカにしたラップを日本で大ヒットさせている!」
事実無根である。日本にはそんなグループは存在せず、韓国ネタのラップが日本で大ヒットしたことなど一度もない。上記の噂話は、韓国人のよくやる「自作自演」で、自らを「被害者」と美化する、毎度毎度の「捏造」だったのである。
韓国人たちは事実も確認せず、この件をネタにして反日で盛り上がり、更には、韓国政府も事実を確認せずに外交ルートで日本政府に正式に抗議してきやがった。韓国人・韓国政府のアホさを再認識させられる出来事だった。
今でも、「そのラップが日本で大ヒットしたのは事実だ!」と言い張る韓国人は多い。捏造したオリコンのヒット・チャートを示して、「ほ〜ら、この通り、チャートで一位になってる!」ってな事を言っている奴までもいる。まるでキチガイである。本当のその週のオリコン・チャートを見せてやると、それは捏造だとまで言う。韓国人が自分たちで捏造しているのに、逆に日本人が捏造している言い張る、毎度毎度の韓国人の手口だ。朝鮮半島の国って、北だろうが南だろうが、その政治体制・イデオロギーに違いがあっても、「自作自演」とか「捏造」ってのが大好きなんだねぇ。朝鮮民族固有のそのような捏造酵素分泌の塩基配列が彼らのDNAの中に入っているんぢゃないのぉ?と思えてしょうがない。
それで、存在もしないその日本のラップ曲に対抗して、日本をバカにする曲を韓国人のラップ・グループが製作し、これが韓国で大ヒット。韓国のチャートで一位になってしまったのだ。
では、さっそく、その曲「ファック・ジャパン」を聞いてみよう。
これである。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/zapan.asf
音楽性も低いが、そのラップの歌詞の低俗さにも呆れ返る。
韓国語だから何を言っているのかわからないって?
じゃ、翻訳して公開してみるとしよう。
(つづく)
映画嫌い (71)
2006年6月6日まったくの偶然で、先週に知人からDVDを借りて、「シンドラーのリスト」を見たんだけど、
「シンドラー社のリフト」
っていうダジャレをついつい言ってしまうのは私だけであるまい。
スイス「シンドラー」社
http://www.schindler.ch
シンドラー・エレベーター株式会社
http://www.schindler.co.jp/
映画嫌い (70)
2006年6月5日おぉ〜っと、この映画についても書くのを忘れておった!
ってことで、今回はロシア映画「ナイト・ウォッチ(Night Watch - NOCHNOI DOZOR)」である。日本で劇場公開されるかなり前に私は見終えていたんだけど、あれから結構な時間が経過しちゃった。
すっごく印象が薄い映画だ。わけがわからんストーリーだったってこともあり、ストーリーの詳細をあまり思い出せない。その昔に、光の勢力と闇の勢力が分裂して、その対立と均衡がどうので、その長い対立の歴史の結果、現在に「光vs闇」の決着を・・・ってな事なんだけど、そ〜いう前提が稚拙でしょうがない。光と闇だ、魔法と剣だ、・・・って、テレビ・ゲームのチープな設定のようなものを映画でやっても面白くないよぉ。
この映画の宣伝では、何かと「マトリックス」と「ロード・オブ・ザ・リング」が引き合いにされてるんだけど、それが逆効果になっちゃっている。「マトリックス」並みのアクションだってことを言いたいのだろうが、ほとんどそんなシーンがない。タンクローリーがひっくり返るだけで、それがアクションだと言えるのかなぁ? 「ロード・オブ・ザ・リング」のようなファンタジー大作って言いたいのだろうけれど、さっぱりファンタジーには見えない。宣伝文句では「ダーク・ファンタジー」と表現していて、その暗さから「ダーク」であるのは認めるけれど、これって「ファンタジー」じゃないよなぁ。アクション映画としてもファンタジー映画としても失格なんだよ。この映画も、わけのわからなさと不条理さが「ファンタジー」なんだと勘違いしている人たちによって作られたんだろうなぁ。「ファンタジー」と言っちゃえば、どんな無意味なシーンでも時間稼ぎに使えちゃうもの。あの地下鉄のシーンなんか、ストーリー上は全く意味がないのに、意味ありげに長々とやっちゃって、そのようなストーリーの本筋とは関係ないシーンしか印象に残らないってのは、あまりにもアホらしい。
それで、「ナイト・ウォッチ」も「マトリックス」のような三部作にするってことで、第一部のこれは、光の勢力の戦士が主人公で、その息子が父への敵対心(父としては自業自得ってことなんだけどね)から自分の意志で闇の勢力に加担することを決めるまでのストーリーだ。それをまるでダイジェスト版のようにやっちゃっている。映画でダイジェストやってど〜すんだよぉ。第二部に続くってことで、尻切れトンボで終わらせていいんかい? それで、第二部では親子対決ってことになるんだろうけど、第一部を見て、この続きを見たいと思う人っているのかなぁ? 無駄なシーンをパッチワークにして三部作にしなきゃならなかったってのは、一本の映画の中で表現できなかったという脚本ミスなだけだろ。
で、意外だったのは、この映画がロシア映画ながら、ハリウッド映画のような撮影をやっちゃっている事だ。ロシア語じゃなくて英語で会話されていれば、これがハリウッド映画だと思っちゃう人もいるんじゃないだろうか。ロシアっぽさがほとんどないのである。ロシアでもそ〜いう撮影ができるんだ、って言うよりは、そ〜いう撮影をしなきゃならなかったのかよ?って思ってしまう。ソ連時代の映画が好きだった私としては、このようなハリウッド風のロシア映画を見せられると、複雑な気持ちになってしまうのだ。ソ連時代のタルコフスキー監督の「ストーカー」は、その坦々とした精神世界が素晴らしく、そのような映画って絶対にハリウッド映画じゃできないだろうし、ハリウッド映画が好きな人たちには絶対に理解できない世界観だろうなぁと思うのだが、そのようなソ連・ロシアの映画の素晴らしき伝統が失われてしまうんじゃないかと心配になっちゃう。タルコフスキー監督の「惑星ソラリス」が数年前にハリウッドで醜い改悪リメイクされて「ソラリス」として公開された時の悲しさを、「ナイト・ウォッチ」を見て私は思い出してしまった。
映画「ナイト・ウォッチ」
http://www.foxjapan.com/movies/nightwatch/
映画「ストーカー」
http://www.imageforum.co.jp/tarkovsky/stk.html
映画「惑星ソラリス」
http://www.imageforum.co.jp/tarkovsky/wksslr.html
映画「ソラリス」
http://www.foxjapan.com/movies/solaris/intro.html
私はタルコフスキー監督(故人)の作品が大好きである。タルコフスキー作品で音楽を担当していたエデュアルド・アルテミエフという音楽家も大好きである。アルテミエフ氏は「ソ連・電子音学の祖」として有名で、1980年のモスクワ・オリンピックの開会式の音楽監督でもあり、モスクワ文科大学の名誉教授だ。以前、私はモスクワに行った時に、アポなしでアルテミエフ氏を訪問したことがある。彼の作業場を見学させていただいたところ、Y社、R社、K社、と、ほとんどの機材が日本製だったのが爆笑だった。世界にはびこる日本製機材、恐るべし!
ところで、7年前にラジオ番組でオカルトものを私が担当していた時(前述のアレのこと)、リスナーさんからいただいた手紙の中に、札幌の中学生の女の子からこんな内容が書かれていたやつがあった。
「私の前世はムーン大陸の光の戦士で、名前はミダスでした。一緒に闇の帝国と戦った二人の戦友を探しています。」
ムーン大陸じゃなくて、ムー大陸のことかな?と思うんだけど、それは置いといて、まだ自分が光の戦士だったという事に目覚めていない二人にラジオで呼び掛けてほしいのだそうだ。頭がクラクラする。その手のアニメの見過ぎかよ。「ナイト・ウォッチ」を見て、そんな「光の戦士」のミダスちゃんのことを思い出してしまったのだ。勿論、ラジオ番組では無視して取り上げなかったんだけど、その後、ミダスちゃんは戦友を見つけられたのだろうか? ミダスちゃんが今でも生きていたとしたら、ハタチを過ぎて、合コンとかもやっている年頃だろう。合コンで隣の席の女性がいきなり「私は光の戦士で・・・」って言い出したらイヤだな。
ミダスちゃんはその名前をどこから引用したのだろうか? やはりギリシャ神話なんだろうなぁ。そのギリシャ神話から発生した英語で「Midas touch」ってのがどんな意味なのか知っているかなぁ? ムー大陸ってのは、シャルル・ブラッスールの誤訳と、パウル・シュリーマン(トロイの発掘で有名なシュリーマンの孫だ)による捏造と、ジェイムズ・チャーチワードの嘘の上塗りでデッチあげられたインチキであることに、ミダスちゃんはその後になって気が付いただろうか?
「Midas touch」の意味を知らない人は、お近くのアメリカ人にきいてみてちょ。(ほとんどの英和辞典には載っていないよん)