まずは、コレだ。1970年代に一世を風靡したイギリスのプログレ・バンド、お馴染みのエマーソン・レイク&パーマ(Emerson, Lake & Palmer)だ。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/tarkus.mp3
驚異的な演奏力を持つキーボード奏者のキース・エマーソン(Keith Emerson)の炸裂するキーボードをメインとした、キーボード、ベース、ドラムのトリオ編成のバンドだった。ハモンド・オルガンのコツン・コツンとした独特のパーカッシヴな音を多様した攻撃的な演奏を行ない、ギターなしでこれだけロックをやれるという敢闘賞ものだった。
 
エマーソン・レイク&パーマをパクったバンドがドイツにある。同じくトリオ編成で、バンド名はトリアンヴィラート(Triumvirat)という。三頭政治ってな意味だな。音がモロにパクりで笑っちゃうのだ。こんな音なのである。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/panicon5thavenue.mp3
キース・エマーソンに訴えられていないのが不思議なくらいのパクり放題だ。こんなのだから、トリアンヴィラートは「ドイツのエマーソン・レイク&パーマ」と呼ばれている。
エマーソン・レイク&パーマのこの部分
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/tarkus2.mp3
をパクって、こんなことまで平気でやっちゃっている。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/theburningsword.mp3
いい加減にせ〜よ!である。
 
このようなハモンド・オルガンの演奏って、実は、コツがあって、キース・エマーソンの手癖のようものなんだけれど、ド・ファ・ソ・シb・ミbのコードで弾くと誰でもこうなっちゃうのである。代表曲の「タルカス (Tarkus)」などは、ほぼ全編がこのコードで展開されているし、他の曲でもかなりこのコードが使われている。楽器屋に行って、展示されているシンセサイザーでコツン・コツンのハモンドの音を出してこのコードを弾いてみよう。「あなたもキース・エマーソンになれる!」ってなパターンだ。右手だけでド・ファ・ソ・シbの4音の和音を弾いて、それでリズムを刻んでみよう。アルペジオにしても良し、そのままコードを平行移動させるのも良し。そのレシピで節操もなくやっちゃったのがトリアンヴィラートだ。
 
キース・エマーソンはハモンド・オルガンのコツン・コツンの音でホンキートンク風に弾くパターンがある。たとえばこれ。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/thesheriff.mp3
これもパクられている。ドタバタするドラムまでパクって、こんなのに。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/thewallsofdoom.mp3
かなり悪質である。
 
キース・エマーソンはシンセサイザーでファンファーレ風のメロディを弾くクセもある。たとえばこんなのだ。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/karnevil9imp3.mp3
それもトリアンヴィラートはパクってやんの。ほとんどそのまんま引用して、こんな曲をやっている。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/thehistoryofnystery1.mp3
激しく盗作の域だ。
 
キース・エマーソンが弾くピアノをバックにグレッグ・レイク(Greg Lake)が歌うこの曲
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/trilogy.mp3
もパクって、こんな曲にしている。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/theschoolof.mp3
中途半端に強引なパクりをやっちゃったものだから、メロディがすっごく不自然になってやんの。
 
 
トリアンヴィラートはエマーソン・レイク&パーマとほぼ同時期に活動していて、1980年に解散するまで7作のLPを出している。2作目から5作目が全部こんな感じだ。私がこのバンドを初めて聴いたのは、私が中学生の頃だったんだけど、こんなことするレコードを出してもいいんかい?と思ったものだ。その時には、日本盤でもLPレコードが出ていて、私が中学生の時に買ったのが「Illusions on a Double Dimple」というタイトルのやつだった。邦題はそのまんま和訳しちゃった「二重靨の幻影」だったなぁ。その時に初めて「エクボ」というのを漢字で「靨」と書くと知って、「エクボ」を英語で「dimple」というと知ったんだけど、「フタエエクボ」ってどんなエクボなんだか意味がさっぱりわからず、わからないまま今の年齢になっちゃった。エクボの中にさらにエクボができるってやつなのかなぁ? そ〜いうのを見たことがないのは私だけ?
 
ゴルフ・ボールの表面のデコボコ状のやつも「dimple」って呼ぶけれど、あれも「エクボ」なのね?
 
 
ちなみに、トリアンヴィラートの最後の2作("A La Carte" と "Russian Roulette")では、エマーソン・レイク&パーマっぽい曲が全くなくなっている。それまでの、エマーソン・レイク&パーマっぽい曲の中に見え隠れしていたポップ感覚を前面に出し、めちゃくちゃポップな曲とか、バラードなんかをやっているのだ。それはそれでなかなか良くできているんだよなぁ。そのポップさがアメリカでウケて、当時、アメリカで人気が出たようだ。
その当時のビデオがここで見られる。
http://www.youtube.com/watch?v=lyNwG-z3fUU
専任のボーカリストを入れて4人編成になった時のビデオだ。めちゃくちゃバラードしている。こうなっちゃうと、もはやエマーソン・レイク&パーマのパクりではないなぁ。
このボーカリストはバリー・パーマ(Barry Palmer)という名前の人で、一時的にユーライア・ヒープ(Uriah Heep)で歌っていたこともある人だ。マイク・オールドフィールド(Mike Oldfiled)の作品でも歌っていたっけ。これは都市伝説なんだけれど、バリー・パーマはエマーソン・レイク&パーマのカール・パーマ(Carl Palmer)の親戚らしいのだ。本当なのかデッチ上げなのか私は知らない。もしも本当であるならば、エマーソン・レイク&パーマとトリアンヴィラートって親戚関係にあたるのねぇ。
エマーソン・レイク&パーマにまつわる都市伝説っていろいろあるんだけれど(アメリカで屋外のライブをやっている時に、キース・エマーソンのハモンド・オルガンのアンプの前を野ネズミが横切って、その時、そのアンプからの音の音圧で野ネズミが破裂してバラバラになった!とか)、それはまたの機会にでも。
都市伝説、おそるべし!
 
 

 
 

 
 
 

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