映画嫌い (162)

2007年3月15日
 
本日のバカ映画は2002年の韓国映画「サウラビ (Saulabi)」である。韓国でジャンルとして確立している「反日映画」の一種だ。勿論、日本では劇場公開されていない。日韓チャンバラ合戦の映画である。
 
6世紀、朝鮮半島は百済、新羅、高句麗の三国時代だった。滅亡しそうになった百済では、「サウラビ」と呼ばれる武士集団が集団自決をする。
それから450年後、サウラビの子孫たちは日本の九州に逃れて、九州のナンゴウ村で亡命生活をしていた。サウラビの子孫であるウドは、「神剣」の作り方を知っている老人を訪ねて九州の城下町にやってきた。その時、その町の有力武家であるサイトウ家の娘・オサメがウドに一目惚れをする。そして結局は、ふたりは駆け落ちをしてしまうのだった。オサメは地元の大名・アンドウに嫁ぐことを決められいて、それを嫌がっての駆け落ちだ。アンドウとサイトウの武士集団はオサメを奪還すべく、ナンゴウ村を襲撃し、村を焼き払い、村長を焼き殺す。そして、オサメを連れ戻すのだった。
その後もアンドウ&サイトウの武士集団はナンゴウ村を警戒して、何度となく村を襲撃する。それに抵抗したサウラビの子孫たちは一斉反撃を仕掛ける。血で血を洗う激戦の結果、両者とも全滅。ウドが完成させていた「神剣」はアンドウとオサメの間にできた子供が手にするのであった。おしまい。
 
本当に九州でロケをやって作られている。オサメを演じているのは梅宮万紗子だな。その他にも日本人俳優では榎木孝明、勝野洋らが出演している。相当な制作費をかけて、大勢のエキストラも導入し、韓国側がかなりの力を入れて作ったようである。
 
他の反日映画と同様に、この映画でも日本人は完全に悪役にされてしまっている。平気で人を殺し、人を騙す日本人。それに対して、サウラビの子孫たちは芸術を愛し、殺生を許さない平和主義者。そ〜いう構図で描かれているのだ。そして、愛する者のために憎き日本人武士を斬りまくる、韓国人にとっては気分爽快なストーリーだな。
 
ところで、韓国には「ウリナラ起源」説というものがある。我が朝鮮民族は世界最高の民族であり、かつては朝鮮民族が世界を統一していたという説で、メソポタミアで文化を教えてやったのも、エジプトで文明を起こすのを教えてやったのも朝鮮人で、黄河文明も朝鮮民族が指導したものだと主張している。そして、世界的に有名な各種の文化や伝統はすべて朝鮮民族に起源があるとしているのである。日本の寿司も、ソメイヨシノも、柔道も、茶道も、刺身も、朝鮮民族が日本人に教えてやったものなんだそうだ。噴飯ものだ。日本の天皇は朝鮮民族の出身であり、万葉集は朝鮮語で書かれているとも主張する。ニュートンに万有引力を教えてやったのも、アインシュタインに相対性理論を教えてやったのも、ダーウィンに進化論を教えたのも、メンデルに遺伝の法則を教えたのも、み〜んなみんな朝鮮人なんだそうだ。アホらしい。サッカーも朝鮮民族が考えたんだとさ。だけれども、韓国人の中にはこの説を史実として信用しちゃっている人が実に多い。なんでこんなバカバカしい説を信じちゃうのかなぁ?
じゃ、なんでマルクスに共産主義を教えたのも朝鮮民族で、ヒトラーにナチズムやユダヤ迫害を教えたのも朝鮮民族って言わないんだろ? なんで韓国人にノーベル賞の受賞者が今までにひとりもいないのだ? と、疑問が数十個、一挙に頭の中に浮かぶよな。
 
で、その「ウリナラ起源」説では、日本の「サムライ」の起源も朝鮮民族にあり、その昔に朝鮮半島にいた武装集団「サウラビ」が「サムライ」の語源だって事にされちゃっているのである。この説は現在の韓国では広く信じられている。
勿論、そんなのはデッチアゲである。韓国人が得意とする歴史捏造だ。「サウラビ」というものが当時に朝鮮半島にあったという歴史的証拠は何もない。「サウラビ」という言葉の存在証拠さえもないじゃないか。「サウラビ」が「サムライ」だって、ダジャレかよ!
 
そんなわけで、この映画は韓国国内のマスコミで取り上げられる場合は、必ず、「日本のサムライの起源となったサウラビ」という観点で語られるのだ。「サウラビ」が日本人に武士道を教えてやったのだと。この映画の中では、「サウラビがサムライの起源だ」というような事はひとことも言っていないのだが、韓国人がこの映画を見れば、「サウラビ」→「サムライ」のことだなと誰でもわかるのだ。その上に、韓国では、この映画のストーリーが真実・歴史的事実ってことにされちゃっている。バカバカしいけれど、韓国人は信じちゃっているのだ。困った奴らだなぁ。
 
で、真実・歴史的事実であるはずのこの映画に、数々のヘンテコなシーンがあるぞ。まるで前述の映画「マリー・アントワネット」におけるオーパーツなみのマヌケなシーンの数々みたいなのが。
例えば、この物語りの時代がいつなのか、ストーリーを追って計算してみると、平安時代の後期にあたるはずなんだけど、なぜか「大名」ってのがいる。その上に、「大名行列」のシーンまでもある。下にぃ、下にぃ〜っていうアレだ。行列の前を横切ると、無礼者とされて侍に切り捨てられている。600年も後の江戸時代になってから始まる大名および大名行列の制度が平安時代にあったのか? それって歴史的事実なのかねぇ?
で、その侍ってのが、チョンマゲ姿なのだ。チョンマゲがどのような経緯でいつから一般化したのかも知らないでいて、それが歴史的事実と言えるかよ?
それに、武家屋敷の皆さんが来ている着物が、室町時代以降に登場する、歌舞伎に出てくるようなハデハデなやつなのが爆笑だ。平安時代にこんな格好してたってか? ナンゴウ村の女性は全員がチマチョゴリを着ているし、サウラビが着ているのは忍者の衣装じゃないか。更には、セリフの中に「戦国の世」とか出てくるし、もう、歴史がハチャメチャである。そもそもナンゴウ村だなんて九州に存在していなかっただろ。
 
日本人諸君、こ〜いうバカな映画は無視しようぜ。
 
 
映画「サウラビ」
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2001/05/24/20010524000012.html
http://www.seochon.net/korean_movie/movie/saulabi.htm
http://members.at.infoseek.co.jp/koreawatcher/docs/webzine5.htm
 
 

 
「サウル(戦い)」+「アビ(男)」=「サウラビ」
だなんて、なんだか、
「まりも」+「もっこり」=「まりもっこり」
みたいだ。
で、古朝鮮に「サウラビ」ってな単語があった証拠となる文献などは何ひとつないのだ。
あったら見せてみろ!
 
監督のムン・ジョングムは「今回の作品は、どこに出しても恥ずかしくない」と言っているそうだ。
監督よぉ、これってすっごく恥ずかしいぞ!
 
ちなみに、Yahoo、Googleなどのサーチエンジンで「ウリナラ起源」で検索すると、おバカな韓国起源説がいっぱい見られて爆笑である。ヒマつぶしにもってこいだ。
 

 
 

お気に入り日記の更新

日記内を検索