映画嫌い (169)

2007年4月1日
 
本日のデス映画は2006年の邦画「地下鉄に乗って」である。浅田次郎の小説の映画化だ。タイトル中の「地下鉄」は「メトロ」と読むそうだ。タイムスリップものである。
 
主人公は会社員・小沼真次。彼は彼女のみち子と共にタイム・スリップを繰り返す。地下鉄に乗ると、戦時中の昭和20年、終戦直後の混乱する昭和21年、彼が少年時代の昭和39年の世界と現在が不思議に繋がっていたのだ。小沼は現在は父とは絶縁状態にあるが、タイムスリップ先で若い頃の父・佐吉と知り合う。みち子も自分の生まれる前の母と知り合い、そして驚愕の事実が判明し・・・。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/metro.jpg
 
映画「Always 3丁目の夕日」でも見られたような、昭和のレトロ感を表現している映画だ。小沼を演じている堤真一も、父を演じている大沢たかおも、いい芝居をしていると思う。しかし、残念ながら肝心のストーリーが物足りない。かなり地味だ。すごく中途半端な印象を受けた。もうひとひねり、ふたひねりくらい欲しかったなぁ。みち子の存在をファンタジー化したかったのだろうが、それも成功しているとは思えない。みち子が消えたシーンにはおもいっきりコケたもの。
 
私はDVDでこの映画を見た。そのDVDの副音声には、監督さん、美術さんがこの映画を見ながら、そのシーンの撮影裏話を喋っているのが収録されているのである。なんと、その話の内容のほうが、映画本編よりずっと面白いのだ。昭和39年の街並や地下鉄を表現する為の色々な工夫やロケの苦労なんかを話している。その話によると、かなりの綿密な事前調査を行い、凄くこだわりを持って撮影されていたことがよくわかる。それが本編のストーリーより面白いんだもの、これは本末転倒じゃないか。その意味でこの映画はデスなのである。
言い換えれば、それほどこだわりを持って撮影されていながらも、そのような裏話を聞かなければ、そのこだわりが映像に反映されているように見えてこないのである。それって単に表現手法が下手なだけでは?と思うのは私だけであるまい。
 
それにしても、みち子のあれはタイム・パラドックスだよなあ。
 
 
映画「地下鉄に乗って」
http://www.metro-movie.jp/
 
 
 

 
タイムスリップものはもういいよぉ・・・。
 

 
 

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