クリオネ嫌い (1)
2007年4月4日北海道のオホーツク海に面した紋別市に親戚がいる。知床、網走と並んで紋別は冬になると流氷の街になる。最近の観光客の目当ては、流氷じゃなくて、流氷の下に棲息しているクリオネなんだそうだ。観光客は流氷の下に潜ってクリオネを見るわけにはいかないから、観光施設に設置してある水槽の中にいるクリオネを見て、「カワイイ!」と奇声を上げているらしい。確かにクリオネの形状も泳ぎもカワイイ。一種のメルヘンの世界だな。
実は、このクリオネ、その生態はまだはっきりわかっていないらしいのだ。紋別にいる親戚は、なんとか水槽の中でクリオネを飼うことができないものかと何度も実験しているけれど、春になって暖かくなってくると水槽の中で全滅しちゃうらしい。水温を低温のままに保ってもダメなんだそうだ。夏でもクリオネを見られるようになったり、クリオネを人口孵化できるようになったとしたら、観光の活性化につながるので、私の親戚もいろいろと試しているそうだ。しかし、今年も春になって見事に水槽の中で全滅してしまったらしい。
先日、その親戚から驚愕な話を聞いた。クリオネを食べてみたと言うのだ。
貝の一種だから食べられないことはないだろうが、随分と悪趣味なことをするよなぁ、さすが私の親戚だな。クリオネは小さいからそれを50匹くらい集めて、生きているやつにワサビ醤油をかけて刺身で食べたと言う。刺身というよりは踊り食いだな。なんだかクリオネの悲鳴の声が聴こえてきそうなシチュエイションである。もしもそれが美味しくて、クリオネの養殖にでも成功したならば、将来はクリオネ丼、クリオネ鍋とか、クリオネ・ラーメン、クリオネ入りカレーなんかを名物料理にできるかも知れない・・・と思ったそうだ。
しかし、世の中、そう甘くなかった。クリオネが小さすぎて、味がほとんどわからなかったらしい。歯ざわりもなく、喰いごたえもない。これじゃ食材にはならないと判断し、クリオネ丼の件は夢と消えたと言う。
こうなったら、やはり、クリオネがモッコリしちゃっている「クリオネモッコリ」ってなキャラクターものでも作るしかないかな?
クリオネ
http://www.kaiyukan.com/clione/
http://www.mon-cci.or.jp/kurione/kurione.html